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auじぶん銀行住宅ローン金利0.6%上げの謎。基準金利を決めるのは誰か?

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auじぶん銀行住宅ローン金利0.6%上げの謎。基準金利を決めるのは誰か?

Xで大きな話題となったauじぶん銀行の住宅ローン引き上げ幅0.6%。

住宅ローンを低金利で選んだのに、大幅な利上げ。

これから借りる方も、返済中の方も気になりますよね。

auじぶん銀行の0.6%引き上げを、金利推移と返済の仕組みから整理します。

目次

auじぶん銀行の利上げで見るべきは「金利の決まり方」

今回のニュースから持ち帰りたいのは、住宅ローンは金利の数字と、その数字を変更するルールをセットで選ぶ商品だということです。

契約時の金利が低くても、その順位が完済まで続く保証はありません。しかも、変動金利の決め方は銀行や商品によって異なるんですよ。

引き上げの概要

auじぶん銀行は2026年9月18日、変動金利の基準金利改定を発表しました。

対象は全期間引下げプランで、改定日は10月1日です。

項目公表内容
改定前の基準金利年3.141%
改定後の基準金利年3.741%
引き上げ幅0.600ポイント
既存の変動金利への適用2026年12月の約定返済日の翌日から
10月の新規借入金利の公表9月30日16時以降

同じ日、日銀は金融政策決定会合で政策金利を1.00%程度から1.25%程度へ引き上げました。

賛成7、反対2での決定で、1.25%という水準は1995年4月以来となります。

上げ幅は0.25%です。

0.25%に対して0.6%。

2回分の引き上げをまとめてという話もありますが、それでも0.5%を0.6%にしています。

同行の発表文には、差の0.1ポイントを含む改定幅の詳しい内訳はありません。

なお、「0.6%引き上げ」は、金利を1.006倍にする意味ではありません。

仮に年0.8%なら、同じ幅の上昇で年1.4%になるということ。家計への影響は小さくないですね。

基準金利と、実際に払う金利を分ける

ここで確認したいのが、ご自身の契約にある「引下幅」です。

全期間引下げプランの借入金利は、原則として「基準金利-契約ごとの引下幅」で決まります。

引下幅は借りた時期などで異なるため、改定後の年3.741%を全員が払うわけではありません。

一方、新規募集では、その月の引下幅も確認が必要です。

既存契約に起こる変化と、広告に出る新規金利の変化は、同じとは限りません。auじぶん銀行では、申し込んだ日ではなく、実際に借り入れる日の金利が適用されます。

ご自身が見ているのは「新しく借りる人の金利」でしょうか。

それとも「今の契約に適用される金利」でしょうか。

ここを分けるだけでも、ニュースに振り回されにくくなります。

すでに借りている方は契約内容と返済予定明細、購入予定の方は融資実行月の条件が判断の出発点です。

auじぶん銀行は短期プライムレートに非連動

変動金利なら、どの銀行でも日銀の利上げと同じ幅だけ上がる。

そう考えると、今回のような改定で戸惑うことになります。

多くの銀行の住宅ローンは短期プライムレートに連動しています。

短期プライムレートとは銀行が最優良の企業(業績が良い、財務状況が良いなど)に貸し出す際の最優遇貸出金利(プライムレート)のうち、1年以内の短期貸出の金利のことをいいます。

その短期プライムレートは日銀の政策金利にほぼ連動する形となっています。

つまり、日銀が政策金利を上げると住宅ローンも上がるという仕組みですね。

しかし、auじぶん銀行は今回の0.6%という数字は日銀の利上げ幅とは連動していません。

なぜでしょう?

