SBIアセットマネジメント株式会社からまたまた興味深いファンドが登場します。
「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」です。
これ一本に投資をすると全世界の大型・中型・小型株式、約8,000銘柄にまとめて投資したようなもんなんですよ。
かなり魅力が高い商品となりそうです。
今回はそんな「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」を徹底レビューしてみます。
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドの概要
まずは「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」の概要から見てみましょう。
なお、下記情報はSBIアセットマネジメント株式会社から提出された有価証券届出書及び公式サイトの発表がソースとなっています。
元資料が見たい方は有価証券報告書等の開示資料を閲覧するサイトであるEDINETから「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」と検索してみてください。
ファンドの名称 | SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド |
運用会社 | SBIアセットマネジメント株式会社 |
ベンチマーク | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース) |
投資対象 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT) |
設定日 | 2022年1月31日 |
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドはベンチマークをFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)としており、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)へ投資をすることでそれを実現する投資信託となります。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)へ直接投資をするのと比べて投資信託となっていますので1円単位で投資できたりなど取り回しが良いのがありがたいですね。
すでに同じシリーズでバンガード・トータル・ストック・マーケットETF (VTI)に投資をすることで全米株式に投資をするSBI・V・全米株式インデックス・ファンドも人気となっていますね。
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドの手数料
次に手数料を見ていきましょう
信託報酬率
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドの信託報酬率は
購入時手数料
信託財産留保額
信託財産留保額は
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドの取り扱い金融機関
なお、当初申込期間:2022年1月17日(月曜日)から2022年1月28日(金曜日)です。
SBIアセットマネジメント株式会社の投資信託はSBI証券にとらわれず幅広くいろいろな証券会社、銀行等で購入が可能ですから徐々に販売する金融機関は増えていくものと思われます。
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドの設定日
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドの設定日は
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドの投資先
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドはベンチマークをFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)としており、バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)へ投資をすることでそれを実現する投資信託となります。
それではFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)とはどんなベンチマークなのでしょう?
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)とは
ベンチマークとしているFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)は先進国25ケ国、新興国23ケ国、約48ケ国を対象としており、各国市場の時価総額上位約98%をカバーする広範なインデックスとなっています。
大型・中型・小型株式、約8,000銘柄から構成されています。
同じく全世界株を対象とMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)というeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)などがベンチマークとしている指標も有名です。
こちらは先進国25ケ国、新興国26ケ国の約49か国を対象としており、各国市場の時価総額上位約85%をカバーする広範なインデックスとなっています。
大型・中型の約3,000銘柄から構成されています。
小型株が入っているかどうかが大きな違いですね。広く投資をしたい場合にはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)の方が向いているということですね。
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式)との違い
ちなみに同じSBIアセットマネジメント株式会社が出している投資信託に同じFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスをベンチマークとしている「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式)」というのもあります。
ベンチマークは同じですが、単純にVTを買うSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドとアプローチの仕方が違うんですよね。
信託報酬は0.1102%程度(実質約0.13%)とSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドよりも低くなっています。
こちらは米国株を投資対象とした「バンガードトータルストックマーケットETF」と米国を除いた先進国株を投資対象とした「SPDRポートフォリオ・ディブロップド・ワールド(除く米国)ETF」、新興国株を投資対象とした「SPDRポートフォリオ・エマージングマーケッツETF」の3つのファンドに投資をすることでFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに追随する仕組みとなっています。
1本だけに投資をするよりも信託報酬等は低くなっていますが、ベンチマークの追随性が劣るのではないか?との弱点も指摘されていました。(実際に後述するように過去成績も少しだけ劣っている傾向にあります)
そういう話もあるからか信託報酬は勝っているのに関わらずVTにだけ投資をする「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」やベンチマークは少し違いますが「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に純資産(売れ行き)で負けていたこともあり、「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」を新たに作ったんでしょうかね?
