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9年ぶり国内MMF復活!?SBI・楽天証券の対応は?今から知っておくべき活用術

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9年ぶり国内MMF復活!?SBI・楽天証券の対応は?今から知っておくべき活用術

「金利のある世界」への回帰が進む日本で、約9年ぶりに国内MMFが復活するというニュースが話題になっています。

日本経済新聞が2025年10月に報じたところによると、主要金融機関は早ければ2026年前半に国内MMFの販売を再開する見込みです。

ここ数年で株を始めた人は馴染みのない方も多いかもしれません。(米国株をやっている人は外貨建てのMMFを利用している方も多いと思いますが)

そこで今回はMMFについて解説していきます。

目次

国内MMFとは何か?その仕組みと歴史的背景

国内MMF(Money Management Fund)は、短期の金融商品(公社債や短期金融商品など)を中心に運用する投資信託です。

投資信託なので元本保証ではありません。

ただし、極めて安全性の高い国債や地方債、社債、短期金融商品などで運用され、元本の安全性を最優先しつつ、銀行預金よりも高い利回りを目指す商品設計がなされています。

また、日々決算を行い、購入・換金は原則1円単位とされるなど、使い勝手が“預金っぽい”設計になっています。

この商品の最大の特徴は「実績配当型」でありながら、過去に元本割れを起こした事例が極めて少ない(※2001年のエンロン事件に関連した一部事例を除く)という点にあります。

いつでも解約して現金化できる流動性の高さと、預金以上の収益性を兼ね備えていたため、投資家の待機資金や、中小企業の運転資金の一時的な避難先として重宝されていました。

MRFとの違い

よく混同される商品にMRF(マネー・リザーブ・ファンド)があります。

現在も一部証券会社の総合口座に入金すると自動的に買い付けられることがあるMRFですが、国内MMFとは明確な違いがあります。

MRFも日々決算で、証券総合口座の資金の一時置き場として使われる商品ですが、MRFはあくまで「証券口座内の決済用資金」としての性格が強く、ATMでの即時入出金に対応するなど、流動性が最優先されています。

一方、国内MMFはキャッシング(即日引き出し)には一定の制限があるものの、MRFよりもさらに積極的に利回りを追求する設計となっていました。

「MRFは財布、MMFは金庫」というイメージで捉えていただくと分かりやすいでしょう。

なぜ国内MMFは消えた?2016年の販売停止の背景

実は2016年くらいまで証券口座に入れている待機資金は国内MMFに回すのが一般的でした。(多くの証券会社の標準設定)

しかし、日本銀行による「マイナス金利政策」の導入が、国内MMFにとっての致命傷となり消滅してしまったのです。

MMFは国債などの短期債券で運用を行いますが、マイナス金利下では、安全な債券の利回りがマイナス、つまり「運用すればするほど損をする」あるいは「信託報酬(運用コスト)すら賄えない」という異常事態に陥りました。

コストをまかなえなくなったことで、2016年に国内MMFを運用する全11社が新規募集停止されてしまったんですよ。

国内MMF復活はいつから始まるのか

復活の前提になったのは、金融政策の転換です。

マイナス金利も終了し、徐々に金利のある世界に戻ってきたことで、MMFの復活機運も高まって来たのです。

2026年前半の販売再開が有力

日本経済新聞の報道によると、主要金融機関は早ければ2026年前半に国内MMFの販売を再開する見込みです。

具体的には、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの3大メガバンクグループが出資する「プログマ(Progmat)」という会社が開発したシステム基盤をもとに、それぞれが国内MMFを組成・販売する予定となっています。

ブロックチェーン技術の活用で進化

今回の国内MMF復活は、単なる過去の商品の再開ではありません。

大きなポイントは「ブロックチェーン」技術の活用です。

従来のMMFとは異なり、新しい国内MMFでは暗号資産やステーブルコインなどにも利用されているブロックチェーン技術が活用されることも報道されています。

この技術により、運用益の支払いが自動化されたり、1日に複数回の分配ができるようになったりするため、投資家は分配金をより迅速に再投資に回すことができるようになります。

