未成年(中学生、高校生、大学生)でも作れる証券口座とその注意点を解説

未成年の読者様から自分でも作れる証券口座についてのご質問をいただきました。

金融庁も最近子供の金融教育に力を入れ始めてますが、早いうちから株など金融商品に触っておくことはお金の教育にも良いですからおすすめです。

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ただし、未成年の証券口座については証券会社によりかなり対応が違うんですよ。

親が原則取引しないといけないなんて条件がある証券会社もあります。

今回は未成年(中学生、高校生、大学生)でもつくれる証券口座について解説していきます。

なお、3/22時点の情報を元にしています。方針が変わる可能性もありますので各社のサイトで最新情報をご確認ください。

SBI証券の未成年口座

まずはネット証券大手のSBI証券の対応から見ていきましょう。

未成年口座を作成できる要件

SBI証券の未成年口座が作成できる要件は以下のとおりです。

1.満20歳未満であること
※未成年口座開設手続中に、満20歳になられた場合は、一般口座を開設いたします。

2.未婚であること
※20歳未満で既婚のお客さまは、一般口座の開設・お取引を受付いたします。当社口座開設サポートデスクまでお問い合わせください。

3.親権者のいずれか一方が当社インターネット取引口座を開設されていること
※未成年口座開設のお申し込み時に親権者が当社インターネット取引口座を開設されていない場合は、親権者の口座開設が完了してから未成年口座の開設をお申し込みいただくか、当社WEBサイトから親権者口座及び未成年口座を同時にお申し込みください。

4.親権者全員のご署名・ご捺印による「未成年口座開設及び取引に関する同意書(取引主体を未成年者とする未成年口座)」もしくは「未成年口座開設及び取引に関する申込書(取引主体を親権者とする未成年口座)」をご提出いただけること

5.親権者と未成年口座名義人の続柄を確認できる証明書類をご提出いただけること

6.親権者にお知らせいたします未成年口座のパスワードにて、常に親権者が未成年口座の取引状況等を管理・把握いただけること
※未成年口座名義人、親権者(又は未成年後見人)、世帯主のどなたかが他の証券会社にご勤務されている場合は未成年口座の開設はご遠慮いただいております。

7.口座開設される未成年の方、ならびに親権者の方が日本在住であること。

出典:SBI証券 未成年口座のご注意事項より

いくつか条件があります。

まず、未成年であっても既婚である場合は大人とみなされ一般口座の対象となります。

また、親権者がSBI証券で口座を持っている必要があります。

ですから未成年者だけSBI証券を利用するということはできませんので注意が必要です。

また、親権者全員の署名、捺印した書類を提出する必要があったり、常に親権者が未成年口座の取引状況等を管理把握する必要があるとの条件も付いています。

未成年口座で取引できる商品

SBI証券の未成年口座は以下の商品の取引が可能です。

国内株、外国株、投資信託、IPO
外国株やIPOも可能なんですね。
さらに2023年12月に廃止が決まっていますが、ジュニアNISAを利用すれば税金面でもお得です。
ただし、IPOにしてもジュニアNISAにしても未成年口座に格好を付けて親が枠を増やすために利用しているケースが多いようには思いますが・・・

出金も入金も本人名義である必要がある

未成年口座特有の問題になりやすい点がありますのでご紹介しましょう。

入金は本人名義である必要

まずは入金です。

親が証券取引をするためのお金を出すというのは贈与税の関係もあり問題が生じます。

そのため、未成年口座においても振込依頼人名が未成年口座名義である必要があります。

親名義で振り込みしてしまうと名義相違ではねられて銀行で組戻し手続きが必要になるとのことですからお気をつけください、(手数料が掛かる)

出金も本人名義の銀行口座が必要

当然、出金をする場合の振込先金融機関口座も本人名義である必要があります。

親名義の口座に出金はできません(おそらく登録ではねられると思いますが)

20歳を超えるとどうなる?

ちなみに未成年口座を開設していた人が20歳を超えるとどうなるのでしょう?

これは以下のような対応になるようです。

未成年者様が20歳を迎えますと、その日の前営業日の取引時間終了後に自動的にパスワードをリセットし、成人口座に切り替わります。

出典:SBI証券 よくあるご質問 より

口座開設の流れ

口座開設の流れは一般の口座とほぼ同じです。(必要書類が増えますが)

利用できる商品が多いこと、利便性が高いこと、手数料が安いことなどから未成年口座でもSBI証券はおすすめですね。

楽天証券の未成年口座

次は最近急激に口座数を伸ばしている楽天証券です。

未成年口座を作成できる要件

楽天証券の未成年口座が作成できる要件は以下のとおりです。

  • 原則、お取引は親権者又は未成年後見人が取引主体者(未成年口座の入金・発注等を実際に行われる方)として、未成年本人に代わり、未成年者の財産を管理することを目的として、口座開設並びにお取引いただけます
  • 親権者のうち1名の方は「登録親権者」として登録が必要です。
  • 登録親権者は、弊社の総合取引口座の開設が必要です。

出典:楽天証券 未成年口座 より

こちらは親が基本的に取引しなさいよって条件がありますね。

また、登録親権者が楽天証券の口座を開設している必要がある点はSBI証券と同じです。

未成年口座で取引できる商品

楽天証券の未成年口座は以下の商品の取引が可能です。

国内株式(現物)、IPO、PO、立会外分売、外国株式、投資信託、債券、金・プラチナ、貸株、定時為替、楽ラップ
こちらも外国株やIPOも可能となっています。
なお、国内株式信用、先物・OP、海外先物、国内商品先物、FXは取引対象外とのこと。
当然といえば当然でしょう。
なお、楽天証券もジュニアNISAが利用可能です。