実はauじぶん銀行など一部の銀行は短期プライムレートに連動していないケースがあるんですよ。

同行の住宅ローン商品詳細説明書には、基準金利の決め方がこう書かれています。

市場金利をもとに、貸出資金の調達コスト、審査・販売に必要な事務および営業コスト、そして自社の収益および金利情勢などを勘案して、auじぶん銀行独自の判断で決定する

auじぶん銀行「住宅ローン商品詳細説明書

短期プライムレートという言葉は、一文字も出てきません。

auじぶん銀行が独自に判断するんですよ。

つまり、auじぶん銀行で変動金利で借りている人が本当に背負っているリスクは「日銀が利上げするかどうか」だけではないということ。

auじぶん銀行の住宅ローン金利推移を確認

次にauじぶん銀行の基準金利の履歴を確認してみましょう。

日銀がマイナス金利を解除した2024年を起点に並べてみます。

改定日基準金利前回比
2016年4月〜2024年4月2.341%据え置き
2024年10月1日2.591%+0.250
2025年4月1日2.841%+0.250
2025年10月1日2.841%0
2026年4月1日3.141%+0.300
2026年10月1日3.741%+0.600

出典:auじぶん銀行「変動金利の基準金利 改定履歴」

2024年4月から2026年10月まで、累計で+1.400%。

一方、メガバンクをはじめ多くの銀行が使う短期プライムレートはどうでしょうか。

日銀の統計によれば、主要行の短期プライムレート最頻値は2009年1月13日から1.475%が続いたあと、2024年9月2日に1.625%、2025年3月3日に1.875%、2026年2月2日に2.125%、2026年8月3日に2.375%へと改定されています。

同じ期間で累計+0.900%

差は0.5ポイント。

9月の日銀利上げ分が短プラにこれから反映されることを織り込んでも、差は0.25ポイント残ります。

SBI新生銀行

もう一つ、SBI新生銀行も見ておきましょう。

SBI新生銀行は9月15日、変動金利・半年型の基準金利を10月1日から改定すると発表しました。

項目SBI新生銀行の公表内容
改定前の基準金利年2.300%
改定後の基準金利年2.650%
引き上げ幅0.350ポイント
既存契約への反映対象者は2027年1月または2月返済分から

こちらも0.25%の日銀引き上げに対して0.35%の引き上げです。

SBI新生銀行の商品説明書にも、金利は特定の市場金利に必ずしも連動せず、資金コストや収益、金融情勢などを踏まえて決めるとあります。

市場金利が変わらなくても、適用金利や返済額が上がる場合があるという説明です

ちなみにネット銀行のなかで短期プライムレート連動を明示しているのは、住信SBIネット銀行(現ドコモSMTBネット銀行)のようなごく一部です。

auじぶん銀行、SBI新生銀行、PayPay銀行、ソニー銀行、楽天銀行は、いずれも自行の判断で基準金利を決めると商品説明書に書いています。

日銀の動きを見ていれば予想できる金利と、銀行の収益判断次第で動く金利。

同じ「変動金利」という名前でも、中身はまるで別物なんですよ。

ネット銀行各社の金利決定方法は下記記事でまとめております。合わせてご覧ください。

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「長年動かなかった」と「動かない契約」は違う

履歴を見ると、長く基準金利が据え置かれていたことがわかります。

この期間の印象から、変動金利でも返済負担はあまり変わらないと考えた方もいるかもしれません。

でも、過去に動かなかったのは運用の結果。

将来の据え置きを約束する契約ではないんですよ。

実際に私が家を買った3年半くらい前は、住宅ローンの専門家と称する方がテレビやネットで変動金利なんて上がるわけない

変動金利一択とおっしゃっていたことを思いだします。

しかし、実際には3年半しか経っていないのに私が借りた固定金利の金利をすでに上回っていたりするんですよね。

ご自身の返済計画も、過去の低金利が続く前提になっていませんか。

金利推移の表は、次の金利を当てるためだけの資料ではありません。

「これだけ動いた場合に、わが家の計画はどう変わるか」を確認する材料にもなります。

私が最安だったauじぶん銀行を見送った理由

実は私も、住宅ローンを検討したとき、auじぶん銀行で借りようと検討していました。

当時、私が比較していた中で金利が最も低かったからです。

具体的な数字は覚えていませんが、いろいろな条件をクリアすると0.2%をきるくらいだったと思います。

他社と比較しても飛び抜けて低い金利だったんですよ。

さらにキャッシュバックだったかポイント還元まで上乗せされる状況でした。

正直、申し込む寸前まで行きました。(仮審査までは通していました)

