6月25日、金融庁の金融審議会総会「暗号資産を巡る制度のあり方に関する検討について」が開催されました。
その中で 「暗号資産ワーキンググループ(仮称)」 設置を決定。目的は「税制・販売規制・取引所監督の包括見直し」。
米国では承認されているビットコインなどの暗号資産のETFが解禁される可能性が高くなってきました。
今回はこの審議会の話を中心に暗号資産ETFの可能性について見ていきましょう。
金融審議会での検討内容
まずは今回の金融審議会総会「暗号資産を巡る制度のあり方に関する検討について」での内容について簡単にまとめてみましょう。
簡単に言えば現状の暗号資産の取引状況や相談の受付状況から見直しが必要だよね。という内容です。
具体的には以下のような内容が
論点 | 主な検討事項 |
---|---|
投資家保護 | 取引所監視・カストディの信託保全義務化 |
税制 | 雑所得→分離課税20%、損失繰越3年 |
暗号資産ETF | 信託法上の位置付け、上場審査基準 |
AML/CFT | FATF勧告対応、トラベルルール強化 |
インサイダー | 様々な規制対応の選択肢 |
含まれています。
なお、詳細は金融庁資料「暗号資産を巡る制度のあり方に関する検討について」参照。
>>第55回金融審議会総会・第43回金融分科会合同会合 議事次第
暗号資産の取り扱いはどう変わる?
それでは今後、暗号資産はどう取り扱いが変わってくるのでしょう?
今回の資料を見るとなんとなくその方向が見えてきます。
法的ステータスの明確化
まず、金融商品取引法の対象にしたいというのが今回の一番やりたいことに見えます。
現在の暗号資産には様々な問題があります。
特に詐欺的な行為が多いんですよ。
詐欺的な暗号資産を発行する会社、それを儲かるとマルチ的に売りつける業者など・・・
昔、下記の記事を書いたら暗号資産(当時は仮想通貨)のマルチ商法の業者から嫌がらせが相次いだんですよ。
痛いところを突かれたのかもしれません。

ですが、今も同じようなことが起こっています。
今回の資料でも月300件くらい相談があるとか・・・
それらを規制するためにちゃんと金融商品としての立ち位置にした方が良いという部分が大きいのでしょうね。
また、資金調達として利用される暗号資産については「発行者に対し正確な情報開示・提供を義務付けること」なども検討されそうです。
これも現状はかなり詐欺的なのが多いですからね。
政治家も絡んでるケースがあるなどどうしようもないレベル・・・

課税方式の改正?
現在の暗号資産は雑所得という扱いです。
総合課税となりますので、利益の金額によっては最大55%の税率となりかなり重たいです。
さらに損失繰越不可というのも他の投資商品と比べると厳しいものがあります。
暗号資産を金融商品取引法の対象にするなら他の金融商品と同様の課税方式にするという案も出てきそうです。
ただし、今回の「暗号資産を巡る制度のあり方に関する検討について」の資料には具体的にはでていません。
区分 | 現行 | 改正されるとすると・・・ |
---|---|---|
税率 | 総合課税 5〜45%+住民税10% | 分離課税20% |
損失繰越 | 不可 | 3年間繰越可 |
申告 | 自己申告 | 源泉徴収+申告不要も選択できる? |
暗号資産ETF解禁?
また、米国では発売されている暗号資産のETFも暗号資産を金融商品取引法の対象にするなら解禁される可能性がありそうです。
ただし、ようやくワーキンググループが設置された形ですから解禁されるのは早くて2027年くらいかと予想されます。
おそらくこんな感じでしょう。
- 2025年6月:WG設置、論点整理開始
- 2025年12月:税制改正大綱にETF関連記載を目指す
- 2026年通常国会:金商法改正案提出
- 2027年:ETF上場第一号
特に暗号資産に力を入れているSBI証券系が先手を切りそうな予感。
投資家はどう備える?
今回の話に投資家はどう備えればよいのでしょう?
ポジション整理
まずは改正内容を踏まえ、利益確定・損出しを計画する必要があります。
まだ全然決まっていませんが、詳細が発表されたら早めに動くのがよいでしょう。
もし、税制の改正やETFが解禁されると、税制差などで高騰しているビットコイン財務業とも言われているメタプラネットなどの会社の株価にも大きな影響がありそうです。

ETF準備
暗号資産の現物を買う場合との比較になりそうですが、ETF側にメリットがあれば人気となりそうです。
例えば暗号資産の税制はそのままで、ETFは他の金融商品と同様の税率になったようなケースだとかなり買われそうです。
分散投資
金融商品取引法の対象となれば暗号資産も分散投資先として考えても良いかもしれません。
まとめ:制度改正で広がるチャンスとリスク
今回は「暗号資産ETF解禁?金融庁で暗号資産のワーキンググループ設置」と題して暗号資産の動向についてみてきました。
まとめると
- WG設置で 税制・ETF解禁が現実味 を帯びる。
- 投資家保護は強化される半面、不適切業者の退場&税務申告の厳格化 が進む。
新制度が整った先にこそ「稲妻が輝く瞬間」。
情報戦に強い個人だけが恩恵を最大化できます。動向をチェックしておきましょう。

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