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億り人でも買えない「健康」という資産。先に積み立てるべきものの話

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億り人でも買えない「健康」という資産。先に積み立てるべきものの話

資産は順調に増えているのに、なぜか不安が消えない。

そんな方にこそ読んでほしい記事です。

先日、億り人の友人が、それを使う前に病気で亡くなりました。

お金の複利は、健康寿命の中でしか受け取れない。

厚労省データと投資理論で、その根拠と具体策を解説します。

目次

健康投資は「利回りが計算できる」最強の自己投資です

結論から言うと、30代から50代の投資家が最優先で積み立てるべき資産は、株式でも債券でもなく「健康」です。

理由はシンプルで、投資リターンの計算式に隠れた変数があるからです。

私たちは「元本×利回り×時間」で資産の増え方を考えます。

ところがこの「時間」、正確には「増えた資産を自分で使える時間」は、無限ではありません。

その上限を決めているのが健康寿命です。

厚生労働省が2024年12月に公表した最新値によると、2022年の日本人の健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳。

平均寿命は男性81.05歳、女性87.09歳ですから、その差は男性で8.49年、女性で11.63年あります(出典:厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」)。

つまり人生の最後に、日常生活に何らかの制限を抱えた期間が平均で約10年待っている。

この10年間は、旅行にも趣味にも自由にお金を使いにくい期間です。

NISAで30年運用して築いた数千万円も、受け取る側の身体が動かなければ、その価値は目減りします。

だからこそ、こう言い切れます。

お金の複利は、健康寿命の中でしか受け取れない。

投資家のあなたに問います。

ポートフォリオの利回りは毎月チェックしているのに、その利益を受け取る「器」である身体のメンテナンスは、いつチェックしましたか。

この記事では、私自身の痛恨の実体験と公的データをもとに、健康投資が合理的である理由と、明日からの具体的な始め方を解説します。

億り人になった友人は、その資産を使えませんでした

私には、20代から一緒に投資の話をしてきた友人がいました。

彼は徹底した倹約家で、入金力の鬼でした。

昼食は毎日カップ麺や菓子パンなど数百円で食べられるものを選んでいたそうです。

付き合いの飲み会も「費用がもったいない」と断り、睡眠時間を削って本業と副業をこなし、浮いたお金をすべて株式に回していました。

彼女もお金が勿体ないと作っていなかったようです。

当然結婚もしていませんし、子供もいません。

そして彼は30代で、いわゆる億り人になりました。

しかし、その数年後、彼は亡くなりました。

発見されたときにはすでに手遅れの状態だったとのこと。

葬儀のあと、私は何度も考えました。

彼の投資判断は、個別の売買で見れば正解だったかもしれません。

しかしポートフォリオ全体では、決定的な誤りを犯していた。

彼は金融資産に全力で投資する一方で、「健康」という資産クラスへの配分をゼロにしていたのです。

資産は億円単位で残ったでしょう。

しかし、それを取り崩しながら旅行する時間も、家族と使う時間も、彼には残されませんでした。

倹約で節約できたお金より、失った時間のほうが、比較にならないほど高くついたのです。

DIE WITH ZEROの逆になってしまったということ・・・

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私自身「健康はお金に変えられない」という言葉を、きれいごとだと思っていた部分もあります。