踏みとどまったのは、商品詳細説明書のあの一文を読んで短期プライムレート連動ではないとわかったからです。

「auじぶん銀行独自の判断で決定します」。

判断材料として「auじぶん銀行の収益」が明記されている。

返済が30年以上続く契約で、値上げの根拠が相手の利益なんですね。

当時そのことをブログに書き、独自ルールの銀行は怖い、変動で借りるなら金利上昇に耐えられる資金を用意しておくべきだと結論づけました。

それがきっかけとなり、固定金利に傾きフラット35の固定で1%ちょいで借りることにしました。

気になったのは、将来の改定幅をどう理解するか

今回の0.6ポイント上昇を予想していたわけではありません。

「借りなかったから正解」と、結果だけで決めつけるつもりもないですね。

私が避けたかったのは、最初の金利だけを見て、借りた後の決定ルールを十分に理解しないまま契約することでした。

例えば、毎月払うサービスを選ぶときも、初月の安さと、その後の料金条件はセットで確認しますよね。

住宅ローンは返済が長期に及ぶため、変更条件を読む意味がより大きくなると私は考えています。

住宅ローンは、今日の金利と将来の変更ルールで選ぶ。

皆さんは「今の金利はいくらか」と同じくらい、「どう決まる金利か」を説明できるでしょうか。

0.6ポイントでいくら増える?返済額と元金の関係

金利上昇で最も気になるのは、家計への影響でしょう。

ここでは、金利差を理解するための仮定で試算します。

残高3,000万円・残り30年で比較すると

条件は、元利均等返済、ボーナス返済なし、残高3,000万円、残り360回。

各金利が残り期間中ずっと続き、その時点で返済額を計算し直す仮定です。

諸費用と税効果は含めていません。

仮定する年利毎月の返済額残り期間の利息総額
0.8%約93,761円約375万円
1.4%約102,103円約676万円
約8,342円増約300万円増

元利均等返済の計算式「残高×月利÷{1-(1+月利)のマイナス返済回数乗}」を使用。表示値は丸めています。実際の将来金利や、個別契約の返済予定を予測したものではありません。

月額の差を見て、貯蓄で吸収できそうでしょうか。

それとも、教育費などと重なると厳しそうでしょうか。

借入額を検討中なら、このように上昇後の数字を先に家計へ入れてみると、無理のない予算を考えやすくなります。

5年ルールは利息を免除する仕組みではない

auじぶん銀行の変動金利・元利均等返済には、返済額を一定期間据え置く5年ルールがあります。

見直し時の増額上限は、従前の返済額の125%です。

ただし、これは利息や総返済額の上限ではありません。

上の試算どおり、すぐ月額が8,342円増えるとは限らないわけです。

返済額が変わらなくても、金利が上がれば利息の割合が増え、元金の返済に回る額が減ります。

例えば、残高3,000万円に0.6ポイント分を掛けると、1か月分の利息増加は概算15,000円。

同じ残高で比較した計算で、毎月の引落額の増加額ではありません。

通帳では変化が小さくても、借金の減る速度は変わる。

減らなかった元金は消えません。

5年後の見直しで返済額が増えるか、最終回にまとめて現れます。

同行の資料にも、期間短縮型の繰上返済をしても返済期間が変わらない場合があること、金利情勢によっては最終返済期日に未返済残高が残る可能性があることが明記されています。