SBIアセットマネジメント株式会社の中に同じベンチマークを対象とした投資信託ができたことでカニバニ(共食い)となりかねませんし、今後「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式)」の扱いをどうするのかがちょっと気になるところです。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETFの成績
実質的な投資対象となるバンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)への成績も確認しておきましょう
2021年11月30日時点のトータルリターンは以下のとおりです。(円貨ベース)
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
1年 | 3年(年利) | 5年(年利) | 10年(年利) | |
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT) | 30.18% | 16.05% | 13.94% | 15.85% |
10年でも年利15.85%とかなり順調に成長しているのが分かりますね。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドの成績
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドと同じくバンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)を投資対象としている「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の成績も見ておきましょう。
2021年11月30日時点のトータルリターンは以下のとおりです。(円貨ベース)
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
1年 | 3年(年利) | 5年(年利) | 10年(年利) | |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 30.96% | 16.31% | – | – |
為替の関係もあるのでしょうか。。。なぜか本家よりも成績が多少良くなっています。
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドはこちらと運用方法も同じ感じになるでしょうから成績も似た感じになる可能性が高いですね
単純に考えれば信託報酬が低い分だけSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドの方がリターンが高くなるかも。
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))の成績
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドと同じくFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)をベンチマークとしている「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))」の成績も見ておきましょう。
2021年11月30日時点のトータルリターンは以下のとおりです。(円貨ベース)
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
1年 | 3年(年利) | 5年(年利) | 10年(年利) | |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 30.51% | 16.03% | – | – |
こちらは本家と同じような成績となっていますね。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドより信託報酬は低いですが、運用方法の違いもあるのか少しリターンは悪くなっています。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の成績
ベンチマークが多少違う「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の成績も比較してみましょう。
2021年11月30日時点のトータルリターンは以下のとおりです。(円貨ベース)
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
1年 | 3年(年利) | 5年(年利) | 10年(年利) | |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 31.65% | 16.8% | – | – |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の方が楽天・全世界株式インデックス・ファンドよりも多少ではありますが成績が良くなっていますね。
これは差となっている小型株の調子が良い時期なのか否かにもよりますのでどちらが良いのかはなんとも言えませんが・・・
直接バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)を買う場合との比較
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドは前述のように実質的にバンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)へ投資をする投資信託となっています。
じゃあバンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)を直接買えば良いじゃんと考える方も多いでしょう。
その場合との比較も見てみます。
信託報酬・経費率
それでは「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)」と「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」が信託報酬の比較を見ていきましょう。(VTは経費率)
商品名 | ベンチマーク | 信託報酬(経費率) |
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | 0.1438%程度 |
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT) | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | 0.08% |
「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」が買う元のETFであるVTは0.08%とかなり経費率が安くなっています。
つまり、経費率だけを考えれば直接VTの方がかなり安くなっていると言えます。
VTと投資信託と利便性の差
VTIと投資信託を比較すると上記のように手数料のことだけ考えればVTの方が魅力的です。
しかし、以下のようなデメリットがありますので万人に勧めにくいという部分があるのです。
1口単位の購入が必要
売買手数料が必要
税金が面倒
ドルでの買付が必要
まず一つ目がドルでの買付が必要な点です。
証券会社で購入時にドルに変えられるようにはなっていますが、為替手数料が高めです。
ですから金額によっては上記の経費率と信託報酬の差がこれで飛んでしまうなんてこともありえます。
住信SBIネット銀行なんかを使えばかなり低い為替手数料で交換はできまるようになりましたが、投資信託を直接購入するのに比べて手間が一つ加わる感じとなります。
1口単位での購入が必要
もう一つが海外ETFは1口単位で購入が必要ということです。
例えば200ドルの海外ETFなら200ドル単位での購入が必要となります。
対して投資信託は1円単位の金額で購入も可能ですから1,000円分買うなんてことも基本的に可能となっています。
この辺りの取り回しは投資信託が圧倒的によいですね。
売買手数料が必要
多くの投資信託はノーロードということで売買時の手数料は無料となっています。
しかし、海外ETFの場合には株式の売買と基本的に同じですから手数料が発生します。
以前と比較してかなり安くはなっていますけどね。
それでも金額によっては経費率と信託報酬の差がこれで飛んでしまうなんてこともありえます。
この点も加味して検討して上げる必要があります。
売買手数料についてはこちらの記事をご覧ください。
税金の扱い
最後が税金の扱いです。
海外の株やETFは現地で課税され、日本でも課税されます。
例えば米国ならば利益に対して米国源泉徴収税率が10%、日本の源泉徴収税率20.315%が差し引かれることになります。
ただし、確定申告をすれば現地分の課税は取り戻すことはできます。
面倒ですけどね・・・
このあたりは結構大きなデメリットですね。
ちなみにSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドのようなファンドが買うファンドは分配金課税の関係で税金面では不利だったりします。(米国での課税分)しかし、実際のリターン等を見てるとそこまで気にすることはないレベルですね。
まとめ
今回は「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドが爆誕。全世界の株にまとめて投資できる投資信託をレビュー」と題してSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドについて見てきました。
結論としては以下のとおりです。
評価:5
小型株を含んだ全世界株に投資したいならSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドは信託報酬最安値となりおすすめできるファンドです。VTに直接投資をする場合と比べて取り回しがかなり良いですしね。
ただし、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドはまだできたばかりのファンドですから実際の値動きや実質的な経費の推移を見守りたいな・・・ってのも個人的にはあります。
なお、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドはつみたてNISAの対象にはなると思われます。(おそらく)
iDeCoも対象にしてほしいところですが、35本制限のルールがありますし、SBI証券では同じベンチマークのSBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))がすでに採用済ですのでどうなるのか・・・
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドを買うなら
今のところ、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドの取り扱いはSBI証券だけが対象となっています。
選択肢がないのであれですが、SBI証券は他の証券会社よりも注文の自由度がかなり高いのがいいですね。
また、さらに2021年6月30日から三井住友カードで投資信託が購入できるようになるなど魅力が高くなっています。
利便性で考えるならSBI証券はおすすめですよ。
資料請求等はこちらから
SBI証券は商品ラインナップや注文の仕方などが優れています。
また、三井住友カードとの連携で投資信託購入でのポイントが貯まるのも嬉しい。
ネット証券開設するなら持っておきたい口座の筆頭でしょう。
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