投資信託協会が統計資料を公開しました。
「2021年(令和3年)投資に関するアンケート」です。
つみたてNISA、イデコに続いて、今回は投資信託の結果について確認してみましょう。
こちらもかなり興味深い結果となっています。
投資信託の統計
それでは投資信託の統計データを見ていきましょう。
投資信託の興味・関心・購入のきっかけは金融機関の勧めが最も多い
まずは投資信託の興味・関心・購入のきっかけです。
かなり興味深い結果となっています。
- 金融機関の人に勧められて:34.3%
- インターネットで調べたりして:28.1%
- 少額投資非課税制度があるから:17.1%
- 投資信託に関する本を読んで:12.5%
- ポイント投資/運用ができることを知って:10.7%
- 投資信託の商品公広告などを見て:9.4%
- You Tube等の動画配信を観て:8.8%
- 経済的に余裕ができたので:8.4%
- 景気や市場の状況をみて:8%
- DMを見たり、電話案内を聞いて:7.7%
- 新聞、雑誌などの投資信託の記事を見て:7.6%
- 友人、知人から話を聞いて:7.5%
- 家族などから話を聞いて:7.2%
- 老後2000万円に関する各種報道を受けて:6.8%
- 確定拠出年金で投資信託を選択したことで興味をもった:6.4%
- 講演会やセミナーなどで話を聞いて:6.1%
- SNSからの情報を通じて:6.1%
- 確定拠出年金で投資信託を選択してよかったので:2.6%
- その他:2.3%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート より
「金融機関の人に勧められて」という選択肢が3分の1を超えるという結果となっています。
前年の2020年は40.0%、その前の2019年は42.6%ですから少しずつではありますが、減っていはいますけどね。
これはかなり危険なんですよ。
銀行での投資信託勧誘には気をつけて
最近は金融機関(特に銀行)が顧客本位の業務運営をしていないことを問題視され、客観的に評価できるようにするための成果指標(比較可能な共通KPI)を公表を求めだしてることで多少はマシにはなっていますが、まだまだ銀行が勧める投資信託は微妙なケースが多いんですよ。
新しいルートも
また、興味深いのが2021年から「ポイント投資/運用ができることを知って」や「You Tube等の動画配信を観て」というのが現れていることです。
この2つの選択肢とも前年まではなかったんですよ。
ポイント投資は2021年から各社が参入したことが大きいのでしょうね。
You Tubeも2021年くらいから急に投資関連でも増えてきた感はあります。
本ブログもかなり遅らばせながら2022年3月26日から始めていますので、ぜひ御覧ください。
投資信託購入時参考情報
次は投資信託を購入する際になにを参考にしているかというものです。以下の通りの結果となっています。
- 目論見書・運用報告書:29.3%
- 投資信託を販売している会社のHP:28.1%
- 販売用資料:25.8%
- 金融機関の担当者の話:19.2%
- 投資に関する情報サイト:17.2%
- 投資信託を運用している会社のHP:15.8%
- You Tube等の動画配信:12.5%
- その他のインターネット情報サイト:12.1%
- 投資信託や資産運用に関する本:11.2%
- 投資信託の評価機関:11%
- 新聞:9.6%
- SNSからの情報:9.2%
- 親族や知人、友人の話:7.8%
- 雑誌:4.8%
- セミナーなど:4.7%
- テレビ番組:4%
- その他:0.4%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート より
最も多いのは目論見書・運用報告書、次点が投資信託を販売している会社のHPです。
この辺りは前年までとそれほど変わっていない比率となります。
注目は、販売資料や金融機関の担当者の話、新聞がかなり落ちて、投資に関するサイト、You Tube等の動画配信、その他のインターネット情報サイト、SNSからの情報がかなり増えているということです。
これは良い面と悪い面がありそうです。
嘘情報に気をつけて
特にYou TubeやSNSはかなり規制がゆるいです。
そのため、全くの素人に毛が生えたような人がそれっぽい情報流して信じちゃっている方も多いんですよ。
私もYou Tube参入にあたって、いろいろなYou Tubeを見てみましたが、説明が大きく間違えているケースも多々見受けられました。
登録者数が多いからとかはあまり関係ありません。
誰とは言いませんが、かなりの登録者数を稼いでいるインフルエンサーと呼んでも良いであろうYouTuberでもひどいのがありましたね。
質の悪い有害な情報も多いんですよ。
ですから自分で取捨選択をする必要がありそうですね。
投資信託非購入理由
次は投資信託を非購入の方の理由です。
- 投資の知識がない:39.9%
- そもそも興味がない:36.8%
- 損をしそうで怖い:30.5%
- まとまった資金がない:23.3%
- 投資信託の仕組みがよくわからない:23%
- 元本保証がない:21.6%
- 手数料などの費用が高い:12.6%
- なんとなく機会がなかった:9.9%
- 商品の種類が多く自分では選択できない:7.5%
- 投資信託の存在を知らなかった:5.6%
- 購入するのに手間がかかる:4.7%
- 友人・知人から投資について良い話を聞かないから:3.2%
- 投資信託を買うより自分で株などを運用したほうがよい:2.9%
- 家族から投資について良い話を聞かないから:2.7%
- その他:0.8%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート より
