投資信託協会が統計資料を公開しました。
「2021年(令和3年)投資に関するアンケート」です。
つみたてNISAに続いて、今回は個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の結果について確認してみましょう。
こちらもかなり興味深い結果となっています。
なお、iDeCoってなに?方は以下の記事をご覧ください。
この記事をみれば「iDeCo(個人型確定拠出年金)制度」から「つみたてNISAとの違い」、「おすすめ金融機関」、「おすすめ商品」、「いくら積み立てればよいのか」などを網羅的に確認することができますよ。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の統計
それでは個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の統計データを見ていきましょう。
イデコの認知
イデコの認知は以下の通りの結果となっています。
- 名前も制度内容を知っている:20.6%
- 名前は知っているが制度内容はよくわからない:42.4%
- 知らない:37.1%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート NISA、iDeCo等制度に関する調査 より
前年の2020年は「名前も制度内容を知っている」:18.3%、「名前は知っているが制度内容はよくわからない」:41.6%
その前の2019年は「名前も制度内容を知っている」:14.7%、「名前は知っているが制度内容はよくわからない」:45.3%
でしたから認知度は少しずつ上ってきているのがわかりますね。
つみたてNISAは「名前も制度内容を知っている」:27.7%でしたからだいぶ認知の面で劣っていますね。
イデコのほうが昔からある制度なんですけどね笑
イデコの利用状況
次はイデコの利用状況は以下の通りの結果となっています。
- 口座開設して、現在も金融商品も保有している:15.6%
- 口座開設して、現在も金融商品を購入したが、現在は売却して保有していない:3.5%
- 今までに口座を開設したことはない:80.9%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート NISA、iDeCo等制度に関する調査 より
口座開設者の比率では15.6%とつみたてNISAの13.5%よりも上となっています。
イデコのほうが古くからある制度なのもありますし、節税効果というわかりやすいメリットもあるのが大きいでしょうね。
賛否はありますが、私もまずはイデコを始めるのをおすすめしています。
イデコの保有金融商品は外国株式投資信託が最も多くなる
イデコでの保有金融商品は以下のとおりとなっています。
- 定期預金:23.5%
- 保険商品:4.7%
- 国内債券投資信託:18%
- 外国債券投資信託:19.9%
- 国内株式投資信託:30.5%
- 外国株式投資信託:46.8%
- 不動産投資信託:9%
- バランス型投資信託:13.4%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート NISA、iDeCo等制度に関する調査 より
運用管理期間連絡協議会が2020年3月までのデータで発表した統計データですと、預貯金35.9%、保険商品18%でしたから元本保証型の利用が大きく減って、外国株などの利用が増えているのが興味深いところです。
統計の主催者も統計のとり方も違いますので単純には比較できませんが、良い傾向にあることは確かでしょう。
イデコは国民年金基金連合会への手数料などが掛かりますし、運用は非課税なものの、出口で課税となりますのであまり、元本保証型はおすすめできませんしね。
イデコの特徴認知は微妙・・・
イデコの特徴はどれだけ認知されているかのアンケートは以下の通り
- 掛金が全額所得控除される:42.5%
- 原則60歳から受け取ることができる:23.9%
- 掛金の運用は加入者自身で行い、受け取る額は運用成績により変動する:21.8%
- 通常、金融商品の運用益には税金がかかるが、運用益も非課税で再投資される:19.6%
- 口座管理手数料がかかる:18.2%
- 掛金の上限は、加入者の職業等で異なる:17.3%
- 金融商品の種類や掛金の額は途中で変更することもできる:16.3%
- 受け取るときにも税制優遇がある:15.8%
- 運用する金融商品には元本確保型の定期預金や保険商品もある:15.3%
- 転職・離職の際にそれまで積み立てた資産を持ち運ぶことができる:15.1%
- 口座は70歳まで継続できる:9.3%
- 加入期間が10年に満たない場合は受給開始可能年齢は繰り下げられる:8.9%
- わからない:46%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート NISA、iDeCo等制度に関する調査 より
イデコはかなりお得な制度ですが、かなり癖があります。
利用するべき人とそうでもない人がいるんですよね。
ですから始めるなら特徴はちゃんと把握しておきたいところですね。
想像以上に特徴認知は低かったです・・・
個人的に興味深かったのが職業別で公務員が圧倒的に認知度が高く、「掛金が全額所得控除される」は55.8%の方が知っていたことですね。
イデコの魅力に感じる点は所得控除が最も多い
イデコのどこに魅力を感じるのかという魅力点は以下の通り。
- 掛金が全額所得控除される:32.6%
- 通常、金融商品の運用益には税金がかかるが、運用益も非課税で再投資される:11.0%
- 受け取るときにも税制優遇がある:6.8%
- 金融商品の種類や掛金の額は途中で変更することもできる:5.9%
- 掛金の運用は加入者自身で行い、受け取る額は運用成績により変動する:5.4%
- 転職・離職の際にそれまで積み立てた資産を持ち運ぶことができる:5.2%