しかし、今は違います。

あれは投資の教訓そのものです。

どれだけ利回りが高くても、受取人が存在しなければリターンはゼロ。

これが、私が健康投資を語り続ける原点です。

データで見る「不健康の価格」

感情論だけでは投資判断はできませんので、数字を見ていきましょう。

健康を後回しにするコスト、いわば「不健康の価格」です。

医療費

厚生労働省の推計によると、日本人一人あたりの生涯医療費は約2,700万円。

しかもその半分は70歳以降に発生します(出典:厚生労働省「医療保険に関する基礎資料(平成30年度)」)。

現役時代に窓口3割負担で済んでいた感覚のまま老後を迎えると、認識を誤ります。

高額療養費制度があるとはいえ、収入が年金中心になった時期に医療・介護の支出ピークがやってくる。

この時間差こそが、老後資金計画の最大の落とし穴です。

しかも医療費は、単体では終わりません。

入院すれば差額ベッド代や家族の交通費がかかり、退院後は通院と療養が続きます。

要介護状態になれば、住宅改修や介護サービスの自己負担も上乗せされます。

老後2,000万円問題が話題になったとき、多くの試算が前提としていたのは「夫婦とも健康な標準的家計」でした。

健康を失った瞬間、その前提ごと崩れるのです。

稼ぐ力への影響

米ランド研究所が2016年に公表した調査では、睡眠不足による日本の経済損失は年間最大1,380億ドル、約15兆円と試算されました。

GDP比2.92%で、調査対象5か国(日米英独加)の中で最悪の数字です(出典:RAND Corporation「Why Sleep Matters」2016年)。

国全体で15兆円ということは、個人レベルでも睡眠を削った分だけ判断力と生産性が落ちている、ということです。

投資家にとって判断力の低下は致命傷になりえます。

健康に害が出て寝不足の頭で相場の急落に向き合えば、狼狽売りのリスクは確実に上がるでしょう。

機会損失

最後は機会損失です。

仮に65歳でリタイアするとして、男性の健康寿命72.57歳までは約7年半しかありません。

「老後にゆっくり世界一周」という夢は、健康寿命という締め切りつきの計画なのです。

ここまでを整理すると、健康を損なうことは「支出の増加」「収入の減少」「使える時間の消滅」という三重の損失を意味します。

逆に言えば、健康投資はこの3つを同時に防ぐ、極めて効率のよい一手だということです。

お金持ちほど健康にお金をかけている、は本当か

「金持ちは健康に投資していますか」という疑問には、データで答えられます。

答えはイエスです。

厚生労働省の平成26年版厚生労働白書によると、所得1,000万円以上の層は「健康のために積極的にやっていることがある」と答えた割合が24.2%、「生活習慣に気を付けている」が37.8%と、いずれも他の所得階層より高い結果でした(出典:厚生労働省「平成26年版厚生労働白書」)。

より新しい調査でも傾向は同じです。

博報堂の新富裕層調査2025では、「自身の健康や心の豊かさのためにお金をかけている」と答えた割合は、世帯年収1,500万円以上で61.1%、3,000万円以上で66.3%、5,000万円以上では69.9%と、年収に比例して上昇していました(出典:博報堂富裕層マーケティングラボ「新富裕層調査2025」)。