買わない理由はたくさんありますが、特に多いのが知識が足りないことが原因のものですね。
日本人は金融知識が乏しい
実際に金融知識も他国と比べると低いというデータもでています。
下記は知るスポットが行った「金融リテラシー調査2019」の結果です。
パーセンテージは正答率を示しています。
金融問題をどれだけ解けたのかの平均でみると日本は47%に対しアメリカは53%とかなり大きな差となっていますね。
※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。
日本 | アメリカ | |
複利 | 44% | 75% |
インフレ | 55% | 59% |
住宅ローン | 70% | 75% |
分散投資 | 47% | 46% |
債券価格 | 24% | 28% |
72の法則 | 42% | 33% |
出所:金融広報中央委員会「知るすぽっと」金融リテラシー調査2019より
72の法則と分散投資以外はアメリカのほうが上となっており、アメリカと比べて日本はだいぶ金融知識が薄いと言えます。
特に複利の部分の差がかなり大きいですね。
ちなみにヨーロッパの国々と比べてもだいぶ劣る結果となっておりました。
このあたりは2022年からの高校で資産形成の授業が始まることで改善されること祈りたいところ。
投資信託の保有口座
次は投資信託の保有口座です。
- 特定口座もしくは一般口座:62.4%
- つみたてNISA:35.2%
- NISA:35.1%
- ポイント投資の運用口座:17.5%
- 個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ):16.6%
- 企業型DC:9.8%
- その他:0.8%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート より
意外と特定口座もしくは一般口座で保有している方が多いんですね。
重複ありのデータなのもあるのでしょうが・・・
なお、このデータ年齢別でみると興味深いことにつみたてNISAでの保有割合が20代では61.3%とかなり高いですね。
逆に高齢者になると特定口座もしくは一般口座の比率が大きくなっています。
当然といえば当然なんですが・・・
また、2021年になってから急激につみたてNISAでの投資信託保有比率が各年代とも増えていますね。
普及が進んできた証拠でしょうか。
なお、そもそもつみたてNISAってなに?て方はこちらの記事も合わせて御覧ください。
投資信託保有状況
次は投資信託保有状況です。
- 現在保有している:27.9%
- 以前保有していた:8.7%
- 保有したことがない:67.8%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート より
投資信託の保有者は27.9%でした。
2020年は23.4%でしたからかなり急激に増えていますね。
保有投資信託の平均額は349万円
それぞれのカテゴリーごとの保有投資信託の平均額は以下の通り。
- 外国株式投資信託:203.9万円
- 国内株式投資信託:192.1万円
- 分散型投資信託:253.7万円
- 国内債券投資信託:220.6万円
- 外国債券投資信託:221.2万円
- ETF:206.6万円
- Jリートに投資する投資信託:191万円
- 外国不動産投信に投資をする投資信託:231.6万円
- Jリート:214.2万円
- 全体平均:349.8万円
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート より
分散型投資信託の平均額がもっとも多くなっていますね。
投資信託保有本数
次は投資信託の保有本数です
- 1本〜2本:45.3%
- 3本〜5本:33.2%
- 6本〜10本:11.1%
- 11本以上:4.9%
- 不明:5.5%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート より
1本〜2ほんの方がかなり多くなっています。
管理を考えるとそれくらいがよいのかもしれませんね。
投資信託積立利用者割合
最後は投資信託積立投資の利用割合です。
- 利用している:62.7%
- 利用していない:37.3%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート より
投資信託積立の利用者は投資信託購入者のうち62.7%となりました。
特に若い方の割合は高く、20代では80.9%となっています。
金融庁も推奨する長期、分散、積立投資という投資方法に合致していますし、積立投資はおすすめですよ。
つみたてNISAやイデコはもちろん、クレカ積立でも自動的に長期、分散、積立投資となりますから環境は整いつつあります。
少し前に話題になった厚切りジェイソンさんの投資方法も「時期分散で購入して売るな」というものでしたが、積立投資を推奨していましたね。
まとめ
今回は「投資信託購入のきっかけの34%は金融機関の勧め。投資信託の統計資料が興味深い件」と題して投資信託の統計データについて見てきました。
投資信託は正直、良い商品と悪い商品(地雷)があります。
金融機関の勧めで買うのはやめたほうが良いのはその悪い投資信託を勧められるケースが多いからなのです。(銀行は儲かる)
最近は手数料の安い良い商品もたくさん出ていますのでそれらをうまく選びたいところです。
お知らせ:You Tubeはじめました。
2022年3月26日からYou Tube「お金に生きるチャンネル」をはじめました。
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