みなし入院のルールが変わる?自宅療養では入院給付金は原則不支給に。医療保険、生命保険の加入者は要チェック。

生命保険(医療保険)で入院時に給付される「入院給付金」

この扱いが今まで新型コロナウィルス感染症については特別扱いされてきました。

「みなし入院」です。

しかし、この扱いが変わりそうな情勢となってきました。

今回はこの件を見ていきましょう。

新型コロナの自宅療養は特別な扱いがされてきていた

まず、前提となる話から確認しておきましょう。

生命保険(医療保険)の「入院給付金」は当然ながら「入院」したときにもらえるものです。

ですから本来は自宅療養ではもらえない給付金。

しかし、新型コロナが蔓延したことで入院できる人に限りがありましたので、従来なら入院する人が宿泊施設や自宅療養の措置がとられてきました。

そこで起こってくるのが不公平感。

なんとしても入院したいという人がでてくることも想定されますよね。

金融庁からの要請で実施されていたみなし入院

そこで政府から以下の要請がなされていたとのこと。

金融庁は20年4月10日、各保険業界に「前例にとらわれることなく、柔軟な保険約款の解釈・適用」を強く要請。保険会社も社会的使命に鑑み、あくまでも特例として、みなし入院でも保険金・入院給付金を支払うことになった。

出典:DIAMONDONLINE 生保&少短「みなし入院」騒動終息への内幕、足元では第7波対策で“商品力低下”も進行

つまり、宿泊施設に隔離されている人や自宅療養者にも入院給付金を出してほしいというものです、

それにより各社が自宅隔離などでも「みなし入院」として入院給付金等を支払っているのです。

新型コロナウイルス感染症と診断され、宿泊施設または自宅にて医師等の管理下で療養をされた場合は、「入院」として取扱い、入院給付金等のお支払い対象となります

出典:第一生命 宿泊療養・自宅療養による入院給付金のお支払いについて

ちなみに当然ながら普通の風邪を引いたり、インフルエンザで自宅療養していたとしても入院給付金は出ません。

つまり、新型コロナウイルス感染症だけ特別扱いをしてきたということです。

医療が混乱しないようにするという観点から見れば当時の判断は妥当かもしれませんけどね。

入院給付金でもらえていた金額

ちなみに対象となるのは以下のように診断日から厚生労働省の定める自宅療養などが解除される基準日までです。

みなし入院の図

出典:第一生命 宿泊療養・自宅療養による入院給付金のお支払いについて

厚生労働省等の定める解除基準は以下のとおり。

自宅療養の解除期間

出典:厚生労働省 退院基準・宿泊療養解除基準の概要 より

無症状なら最短7日間ってことですね。

ですから入院給付金でもらえる金額が1日1万円の方なら、自宅療養で無症状でも7万円をもらえていたということになります。

1日5千円の方でも3万5千円がもらえるということ。

※保険によっては入院3日目から給付とかのルールとなっているケースもあります。

ちなみに入院給付金はかなり一般的なサービスで、医療保険はもちろんですが、生命保険、損害保険、カード会社などが提供する無料保険などでも付いているものも。

新型コロナウイルス感染症で自宅療養していた方は対象となる保険に入っていなかったか確認するのをおすすめします。

とくに楽天などがかなり無料保険を勧めていましたのでなんとなしに加入している方も見えると思います。

もしかしたら対象となっているかもしれませんよ



新型コロナの入院給付金を見直し

しかし、このみなし入院の特別扱いは変わろうとしています。

新型コロナみなし入院保険支払

出典:NHK 新型コロナ 入院給付金見直しって?

上記のように7月末までに入院給付金を支払った件数は合わせて351万5966件でこのうち93%の329万2091件が「みなし入院」の契約者だったんですよ。

新型コロナみなし入院保険支払金額

出典:NHK 新型コロナ 入院給付金見直しって?

さらに支払金額は7月末までに支払った「みなし入院」の契約者への支払いは、3046億6853万円とかなりの規模となっています。

そこで見直しという話が出てきたのです。

金融庁からみなし入院による入金給付金の見直し要請

そこで再度、金融庁から入院給付金のみなし入院の見直しの要請が入っています。

新型コロナウイルス感染症に係る発生届の範囲については、政府において、今 後、with コロナに向けた新たな段階への移行の一環として、全国一律に、重症 化リスクの高い以下の方々に限定する方向で検討が行われている。

・ 65 歳以上の者
・ 入院を要する者
・ 重症化リスクがあり、新型コロナ治療薬の投与または新型コロナ罹患により 酸素投与が必要な者
・ 妊婦

貴協会におかれては、会員各社において、医療機関や保健所の負担軽減に十分 配慮しつつ、政府による検討の方向性を踏まえた上で、いわゆる「みなし入院」 による入院給付金の取扱い等について、支払対象も含め、可及的速やかに検討が行われるよう周知していただきたい。

出典:金融庁 入院給付金の取扱い等に係る要請

この要請では重症化リスクの高い人に限定するように求められているとのことで、今後は以下の条件をみなす方のみが対象となりそうです。

  • 65歳以上
  • 入院を要する
  • 重症化リスク(新型コロナの治療薬や酸素の投与が必要)
  • 妊婦

つまり、かなり限られた方のみがみなし入院と認められるようになるってことですね。

いつから新制度?

それではいつからルール変更がなされるのでしょう?

具体的な日程は出ていませんが、NHKによると9月下旬くらいに見直しが入るようですね。

具体的な運用については保険会社によって異なる場合がありますが、早ければ9月下旬から対象が見直される見通しです。

出典:NHK 新型コロナ 入院給付金見直しって?

また、保険会社によってスタート時期等対応が異なる場合もありますので契約中の保険会社に問い合わせてみるとよいかもしれません。



まとめ

今回は「みなし入院のルールが変わる?自宅療養では入院給付金は原則不支給に。医療保険、生命保険の加入者は要チェック。」と題して入院給付金のみなし入院のルール変更について見てきました。

結構大きな変更となりますので契約中の保険を確認してみましょう。

お知らせ:You Tubeはじめました。

You Tube「お金に生きるチャンネル」をはじめました。

You Tubeでも少しでも皆様のお役に立てる動画を定期的に発信していきますのでチャンネル登録をぜひよろしくお願いいたします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
自宅療養では入院給付金は不支給
最新情報をチェックしよう!