法整備も並行して進められており、法改正を経て届け出などの手続きを完了させたうえで、2026年の復活を目指しています。

国内MMFで期待できる利回りはどのくらいか

それでは国内MMFではどの程度の利回りが期待できるのかを考えてみましょう。

普通預金より約0.3%程度高い水準

国内MMFの詳細な商品設計はまだ未定ですが、現状なら年換算利回りは0.5%近辺になると予測されています。

この予測の根拠は、過去のデータにあります。

MMFが販売されていた普通預金金利が年0.2%程度だった時期の国内MMFの分配金利回りは約0.5%でした。

つまり、普通預金金利よりも約0.3ポイント高い利回りが得られていたのです。

現在、大手銀行の普通預金金利は年0.2%程度ですから、国内MMFが復活すれば同様に0.5%程度の利回りが期待できると考えられます。

さらに日銀が利上げを続ければこの水準は上がってくるでしょう。

国内MMFのメリット

次にMMFのメリットを整理しておきましょう。

普通預金よりも高い利回り

国内MMFの最大のメリットは、リスクを抑えながら普通預金よりも高い利回りが期待できる点です。

過去のデータから推測すると、前述のように普通預金金利よりも約0.3ポイント高い利回りが得られる可能性があります。

月単位で複利効果が得られる

MMFは日々決算を行い、毎日その日の収益に基づいて分配額を計算します。

分配金を出したときに約20%の税金が源泉徴収され、残りが積み上げられていきます。

積み上げられた分配金は月末に再投資されるため、月単位で複利効果が得られます。

普通預金は半年複利であることが多いのに対し、MMFは月単位で複利運用できるため、より効率的な資産運用が可能です。

すぐに換金できる流動性の高さ

MMFは定期預金や個人向け国債と異なり、いつでも換金できます。

満期がないため必要なときにすぐ売却でき、解約手数料もかかりません(ただし購入後30日未満で解約すると信託財産留保額がかかる場合があります)。

証券口座に預けたお金には利息がつかないため、次の株や投資信託を買うまでの間MMFを購入しておけば分配金の分だけお金を増やせます。

急な資金需要にも対応できる使い勝手の良さが魅力です。

為替リスクがない

外貨建てMMFと異なり、国内MMFでは為替変動リスクがありません。

日本円で購入し日本円で換金するため、為替相場を気にする必要がありません。

為替の動向に左右されずに安定的な運用ができる点は、投資初心者にとっても安心です。

国内MMFのデメリット・注意点

次はデメリットです。

元本保証ではない

MMFは投資信託の一種であり、銀行預金とは異なり元本保証がありません。

運用対象が短期国債など安全性の高い資産とはいえ、運用状況によっては元本割れする可能性がゼロではありません。

過去に国内MMFで元本割れしたケースはエンロン事件のときに1度だけであり、しかも一部の銘柄のみでしたが、リスクがあることは認識しておく必要があります。

預金保険制度の対象外

銀行預金は預金保険制度により1金融機関につき元本1,000万円までとその利息が保護されています。

しかし、MMFは投資信託であるため預金保険制度の対象外です。

ただし、MMFは分別管理の対象となっており、証券会社等が破綻しても投資家の資産は保全されます。

この点は外貨預金が預金保険の対象外であり、かつ分別管理の対象でもないことと比較すると、MMFのほうが安全性は高いといえます。

信託報酬がかかる

MMFは投資信託であるため、保有中に信託報酬・管理手数料が差し引かれます。

また、購入後30日未満で解約すると信託財産留保額と呼ばれる手数料がかかる可能性もあります。

ただし、購入時手数料や換金手数料は基本的にかからないため、コスト面では比較的優れた商品といえます。

利回りは市場金利に連動して変動する

MMFの利回りは固定ではなく、市場金利の動向によって変動します。

今後日銀がさらに利上げを行えば利回りが上昇する可能性がありますが、逆に金融緩和に転じれば利回りが低下する可能性もあります。

定期預金や個人向け国債のように「購入時点で利回りが確定する」商品ではないことを理解しておく必要があります。

SBI証券や楽天証券でMMFを利用できるのか?

それではSBI証券や楽天証券でMMFを利用できるのかをみていきましょう。

SBI証券:SBIハイパー預金で0.5%とすでにMMF並

ネット証券最大手のSBI証券では、現在、国内MMFの取り扱いはありません。

しかし、その代替としての「SBIハイパー預金(SBI新生銀行との連携)」、「SBIハイブリッド預金(住信SBIネット銀行との連携)」で高めの金利がついていますね。

とくにSBI新生銀行と連携して設定できるSBIハイパー預金は2025年12月現在で金利0.42%、さらに先日の日銀の利上げの影響もあり、2026年1月9日から0.50%/年になることが告知されています。

すでに国内MMFの想定金利と遜色ないレベルで高くなっているんですよ。

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SBIハイパー預金をSBIグループとしてどう考えているかでMMFを取り扱うかが決まりそうですね。

外貨建てMMFはすでに充実

ちなみにSBI証券の外貨建てMMFはかなり充実したラインナップとなっています。

SBI岡三・USドル・マネー・マーケット・ファンド、ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト、ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド、ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド、ゴールドマン・サックスなど複数の銘柄の取り扱いがあるんですよ。

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楽天証券:MRF「楽天・マネーファンド」提供開始

楽天証券は2025年6月5日より、日本円での利回り運用商品「楽天・マネーファンド」というMRFの取扱いを開始しています。

これは「公社債投資信託」に分類される商品で、安全性が高く低リスクな公社債などで資金を運用するものです

一般的な投資信託(株式投資信託)とは異なり、安全性の高い短期金融資産しか組み込むことができないため、リスクが低く流動的な資金の置き場所として最適とされています。

また、価格やリターンの変動が少ないため、利回りを明示できる点も特徴です。

ちなみに直近12/16〜12/22の平均利回りは0.474%/年とのこと。

楽天証券が国内MMFを取り扱いをするかどうかはMRFの「楽天・マネーファンド」の立ち位置をどう考えているのかや、SBI証券など競合の取り扱いとの兼ね合いとなりそうですね。

まとめ

国内MMF復活のニュースは、投資家にとっては朗報です。

日銀の利上げに伴う金利上昇を背景に、普通預金よりも約0.3%高い利回りかつ、高い利便性が期待できます。

2026年の販売再開に向けて、今から情報収集を始めておくことをおすすめします。

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この記事を書いた人

豊かに生きていく上で必須なのがお金の知識です。
しかし、日本では「お金」が汚いものという認識が根強く、あまり勉強されてきませんでした。そのため今後は老後破産が増えてしまうなんて話もありますね。
そんな世の中を少しでも変えたいという強い信念を元に「お金に生きる」を立ち上げました。
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