私が考えるNISA、つみたてNISA、iDeCoの改革案。資産所得倍増プランではこれをやれ

岸田政権が投資家から人気がないからか急に話がでてきた資産所得倍増プラン

金融所得税制の強化とNISA、つみたてNISA、iDeCoの緩和がセットなのでは?という話が漏れ聞こえて来るだけで具体的なものはまだ出ていませんね。

先日は日本証券業協会と投資信託協会の要望をご紹介しました。

今回はそれらも踏まえて資産所得倍増プランで私が実現してほしい内容をご紹介します。
自民党さんそのまま採用してくれてもいいですよ

NISA、つみたてNISAの改革案

まずはNISAとつみたてNISAの改革案です。

新NISAは採用取りやめ

まず、2024年から実施される新NISA。

これは採用をとりやめるべきだと考えます。

なぜならややこしすぎて多くの人がついていけないからです。

具体的にはこちらのような複雑な二階建ての仕組みなんですよ。

新NISAイメージ

出典:SBI証券 よくわかる新NISAのポイントより

複雑になればなるほど投資初心者には敷居が高くなります。

今までのNISAでも投資初心者には複雑で分かりにくいという意見さえあったものをさらに複雑化するとは・・・

投資の裾野を広げたいならば分かりやすくシンプルにする必要があります。

ですから本当に投資家の裾野を広げたいならこの案は採用すべきでないと考えます。

詳しくはこちらの記事でも書いています。

NISA制度の恒久化

次にNISA制度の恒久化を提案します。

現在、一般NISAは2028年、つみたてNISAは2042年までの時限措置となっています。

これでは安心して投資ができませんよね。

ですからこれを恒久化します。

このあたりは日本証券業協会と投資信託協会も要望を出していましたね。

つみたてNISAとNISAを併用可能に

もう一つが、現在つみたてNISAとNISAどちらかしか利用できない選択制となっていますが、併用が可能にするという案を提案します。

新NISAはそれに近い案となっていますが、かなりわかりにくいのでつみたてNISAとNISAそれなら併用できるようにしてしまったほうが楽というわけです。

こちらは日本証券業協会も提言されていましたね。

日本証券業協NISA案

出典:日本証券業協会 資産所得倍増プランへの提言より

非課税枠の拡大

前述のようにつみたてNISAとNISAを併用可能とすることで非課税枠が拡大しますが、さらに非課税枠を拡大するのを提案します。

ちなみにNISAのモデルとなったイギリスのISAはISA制度全体で£20,000(約296万円)となっています。※為替レートは金融庁資料準拠。

NISAやつみたてNISAと比較して雲泥の差ですよね。

イデコと合わせてでもよいのでこのあたりの水準まで増やしてもらえると嬉しいところです。

※スマートフォンの方はスクロールして御覧ください。

ISAつみたてNISA一般NISA
年間拠出限度額£20,000(約296万円)40万円120万円

なお、イギリスのISAの条件はこちらの記事を御覧ください。

12で割り切れる非課税枠に

また、投資信託協会も提案されていましたが、非課税枠は12の倍数になるように枠を設定してほしいところ。

現在のつみたてNISAは年間40万円と12ヶ月で割り切れないので、月の上限の33,333円ずつ積み立てると枠が4円余る問題なんてのもあるんですよ。

そこは利便性を考えると実現してほしいですね。

非課税期間を無制限化

さらに非課税期間の無期限化を期待したい。

一般NISAは5年、つみたてNISAでも20年しか非課税期間がありません。

どうしても相場のタイミングによっては厳しい状況のケースもありえます。

ですからイギリスのISAのように非課税期間を無期限にすることを提案したいですね。

※スマートフォンの方はスクロールして御覧ください。

ISAつみたてNISA一般NISA
非課税期間無制限20年5年

途中引き出し、途中売却しても非課税枠の再利用OK

最後は年度内の資金引き出し・再拠出可を提案したいです。

イギリスのISAは2016年4月から途中売却や口座からお金を引き出しても非課税枠の再利用がOKなフレキシブルISAなる制度が導入されているんですよ。(未使用分は翌年以降に繰り越すことは不可)

※スマートフォンの方はスクロールして御覧ください。

ISAつみたてNISA新NISA
途中売却・引き出しの扱い引き出しても再拠出で年度内なら非課税枠が再利用可能口座引き出し・口座内売却で再利用不可口座引き出し・口座内売却で再利用不可




iDeCo(個人型確定拠出年金)の改革案

次はiDeCoの改革案です。

こちらも改革してほしい内容はたくさんあるんですよ。

特に優先度が高いのは以下の点ですね。

特別法人税の撤廃

まず一丁目一番地は特別法人税の撤廃でしょう。

毎年のように各団体が要望を出していますが実現していないんですけどね。

特別法人税が再開されることは個人的にまずないと思いますが、もし再開されたら即刻やめたいレベルに不利な金融商品となってしまいます。

そのような爆弾を抱えている制度だとなかなか加入しにくいと考える方もみえるでしょう。

まずはこれを実現してほしいところです。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

35本制限の撤廃

もう一つぜひ撤廃してほしいルールがあります。

35本制限です。

35本制限とはその言葉の通り、運用商品として提供できる数を35本までに抑制するという制限です。

確定拠出年金における運用の改善(

出所:厚生労働省 確定拠出年金制度等の一部を改正する法律の主な概要(平成30年5月1日施行)

