ツイッターや投資ブログなどを見ていると勘違いしてしまいがちですが、個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)で米国株や先進国株の投資信託を買っているのは実は少数派だって知ってました?
今回は先日発表された2020年3月時点の確定拠出年金の統計資料を元にどれだけの人がどのような商品を買っているのかを見ていきましょう。
なお、過去のiDeCo関連の統計資料を読み解いた記事はこちらにあります。合わせて御覧ください。
大きな傾向はそれほど変わっていませんね・・・
>>2018年3月時点のiDeCo統計データまとめ
>>2017年3月時点のiDeCo統計データまとめ
>>人口千人あたりのiDeCo加入者は意外なあの県が圧倒的1位
なお、個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)ってなに?方は以下の記事をご覧ください。
この記事をみれば「iDeCo(個人型確定拠出年金)制度」から「つみたてNISAとの違い」、「おすすめ金融機関」、「おすすめ商品」、「いくら積み立てればよいのか」などを網羅的に確認することができますよ。
iDeCoは53.9%が元本保証型で運用されている
出所:運用管理期間連絡協議会 「確定拠出年金統計資料(2020年3月末基準)」より
金額ベースでみると35.8%が預貯金、保険が18.0%と約53.9%が元本保証型となっています。
バランス型13.0%、国内株式11.4%、外国株式11.4%、国内債券3.8%、外国債券3.5%と続きます。
ツイッターや投資ブログなどを見ているとみんな米国株や先進国株など外国株式の話が多いですが、実際に選択されているのは11.4%だけなんですよ。
つまり、iDeCoで米国株や先進国株の投資信託を買うのは少数派なんです。
私も分散はしていますが、米国株や先進国株が中心ですから少数派ですね。
iDeCoは手数料もありますし長期投資となりますので、下記の記事のように定期預金などの元本保証型はおすすめできないですよ。
2022年度から高校の家庭科範囲に投資信託などの「資産形成」が加えられるいうことですからその人達が成人になる頃にはこの数字もだいぶ改善していることを期待したいところです。
2019年との比較
ちなみに2019年と比較すればこの傾向は少し改善しているんですよ。
出所:運用管理期間連絡協議会 「確定拠出年金統計資料(2020年3月末基準)」より
2019年は36%が預貯金、保険が19.9%、国内株式12.3%、バランス型12.1%、外国株式10.3%、国内債券3.6%、外国債券3.2%となっています。
元本保証型が55.9%でしたから2020年は2%ほど元本保証型の選択割合が減った計算となります。
また、外国株を選択している人も1%程度増えていますね。
よい傾向かもしれません。
若者はバランス型が多い
また、年代別で見るとさらにびっくりする結果がでてきます。
若者ほど元本保証型やバランス型を選択する方が多いという結果がでているのです。
出所:運用管理期間連絡協議会 「確定拠出年金統計資料(2020年3月末基準)」より
それほど加入者が多くないですが、10代の方は56.3%が預貯金、2.2%が保険と合計58.5%が元本保証型を選択しています。
バランス型21.3%と全年代で最も多くなっていますね。
外国株式なんて7.8%しかないんですよ。
20代は預貯金割合が30.5%、保険が6.7%、バランス型も10代の次に多い17.4%です。
リスクが最も取れる10代、20代の方が元本保証型が多くなっていたり、バランス型が多いのはなにを選んでよいのかわからない・・・ってケースが多いのかもしれませんね。
期待値を考えれば10代、20代はリスクをとって全部株でもよいくらいだと私は思いますけどね。
60歳以上の方はリスクを取る必要はあまりないでしょうから元本保証型が多いのはわかりますけどね。
ただし、高齢者がリスクをとっていないとは言い切れないデータもあります。
高齢になればなるほどアクティブ型を選択
出所:運用管理期間連絡協議会 「確定拠出年金統計資料(2020年3月末基準)」より
次は投資信託を選択されている方のバッシブ・アクティブ比率です。
これは結構衝撃なんですよ・・・・
国内株式では54.1%がバッシブ、45.9%がアクティブと拮抗しているのです。
ツイッターや投資ブログなどを見ているとバッシブを選んで当然的な話になっていますが、アクティブ型を選択している人が意外と多いのです。
金融機関によっては取り扱いしている商品がアクティブばかりなんて悪質なところもありますのでそのあたりが影響しているのでしょうか・・
あとは金融機関からすればアクティブ型を選んでもらったほうが儲かりますからね。。。
また、高齢になればなるほどアクティブ型が増えているという傾向も見えます。
60歳以上のバランス型なんて58.5%アクティブという状況です・・・
金融機関に勧められるがまま加入しているのかもしれません。
パッシブとアクティブの件については下記の記事にまとめてありますので合わせてご覧ください。
iDeCo加入者数は順調に増加中
なお、iDeCoの加入者は順調に増加しています。
出所:運用管理期間連絡協議会 「確定拠出年金統計資料(2020年3月末基準)」より
2017年に会社員の方も加入できるようになってから急激に伸びているのがわかりますね。
最新のデータ(2020年10月)時点では175.6万人まで加入者が増えていますね。
月に3万人〜4万人くらい増えている状況です。
非常にお得な制度ですから当然といえば当然ですし、まだまだ認知度が低いのか加入割合は少ないかなって思いますが。
iDeCo加入者は30代、40代、50代がほとんど
出所:運用管理期間連絡協議会 「確定拠出年金統計資料(2020年3月末基準)」より
年代別でみると30代が21.6%、40代が39.2%、50代が33.4%とこのあたりで多くを占めています。
20代の方はまだ余裕がないのか5.7%とかなり少数派となっていますね。
まとめ
今回は「iDeCoで米国株や先進国株の投資信託を買うのは少数派な件。2020年最新版【確定拠出年金】統計資料を読み解く」と題してiDeCoの統計資料を見てきました。
加入者は順調に増えていますし、それに伴い資産もどんどん増えてきています。
しかし、半数以上が元本保証型を選択してしまっているなどちょっと歪な状況になってしまっていますね。
米国株や先進国株の投資信託を買うのは少数派というちょっと意外な結果でしたね。
もちろんイデコでどの商品を選択するのが正解なのかは何十年後にしかわかりませんが・・・
なお、私がおすすめするiDeCoの商品選択の方法はこちらの記事を御覧ください。
なお、今回の元になった統計資料はこちらから見ることができます。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
「シェア」、「いいね」、「フォロー」してくれるとうれしいです