この違いを押さえたいですね。

また、125%ルールは今回の金利上昇で必ず返済額が1.25倍になる、という意味でもありません。

次の返済額は残高、残り期間、適用金利などから計算されます。

契約によっては将来に負担が残る場合もあるため、返済予定明細では「返済額」「利息」「元金」の内訳を一緒に確認したいところです。

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借りる前・返済中に確認したい家計と契約

今回の利上げを知って、すぐ借り換えたくなった方もいると思います。

でも、金利が低い銀行へ移れば必ず得になる、という話ではありません。

借り換えは、費用と残り期間まで計算する

借り換え先では、事務手数料や登記費用などがかかります。

例えば、SBI新生銀行が案内する事務手数料は借入金額の2.2%です。

3,000万円なら手数料だけで66万円となり、別途費用も発生します。

金利差が小さい、残り期間が短い、近く売却予定がある。

こうした場合は、利息の削減額で費用を回収しにくくなります。

比較するなら、残り期間と保障条件をそろえた総額で考えたいですね。

また、借り換えには審査があり、団信への加入条件も確認が必要です。

「困ったらいつでも借り換えられる」という前提で借入額を増やすのは避けたいところ。

繰上返済についても、利息を減らす効果と、手元資金が減る影響をセットで考えます。

教育費や急な支出のためのお金まで返済に回すと、別の場面で家計が苦しくなるかもしれません。

購入予定なら、金利より先に予算を点検

これから借りる方は、現在の金利に加え、0.6ポイント、1ポイント高い場合も試算してみてください。

これは上昇予測でも上限でもなく、家計の余力を確認するための仮定です。

上がった場合に毎月の貯蓄がなくなるなら、物件価格や借入額、返済期間を再検討する余地があります。

全期間固定金利も、将来の支払額を確定させる選択肢の一つです。

固定型にも、将来金利が下がったときに支払額が自動で下がらない面があります。

どちらが必ず得かを当てるより、ご家庭が受け入れられる変化の大きさで判断したいですね。

今日やることは一つです。契約書か検討中の商品説明書を開き、「基準金利の決定方法」の一文を確認してください。

まずはその一文だけで十分。

返済中なら契約時の書類や最新の通知、検討中なら現在の商品説明書が対象です。

数字の小ささは魅力です。

それでも、家を買った後の暮らしを支えるのは、仕組みを理解して無理なく返し続けられる計画。

私自身が金利の決まり方を調べて立ち止まった経験が、これから契約する方や見直す方の役に立てばと思っています。

よくある質問

auじぶん銀行で返済中なら、10月から返済額が増えますか?

今回の対象となる既存契約への新金利適用は、2026年12月の返済日の翌日からです。

元利均等返済は5年ルールがあるため、月額が直ちに増えるとは限りません。

元金均等返済は2027年1月返済分から反映されます。個別の予定明細も確認してください。

短期プライムレート連動の住宅ローンなら、利上げを避けられますか?

避けられるわけではありません。短期プライムレート自体が変わるため、連動型も金利は上昇します。

確認するのは、参照する銀行の短プラ、見直しの時期、自分の契約への反映方法です。

連動していることと、将来の返済負担が小さいことは別に考えましょう

短期プライムレート連動の銀行に借り換えるべきですか?

一概には言えません。借り換えには借入額の2.2%程度の事務手数料や登記費用がかかり、3,000万円なら70万円前後の初期費用が発生します。

連動先の違いだけでなく、残期間・残高・団信の内容を含めた総支払額で比較し、必要なら有料相談も検討してください。

まとめ

契約中の方も、これから借りる方も、やることは1つです。

商品詳細説明書の「基準金利」の項目を開いて、短期プライムレートという単語があるかどうかを確認する。

あれば、日銀の動きを見ていれば将来をある程度読めます。

なければ、あなたの金利は銀行の収益判断とセットで動きます。

どちらが正しいという話ではなく、どちらのリスクを引き受けたのかを知っているかどうかの話です。

住宅ローン比較サイトなんかをつかうって見直しも検討してみるのも一つの手でしょう。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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この記事を書いた人

豊かに生きていく上で必須なのがお金の知識です。
しかし、日本では「お金」が汚いものという認識が根強く、あまり勉強されてきませんでした。そのため今後は老後破産が増えてしまうなんて話もありますね。
そんな世の中を少しでも変えたいという強い信念を元に「お金に生きる」を立ち上げました。
投資歴15年以上、社会保険労務士、中小企業診断士、簿記1級、1級販売士、ファイナンシャルプランナー2級、年金アドバイザー3級持ちの私が「お金」についてどこよりもわかりやすくお伝えることを目指していきます。
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