なぜ富裕層は健康にお金をかけるのでしょうか。

「余裕があるから」だけでは説明として不十分です。

私は多くの経営者を見てきましたが、成功している経営者ほど健康を「コスト」ではなく「事業インフラ」として扱っています。

考えてみれば当然です。

経営者が3か月入院すれば、会社の意思決定は止まります。

一人社長なら売上そのものが消えます。

彼らにとって身体は、最大の稼働資産なのです。

実際、対照的な2人の社長に出会ったことがあります。

一人は「健診に行く暇があったら現場に出る」が口癖で、50代で倒れて事業承継の準備もないまま会社を混乱させました。

もう一人は毎朝のウォーキングと年1回の人間ドックを「取締役会と同じ最重要予定」としてブロックし、70代の今も現役で采配を振るっています。

両者を分けたのは才能ではなく、健康を経費と見るか投資と見るかの違いだけでした。

これは会社員や個人投資家でも本質は変わりません。

あなたの入金力の源泉は労働収入であり、労働収入の源泉は身体です。

つまり健康は、配当を生み続ける「元本」そのもの。

富裕層は先にその構造に気づいているだけで、順番はむしろ逆です。

健康に投資してきたからこそ、長く稼ぎ続けて富裕層になった、という因果も十分にありえます。

もうひとつ、投資家として見逃せない視点があります。

健康は複利で効く、ということです。

40代の運動習慣は50代の体力を作り、50代の体力は60代の行動範囲を決め、60代の行動範囲が70代の生活の質を決めます。

逆に不摂生も複利で効きます。

今日の夜更かし1回は誤差でも、10年分の夜更かしは確実に身体を蝕む。

つみたて投資の威力を知っているあなたなら、この構造の恐ろしさと心強さの両方が、すぐに理解できるはずです。

健康の「コア・サテライト戦略」で始める

それでは、具体的に何をすればよいのか。

健康投資のおすすめを、投資家におなじみの「コア・サテライト戦略」で整理しました。

資産運用で、低コストのインデックスファンドを中核(コア)に据え、遊びの部分(サテライト)を一部に限定するのと同じ発想です。

区分中身年間コストの目安期待リターン
コア(配分8割)睡眠7時間の確保0円判断力・生産性の維持
コア週150分の運動(早歩きでOK)0円生活習慣病リスクの低減
コア禁煙・節酒むしろプラス医療費・死亡リスクの低減
コア健診と再検査の完全消化0〜数千円病気の早期発見
サテライト(配分2割)歯科の定期メンテナンス1〜3万円老後のQOL維持
サテライト寝具・椅子など環境改善数万円〜睡眠と姿勢の質向上
サテライトジム・パーソナル指導数万〜数十万円運動の継続率向上
サテライト人間ドックのオプション検査数万円〜標準健診の死角を補完