なぜそのような制限があるの?と思われる方も多いでしょうが、厚生労働省は運用に詳しくない加入者が商品が多すぎると選択しづらいためと言っています。

確かに心理学的にこのような考え方があります。

「行動回避・先送りに関連する行動バイアス」です。

消費者は情報や選択肢が多すぎると判断に迷ってしまったり、選択をしないと言う判断をしやすくなる。

お店でたくさんの魅力的な商品があると迷って結局買わずに出てきてしまうときが誰にでもあると思いますがそれと同じです。

そのためこのような制限がついたのです。

半強制的に加入するような企業型確定拠出年金ではあってもよいルールかなとおもいます。

しかし、自分で選択して加入するiDeCoには要らないルールだと考えますね。

これにより各社がせっかくよい投資信託を販売を開始してもなかなかイデコでは採用されないという歪な状況が生まれているんですよ。

加入者がいれば簡単に35本の中身も入れ替えられませんしね。

また、そもそも35本という数字の決め方も会議の内容を見ている限りひどいものでした・・・

こんなんで決めちゃう内容?って感じも強く持っています。

拠出限度額の拡大

次は拠出限度額の拡大ですね。

現在のiDeCoは下記のように年金の属性やその他の制度の加入状況で掛け金額上限が異なっています。


出所:厚生労働省 iDeCo説明ページ

まずはその掛け金の上限をあげてほしいですし、わかりやすく整理してほしいところもあります。

前述したつみたてNISA、NISAの非課税枠と合わせてISAと同レベルの年間300万程度でもよいかもしれません。

国民年金基金連合会の排除

最後はiDeCoの管轄をしている国民年金基金連合会を排除、もしくは手数料をなしにしてほしいという点です。

iDeCoはつみたてNISAなどと比較して謎な手数料が多く取られます

かなり金融機関同士の競争が激しくなり、運営管理機関手数料は無料のところがおおくなっていますが、回避できない部分として事務委託先金融機関は月66円、国民年金基金連合会は月105円があります。

この手数料が本当に必要なのか謎なんですよ。

国民年金基金連合会が手数料の根拠を出していますが、加入者が増えて規模の経済で確実に安くなっているはずなのに据え置きだったりツッコミどころが満載なんです。

つみたてNISAやNISAは証券会社等が直接やっていますが、年金が絡むとは言え国民年金基金連合会など謎の団体をいれないようにできないように出来ないものなのでしょうかね。

これによりレスポンスが悪い、手数料が掛かるというマイナスの点が数多く生まれてしまっています。

国民年金基金連合会を排除できないにしても、手数料の金額は見直す時期に来ていると思いますが・・・




金融所得課税の強化

今までは恒久化や緩和、枠の拡大など投資家側が得する話ばかりみてきました。

当然、実現すれば国の税金が減るわけです。

そこをカバーするためには金融所得課税の強化とセットすることは必要でしょう。

金融所得の税率30%

すでに高市早苗氏は以下のような発言をされていますね。

金融所得税制については、「逆進性」が大きい。不満は出ると思いますが、この時期には増税をさせていただきたい。
マイナンバーを活用して金融所得(配当所得と譲渡益)を名寄せして、50万円以上の金融所得の税率を現状の20%から30%に引き上げると、概ね3,000億円の税収増になります
低所得の方に対しては、勤労税額控除である「給付付き税額控除」を導入して支援したい

出典:月刊Handaプラス 【わが政権構想】日本経済強靭化計画|高市早苗 より

金融所得の税率を20%から30%に引き上げるという案。

そもそも1億円の壁と言われる歪な状況を打破するための話のようです。

1億円以上の所得がある方が金融所得の税率が低いことから実質税率が低いことが問題視されているんですよ。

NISA、つみたてNISA、iDeCoの非課税枠とセットなら

目的は1億円以上の方の税率引き上げだったとしても、上記案だけを実現してしまうと一般の投資家にも大きな影響が出てしまいます。

しかし、前述したようにNISA、つみたてNISA、iDeCoの枠を全部で年間300万円程度にすれば、一般の方、長期投資家ならその枠内で投資が完結する方が大半かと思われます。

ですから大きな影響は受けなくできるんですよ。

ですから金融所得課税を引き上げるならセットで非課税枠を大きくしてほしいところですね。

それでもデイトレーダーや短期売買の人たち、優待取りしまくっている人たちからは当然不平不満はでるでしょうが・・・



まとめ

今回は「私が考えるNISA、つみたてNISA、iDeCoの改革案。資産所得倍増プランではこれをやれ」と題して私が考える資産所得倍増プランについてみてきました。

まとめるとこんな感じ

  • 新NISA取りやめ
  • つみたてNISAとNISAの恒久化
  • つみたてNISAとNISAの併用を可能に
  • つみたてNISAとNISAの非課税枠の拡大
  • 12で割り切れる非課税枠に
  • 非課税期間の無制限化
  • 非課税枠の再利用を年内なら可能に
  • 特別法人税の撤廃
  • 35本制限の撤廃
  • 拠出限度額の拡大
  • 国民年金連合会の排除

これらと合わせて金融所得課税の強化なら文句は言いません

ぜひ検討してほしいところですね。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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