利益6倍!!任天堂の強烈な好決算を解説。上方修正なるか?

任天堂が2021年3月期第一四半期の決算を発表しました。

これが新型コロナウィルスによる巣篭もり需要を追い風にかなり強烈な好決算となっており大きな話題となっております。

今回は任天堂の2021年3月期第一四半期の決算について詳しく見ていきましょう。

売上高が2倍超を達成

まずは売上高です。

前年比108.1%と倍増しています。

これだけ大きな企業で売上が前年比2倍ってなかなかないのでかなりすごいことなんですよ。

2020年3月期第一四半期2021年3月期第一四半期増減
1,721億円3,581億円+108.1%

出所:任天堂株式会社 「2021年3月期第1四半期 決算説明資料」より

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内訳を見るとNintendo Switchが前年同期が1,616億円だったものが3,445億円と114.2%増。スマートフォンが32.7%増となっています。

とくにソフトウェアが前年同期が2,262万本だったものが5,043万本と123%増となっているのが大きいですね。

特に社会現象と化した「あつまれどうぶつの森」がこの期間だけで1,063万本売れています(累計2,240万本)

その他にこちらも社会現象となっている「リングフィットアドベンチャー」などこの期間だけで下記のミリオンセラー(100万本以上の売上)タイトルが生まれています。

  • あつまれどうぶつの森
  • マリオカート8デラックス
  • Xenoblade Defintive Editon
  • ゼルダの伝説 プレスオブザワイド
  • リングフィットアドベンチャー
  • 大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
  • 世界のアソビ大全51

特に「ゼルダの伝説 プレスオブザワイド」は、2017年3月に出たソフトなんですよ。

3年以上前に出たソフトが3ヶ月で100万本以上売れるという異例な状況。

それだけNintendo Switchの新しいユーザーが増えたということなのでしょう。

すごすぎですね・・・・

こういったこともあり、Nintendo Switchも品切れで抽選販売となっている店舗が多いような状況です。

海外売上高比率76.3%

 

任天堂海外比率
地域別売上高

出所:任天堂株式会社 「2021年3月期第1四半期 決算説明資料」より

任天堂は日本の会社ですが、実は売上比率は海外の方が大きいです。

国内の比率は23.7%だけなのです。

アメリカ38.1%、欧州24.9%、その他13.2%となってます

中国でもテンセントと組んで販売を開始はしていますが、中国政府の検閲もありまだそれほど多くのタイトルは発売されていないとかでまだそれほどシェアは大きくなっていません。


営業利益が一気に5倍超

今回の任天堂の決算で最も驚いた方が多いのが利益です。

まず本業での稼ぎをみる営業利益が前年比5倍となっているのです。

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2020年3月期第一四半期2021年3月期第一四半期増減
274億円1,447億円+427.7%

出所:任天堂株式会社 「2021年3月期第1四半期 決算説明資料」より

売上は倍になっただけなのになぜ利益は5倍???と疑問に思う方も多いでしょう。

それは以下の理由からです。

販売費及び一般管理費が抑えられた

それは販売費及び一般管理費が抑えられたためです。

通常、売上が増えるとそれに応じて経費部分も増えてきます。

しかし、任天堂の場合はそれが抑えられたのです。

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2020年3月期第一四半期2021年3月期第一四半期増減
559億円668億円+19.3%

出所:任天堂株式会社 「2021年3月期第1四半期 決算説明資料」より

売上が108.1%増えましたが、経費部分の販売費及び一般管理費は19.3%しか増えていません。

この差が大きく営業利益を大きく伸ばしたのです。

ちなみに販売費及び一般管理費とは家賃、人件費、広告宣伝費などの製品を製造するのに直接関係ないものが含まれる部分となります。

売上に直接かかる部分は売上原価に含まれますのでご注意ください。

研究開発費は増えて広告費は減った

具体的に公開されている内訳を見ると研究開発費は177億円から198億円と12%ほど増えています。

しかし、広告宣伝費は前年145億なのに対して118億円と18.6%減らしています。

これはNintendo Switchが品切れを起こしてしまっていたこともありますのでCM等をある程度控えていたのでしょう。


経常利益は6.7倍超

さらにすごいのは経常利益です。

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2020年3月期第一四半期2021年3月期第一四半期増減
222億円1,503億円+576.2%

出所:任天堂株式会社 「2021年3月期第1四半期 決算説明資料」より

前年同期比率6.7倍近くに増えているのです。

これは前述までの営業利益の部分にプラスして為替が有利に働いた部分が影響しています。

為替差損が大きく減少

任天堂のように海外売上比率の大きな企業に大きな影響のある為替レートですがこれが多少有利に働きました。

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2020年3月期第一四半期2021年3月期第一四半期増減
1ドル108.83107.70-1.04
1ユーロ119.55121.03+1.48

出所:任天堂株式会社 「2021年3月期第1四半期 決算説明資料」より

ユーロが少し有利に働き、ドルがマイナスに働いた感じですね。

具体的な為替差益(為替で得した)は前年0だったのが9億円計上。

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2020年3月期第一四半期2021年3月期第一四半期増減
0円9億円

さらに昨年121億円計上されていた為替差損(為替で損した)が121億円あったのに対して3億円と抑えられました。

これも大きいですね。

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2020年3月期第一四半期2021年3月期第一四半期増減
121億円3億円-97.3億円

出所:任天堂株式会社 「2021年3月期第1四半期 決算説明資料」より

業績予想は据え置き

なお、これだけ強烈な四半期決算を発表していますが、業績予想は据え置きです。

かなり慎重な予想ですね。

業績予想へ進捗

現在までの予想に対しての進捗を見ておきましょう。

売上高

連結業績予想2021年3月期第一四半期進捗
12,000億円3,581億円29.8%

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売上高は29.8%進捗しています。

かなり順調に推移していますね。

ゲーム関連は特に伸びる時期がクリスマスやお年玉がある年末ですからこの時点で30%近くというのはかなりの進捗です。

営業利益

連結業績予想2021年3月期第一四半期進捗
3,000億円1,447億円48.2%

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すでに四半期の時点で半分ちかく進捗している形です。

よほどの事がない限り上方修正も見えてくる状況です。

新型コロナの件がありますので読みにくいため固めなんでしょう。

経常利益

連結業績予想2021年3月期第一四半期進捗
2,900億円1,503億円51.8%

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こちらも四半期の時点で半分を超えている状況です。

よほどの事がない限り上方修正も見えてくる状況でしょうね。

ただし、経常利益は為替の影響を大きく受けます。

今の時点で四半期決算時より為替がかなり円高に触れていますのでそのあたりは気になるところではありますが・・・

開発遅れが心配

ただし、気になるのが今後のNintendo Switchのソフトウェアラインナップです。

これから発表される部分もあるのでしょうが、かなりスカスカなんですよ。

新型コロナウィルスの関係もあり開発が遅れているということになると新作が少なく売上があまり伸びないということも考えないといけないかもしれません。

この好決算で予想が据え置きなのがちょっとそのあたりが気になりますね。


まとめ

今回は「【任天堂】強烈な好決算をどうみるべきか?」と題して任天堂の決算についてみてきました。

まとめると以下のとおりです。

●売上は「あつまれどうぶつの森」に引っ張られる形で倍増
●営業利益は経費が抑えられ5倍
●経常利益も為替が有利に働き6倍
●業績予想は据え置き。(進捗は良いので上方修正が期待できる)
●ただし、新型コロナウィルスでの開発遅れが心配

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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