- 運用する金融商品には元本確保型の定期預金や保険商品もある:5.0%
- 原則60歳から受け取ることができる:4.4%
- 口座は70歳まで継続できる:3.4%
- 掛金の上限は、加入者の職業等で異なる:2.8%
- 加入期間が10年に満たない場合は受給開始可能年齢は繰り下げられる:1.8%
- 口座管理手数料がかかる:1.5%
- わからない:57.1%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート NISA、iDeCo等制度に関する調査 より
イデコの最大の魅力は私も「掛金が全額所得控除される」だと思いますのでこちらが一番高くになっているのは一安心ですね。
ただし、理解している方が32.6%しかいないという・・・
また、明らかにイデコのデメリットである「口座管理手数料がかかる」が魅力点に入っているのが・・・
ちなみにすでに口座開設している人でのアンケートでも「口座管理手数料がかかる」を魅力店として挙げている方は3.2%も見えるんですよ。
個人的にはイデコの手数料、特に国民年金基金連合会の部分はおかしいと思っています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
イデコ口座を未開設の理由は余裕資金の不足か
イデコ口座を未開設、投資性商品未購入の方の理由については以下の通りとなります。
- 60歳まで引き出せないから:20.6%
- 投資に回すお金がないから:20.3%
- 制度の内容を知らないから:17.2%
- 投資は元本保障されないから:16.1%
- 制度が複雑でよく理解できないから:13.4%
- 投資の知識がないから:11.6%
- 企業型確定拠出年金に加入しているので:9.3%
- 口座開設の申込み手続きが煩雑で面倒だから:8.4%
- どの金融商品を購入したらよいかわからないから:8.1%
- 自身の所得状況から所得税額控除のメリットがないから:3.6%
- 投資したい金融商品がないから:3.2%
- 他の制度に入っているから必要ない:1.9%
- マッチング拠出等のため併用不可だから:1.3%
- 家族から投資について良い話を聞かないから:1.3%
- 友人・知人から投資について良い話を聞かないから:1.2%
- 既に十分に資産があり、投資は必要ないから:0.8%
- その他:1.8%
- とくに理由はない:27%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート NISA、iDeCo等制度に関する調査 より
「60歳まで引き出せないから」と「投資に回すお金がないから」と上位2つが余裕資金の問題ですね。
年々日本人の働き盛りの世代の手取りが減っているというデータもありますしね。
これは仕方ない部分が大きいかもしれません・・・
イデコ口座開設検討のきっかけはお金の余裕
次はイデコ口座を開設するきっかけは以下の通り
- 投資に回すお金ができたから:23.5%
- 手取り収入が増えたから:16.8%
- 金融や投資を勉強して理解できたから:16.1%
- 制度内容や勤務先の規約が改定され企業型確定拠出年金加入者でも加入できるようになったから:11.1%
- 初心者向けセミナーなど仕組みをわかりやすく説明してもらえる機会があったから:9.9%
- 金融機関窓口など専門知識を持つ人に教えてもらえたから:9.2%
- 家族に勧められたから:7.0%
- 経済が上向きになり、値上がりが期待できる様になったから:6.0%
- 知人・友人に勧められたから:5.5%
- 投資したい金融商品がラインナップされれたから:4.5%
- セカンドライフを考えるようになったから:3.7%
- その他:1.0%
- 特に無い:41.4%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート NISA、iDeCo等制度に関する調査 より
こちらはかなりバラけていますね。
前述の未開設理由の逆でお金の余裕がある方が始めるケースが多いですね。
イデコは60歳まで引き出せませんので余裕資金である必要がありますし、所得控除は所得が多い人ほど有利に働きますし当然の結果かもしれません。
イデコを利用したくない、利用し続けたくない方は約40%
最後はイデコの今後の利用以降です。
- 利用したい、利用し続けたい:11.2%
- やや利用したい、やや利用し続けたい:14.1%
- どちらとも言えない:35.5%
- あまり利用したくない、あまり利用し続けたくない:10.1%
- 利用したくない、利用し続けたくない:29.0%
出典:投資信託協会 2021年(令和3年)投資に関するアンケート NISA、iDeCo等制度に関する調査 より
利用したくない、利用し続けたくない方が最も多くなっています。
あまり利用したくない、あまり利用し続けたくない方も合わせると約40%近くまでなります・・・
イデコは税制優遇がとても優秀なので課税所得がそれなりにあり、余裕資金があるならぜひやるべき制度なのですがそれでもこれだけの方が拒否反応をしてしてしまっているという・・・
高校の授業でこれから投資信託などの話が出るようですから、このあたりの数字は変わってくる可能性はありそうですけどね。
イデコやつみたてNISAなどの授業もやってほしいところです。
まとめ
今回は「イデコ(iDeCo)はお得な制度なのに知名度は低く、利用したくない方が約40%いる件」と題してつみたてNISAの統計データについて見てきました。
イデコの認知度は徐々に増加はしていますが、まだ利用したくない方はかなり多くみえます。
とても良い制度ですからぜひ始めてほしいところなんですが・・・
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
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