新型コロナウィルス対策で新たな制度が誕生しました。
経済的困難な学生等に最大20万円を支給する「学生支援緊急給付金」です。
今回は学生支援緊急給付金について5月21日現在の情報に基づいて分かりやすく解説していきます。
学生支援緊急給付金概要
それではまずは制度の概要からみていきましょう。
学生支援緊急給付金とは
学生支援緊急給付金は以下のような趣旨の制度となります。
新型コロナウイルス感染症拡大による影響で、世帯収入・アルバイト収入の大幅な減少により、学生生活にも経済的な影響が顕著となっている状況の中で、大学等での修学の継続が困難になっている学生等が修学をあきらめることがないよう、現金を支給する事業です。
出所:文科省 学生支援緊急給付金より
つまり、大学等での修学が経済的な状況により困難になってきた方を救済する制度となります。
この制度とは別に国民一人当たり10万円が支給される特別定額給付金もでますが、それだけでは修学は厳しいのでそれにプラスしてってことですね。
持続化給付金の学生版的なものでしょうか。
学生支援緊急給付金の給付額
給付額は以下のとおりです。
- 住民税非課税世帯の学生等は 20 万円
- それ以外の世帯の学生等は 10 万円出所:文科省 学生支援緊急給付金より
住民税非課税世帯とはその名前のとおり世帯全員が住民税が非課税になっている状況を指します。
それに該当していると20万円、それ以外だと10万円となります。
住民税非課税世帯の詳しい条件等はこちらの記事を御覧ください。
学生支援緊急給付金の対象となる学校
対象となる学校は以下のとおりです。
- 国内の大学(専攻科、別科及び大学院含む。)
- 短期大学(専攻科、別科を含む。)
- 高等専門学校(第 4学年、第5学年及び専攻科に限る)
- 専門学校(専修学校(専門課程(上級学科を含む)))
- 日本語教育機関出所:文科省 学生支援緊急給付金より
結構幅ひろい学校が今回の制度となります。
学生支援緊急給付金の支給対象者の要件
支給対象要件は以下の①から⑥の条件を満たすこととなります。(留学生等については、①~⑤及び⑦を満たす者)
② 原則として自宅外で生活をしている
③ 生活費・学費に占めるアルバイト収入の割合が高い
④ 家庭(両親のいずれか)の収入減少等により、家庭からの追加的支援が期待できない
⑤ コロナ感染症の影響でアルバイト収入が大幅に減少(前月比の50%以上減少)している
⑥ 既存制度について以下の条件のうちいずれかを満たす
1)高等教育の修学支援新制度(以下、新制度)の第Ⅰ区分の受給者
2)新制度の第Ⅱ区分または第Ⅲ区分の受給者であって、第一種奨学金(無利子奨学金)の併給が可能なものにあっては、限度額まで利用している者又は利用を予定している者
3)新制度に申込みをしている者又は利用を予定している者であって、第一種奨学金(無利子奨学金)の限度額まで利用している者又は利用を予定している者
4)新制度の対象外であって、第一種奨学金(無利子奨学金)の限度額まで利用している者又は利用を予定している者
5)要件を満たさないため新制度又は第一種奨学金(無利子奨学金)を利用できないが、民間等を含め申請が可能な支援制度の利用を予定している者
⑦ 留学生等(日本語教育機関の生徒を含む)については、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、 経済的に困窮していることに加えて、以下の要件を満たすことが必要。(「外国人留学生学修奨励費」 等と同様。)
1)学業成績が優秀な者であること。具体的には、前年度の成績評価係数が 2.30 以上であること
2)1か月の出席率が8割以上であること
3)仕送りが平均月額 90,000 円以下であること(入学料・授業料等は含まない。)
4)在日している扶養者の年収が 500 万円未満であること出所:文科省 学生支援緊急給付金より
かなり細かいルールがありますね、留学生は成績や出席率にも制限があるんですね。
ただし、これらの条件はあくまで目安とのことで最終的な対象者の判断は大学等がおこなうとのこと。
ですので大学によって基準が異なって来る可能性が大きいです。
学生支援緊急給付金の募集スケジュール
学生支援緊急給付金は以下のスケジュールで募集が行われます。
5月19日以降:各大学で学生からの申請を受付開始
6月19日(第一次締め切り)
募集開始時期は大学等によって異なりますの詳しくは大学にお尋ねください。
なお、給付の日については「申請後、大学等での選考を経て、推薦が終わり次第、振込みができるよう手続きを進めます」とされていますので申請してからの手続きはそれなりに早いことが予想されます。
学生支援緊急給付金の手続き
それでは学生支援緊急給付金の手続きはどのように行えばよいのでしょうか?
学生支援緊急給付金の流れ
特別定額給付金などと比べると流れはちょっと複雑です。
学生は大学等に書類を提出。
大学等はJASSO(日本学生支援機構)にリスト提出。
学生はJASSOから支給されるという流れとなります。(JASSOは国から補助金)
学生支援緊急給付金の申し込み手順
学生支援緊急給付金の申込みは基本的に以下の流れとなります。
(2)必要書類を学校へ提出
(3)大学等での審査
(4)審査結果を大学等から機構へ提供
(5)機構から学生等へ振り込み
学生がやることは(1)の書類作成と(2)の提出だけですね。
学生支援緊急給付金の必要書類
今回の学生支援緊急給付金は証明しなければならない点がいくつもありますので提出書類も結構多いです。
状況によって提出する書類は異なりますが、主な提出書類は以下のとおりです。
- 「学生支援緊急給付金申請書」【様式1】
- 「誓約書」【様式2】
- アパート等の賃貸契約書の写し、直近の家賃の支払い根拠書類、住民票の写し等
- アルバイト先からの給与明細または振込口座の預貯金通帳の写し等
- 各種認定書
大学等によってはスマートフォン等で画像ファイルの提出も可能にするとのことです。
また、証拠書類の一部が揃わない場合であっても、自己申告で申請することは可能とのこと。
ただし、 万が一、申告内容に虚偽があった場合は、返金してもらうことがありますとされています。
まとめ
今回は「学生に最大20万円支給【学生支援緊急給付金】の対象、条件、給付時期等についてわかりやすく解説」と題して学生支援緊急給付金についてみてきました。
他の制度と比較すると少しややこしいところがありますので利用のハードルは少々高めですが該当される方はぜひ検討してみてください。
今回ご紹介した学生支援緊急給付金以外にも新型コロナウィルス対策として様々な制度が始まっています。
これらをうまく使ってこの難局を乗り切りたいですね。
●売上が半減した中小企業等に最大200万、個人事業主に100万円を支給する「持続化給付金」
●休業している方を失業とみなして失業保険を支払う「みなし失業」
●家賃の3分の2を半年分補助「特別家賃支援給付金」
●原則3ヶ月、最大9ヶ月、 家賃相当額を自治体から家主さんに支給する「住宅確保給付金」
●住民税の全部または一部の納付を免除してくれる制度です。「住民税の減免制度」
●国民健康保険を安くすることが出来る「国民健康保険の減免制度」
●国民年金を免除することが出来る「国民年金保険料免除制度」
●税金や社会保険の支払いを遅くすることが出来る「税金等の納税猶予制度」
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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