このフレームワークの要点は3つあります。

コアはほぼ無料

1つ目。コアはほぼ無料だということです。

健康投資と聞くと高額サプリや会員制ジムを連想しがちですが、リターンの大部分を生むのは睡眠、運動、禁煙、健診という「地味なインデックス投資」です。

世界保健機関(WHO)も、週150分以上の中強度の身体活動を成人に推奨しています(出典:WHO「身体活動・座位行動ガイドライン」)。

順番を守ること

2つ目。順番を守ることです。

コアを固めずにサテライトから入るのは、生活防衛資金なしで信用取引を始めるようなもの。

高い寝具を買っても、スマホで夜更かししていれば意味がありません。

自動化が命

3つ目。積立と同じで、自動化が命です。

例えば健診の予約を毎年同じ月に固定し、運動は「通勤で一駅歩く」という仕組みに落とし込んだりなんかも有効です。

意志力に頼る健康法は、感情で売買する投資と同じで、ほぼ失敗します。

最小構成の一例

参考までに、忙しい30代から50代でも回せる「最小構成」の一例を挙げます。

平日は就寝アラームを設定して7時間睡眠を死守する。

移動は早歩きを基本にして、エレベーターを一つ手前の階で降りる。

週末に30分だけまとまったウォーキングを入れれば、週150分は意外と達成できます。

そして年初に、健診と歯科メンテナンスの予約をまとめて入れてしまう。

これだけです。

「そんな時間はない」と感じた方にこそ、思い出してほしい数字があります。

前述のとおり、睡眠を削って働いた結果が国全体で年15兆円の損失です。

睡眠時間はコストではなく、翌日のパフォーマンスへの再投資。

削るべきは睡眠ではなく、寝る前のスマホ時間のほうではないでしょうか。

インデックス投資を続けられているあなたなら、この戦略は必ず実行できます。

必要なのは、証券口座と同じ淡々とした姿勢だけです。

健康投資の注意点:これは「不老の保証」ではありません

誠実に書いておきたいことがあります。

健康投資には限界があり、向かない考え方もあります。

まず、健康投資は確率を改善する行為であって、結果を保証するものではありません。

どれだけ節制しても病気になる人はいますし、その逆もあります。

分散投資が暴落を「防ぐ」のではなく損失確率を「下げる」のと同じ構造です。

この前提を誤ると、病気になった人を自己責任だと断じる危険な思考に陥ります。

次に、高額サービスへの過信です。

数十万円の高級人間ドックや高額サプリが、価格に比例した効果を持つとは限りません。

特にサプリは、通常の食事で栄養が足りている人にとって上乗せ効果が明確でないものも多くあります。

「高いものほど良いはず」という思い込みは、手数料の高いアクティブファンドを盲信するのと同じ罠です。

また、極端な健康法にも注意が必要です。

過度な糖質制限や断食、単一食品への傾倒は、リターンよりリスクが大きくなりえます。

集中投資が資産運用で危険なのと同じで、食事も分散が基本です。

持病のある方や数値に不安がある方は、自己判断で始める前に医師に相談してください。

最後に、健康投資が向かない人はいるのか。

実は、ほぼいません。

ただし「完璧を目指す人」だけは挫折しやすい。

週150分の運動が無理なら週50分でも、7時間睡眠が無理なら15分早く寝るだけでも、期待値はプラスです。

満点ではなく及第点を狙う。

長期投資と同じ心構えが、ここでも正解です。

よくある質問

健康への投資としておすすめのことは何ですか?

費用対効果が高いのは、睡眠7時間の確保、週150分の運動、禁煙、年1回の健診受診の4つです。

いずれもほぼ無料で始められます。

ジムや人間ドックのオプション検査などの有料サービスは、この土台を固めたうえで予算の2割程度を目安に追加するのがおすすめです

お金と健康はどっちが大事ですか

どちらも大事ですが、順番は健康が先です。

健康は労働収入の源泉であり、資産を使って人生を楽しむための前提条件だからです。

日本人の健康寿命と平均寿命には約10年の差があり、健康を失うと支出増と収入減と自由時間の消滅が同時に起こります。

健康投資はいくらくらいかければよいですか?

金額よりも配分が重要です。

効果の大部分は睡眠、運動、禁煙、健診というほぼ無料の習慣から生まれます。

有料の健康サービスに使う金額は家計に無理のない範囲で設定し、高額なサプリや検査を「高いから効くはず」と過信しないことが大切です。

まとめ

最後に、この記事の要点を整理します。

  • 健康寿命と平均寿命の差は約10年。資産を使える時間には締め切りがある
  • 生涯医療費約2,700万円の半分は70歳以降。不健康は老後最大の支出リスク
  • 富裕層ほど健康にお金をかけているが、コアの健康投資はほぼ無料
  • 睡眠・運動・禁煙・健診をコアに、サテライトは2割まで

私の友人は、資産形成のゲームに勝って、人生の受け取りフェーズに参加できませんでした。

彼の分まで伝えたいのは、たったひとつです。

お金の複利は、健康寿命の中でしか受け取れない。

だから、今日やることをひとつだけ決めましょう。

難しいことではありません。

今夜、いつもより30分早く布団に入る。

それが、あなたのポートフォリオに「健康」という資産クラスを組み入れる最初の一歩です。

積立設定と同じで、始めてしまえばあとは続くだけ。3分で終わる健診予約でも構いません。

資産運用の目的は、口座残高を眺めることではなく、増えたお金で人生を楽しむことのはずです。

その大前提を支える健康に、今日から少しだけ資本を配分してみませんか。

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この記事を書いた人

豊かに生きていく上で必須なのがお金の知識です。
しかし、日本では「お金」が汚いものという認識が根強く、あまり勉強されてきませんでした。そのため今後は老後破産が増えてしまうなんて話もありますね。
そんな世の中を少しでも変えたいという強い信念を元に「お金に生きる」を立ち上げました。
投資歴15年以上、社会保険労務士、中小企業診断士、簿記1級、1級販売士、ファイナンシャルプランナー2級、年金アドバイザー3級持ちの私が「お金」についてどこよりもわかりやすくお伝えることを目指していきます。
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