楽天証券は親名義での入金も可能

SBI証券とちょっと違うのが入金の話です。

SBI証券は本人名義で振り込みをする必要がありました。

しかし、楽天証券はリアルタイム入金を使う場合は親の名義でもOKとのことです。

未成年口座へのリアルタイム入金においては、確認画面で振込元の銀行口座をご選択をいただくことでお子様名義のほか、取引主体者が登録親権者の場合、登録親権者名義による入金も可能です。

出典:楽天証券 未成年口座への入金方法

楽天証券は基本的に取引をするのは親であるっていう名目になっているからでしょうね。

口座開設の流れ

楽天証券の未成年口座は親権者のメンバーウェブに設置される未成年口座開設申込フォームより申し込みする形となります。

まずは親が楽天証券の口座を開いてそちらからってことですね。

楽天証券は楽天サービスとの連携がお得です。子供名義でも持てる楽天銀行を作って連携をするのもありでしょう。

その他ネット証券の未成年口座

その他のネット証券もSBI証券や楽天証券とほぼ同じ対応ですね。

多少取り扱い商品が違うくらいでした。

簡単に各社の対応を書いておきましょう。

マネックス証券

マネックス証券も条件はほぼ同じです。法定代理人の届け出が必要となります。

取り扱いできる商品は以下の通り。

国内株式(現物)、ワン株(単元株)、IPO、外国株、投資信託、債券、オルタナティブ投資、マネックスゴールド
ほぼ同じですね。

松井証券

松井証券はちょっと書き方は違いますが、内容はほぼ同じです。

未成年者は「松井証券口座」を開設できませんが、親権者(原則として父母)が「松井証券口座」を開設している場合、一定の手続きのもと「未成年口座」を開設できます。

出典:松井証券 未成年口座開設

なお、取扱商品は以下の通り。

現物取引、IPO(新規公開株)、PO(公募・売出し)、立会外分売、貸株サービス、投資信託、米ドルMMF、松井証券ポイントサービス

auカブコム証券

auカブコム証券(旧社名:カブドットコム証券)ほぼ同じです。

親がauカブコム証券の口座を利用していて親権者もしくは未成年後見人の同意を得ると開設が可能となります。

取扱商品は以下の通り。

現物株式(上場株、ETF、ETN、REIT)、プチ株(単元株)、投資信託、外貨MMF、債券


対面證券の未成年口座

次に対面証券の対応を見ていきましょう。

野村證券

まずは最大手の野村証券です。

未成年口座は詳細はネットでは公表していませんでした。

とりあえず判明したのは以下の条件です。

親権者の方等の同意が必要です。
ご希望の取引店(「オンライン専用支店(野村ネット&コール)」・「店舗(本・支店)」)によってお手続きが異なります。オンライン専用支店(野村ネット&コール)をご希望の場合は、インターネットより申込書をお取り寄せいただくかはじめてのお客様専用ダイヤル までご連絡ください。店舗(本・支店)での口座開設をご希望の場合は、お近くの店舗(本・支店)までご連絡ください。
「かんたん口座開設」「スピード口座開設」からはお申し込みいただけません。
※口座開設基準に合致しない場合等、口座開設をお断りする場合がございます。

出典:野村證券 子どもでも口座開設できますか? より

詳しい条件等は公表されていませんが、「かんたん口座開設」「スピード口座開設」は利用できませんので店舗で確認するのがよいかもしれません。

大和証券、みずほ証券、SMBC日興證券

野村證券以外の対面証券もほぼ同じ対応です。

ネットで気軽に未成年口座は開設できないようになっており、最寄り店舗でご相談くださいという対応となっています。

つまり、未成年口座を作れないことはないけどちょっとハードルが高めってことですね。

スマホ証券の未成年口座

最近流行りのスマホ証券ではどうでしょう?

こちらは各社対応が異なるようです。

SBIネオモバイル証券

Tポイントで投資ができると話題のSBIネオモバイル証券は未成年口座の取扱いがありません。

当社では、満20歳以上の日本国内在住の日本国籍のお客さまのみ口座開設いただけます。

誠に恐れ入りますが、未成年口座の開設は承っておりません。

出典;SBIネオモバイル証券 総合取引口座の開設条件は?

LINE証券

タイムセールなどおもしろいサービスを展開してるLINE証券も未成年口座の取扱いがありません。

当社では、20歳以上70歳以下の方が口座を開設していただけます。

出典:LINE証券 よくある質問

STREAM

手数料無料で話題のSTREAMも未成年口座の取扱はありません。

当社では20歳未満および80歳以上の高齢者の口座開設は承っておりません。

出典:STREAM 口座開設時に関するご注意

CONNECT

大和証券のスマホ証券CONNECTは15歳以上から申し込みが可能です。

以下の対応となります。

口座開設申込の入力後に当社からメールを送りますので、メールに記載されたURLに下記書類を提出(アップロード)してください。

・親権者の方からの同意書(メールでお送りします)
・親権者の方との続柄を示す書類(住民票など)

出典:CONNECT 15歳以上の未成年の方の場合

PayPay証券

ロボ貯のCMが話題になったPayPay証券(旧社名:One Tap Buy)では他と違い親権者の口座がなくても利用が可能となっています。

15歳~19歳の方は親権者の口座がなくても口座開設ができます。

出典:PayPay証券 未成年口座のご案内

ただし、14歳以下の場合は親権者が基本的に取引する形となりますので親権者の口座が必要となります。

まとめ

今回は「未成年(中学生、高校生、大学生)でも作れる証券口座と注意点を解説」と題して未成年でも作れる証券口座について見てきました。

証券会社によってかなり未成年口座の対応が違いますからご注意くださいね。

なお、未成年の銀行口座についてはこちらの記事を御覧ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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