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iDeCoの35本制限は本当に必要?“選べない損”を減らす現実的な見直し案

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iDeCoの35本制限は本当に必要?“選べない損”を減らす現実的な見直し案

「iDeCoで選べる投資信託が少なすぎる」「なぜ35本という上限があるの?」

iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用している方、あるいはこれから始めようとしている方の中には、このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

実は、iDeCoの運用商品数には「35本以内」という法律上の上限が設けられています。

この制限は2018年5月に施行された確定拠出年金法の改正によって導入されたもので、すでに多くの金融機関が対応を完了しています。

では、なぜこのような制限が設けられたのでしょうか。

そして、この制限は本当に必要なのでしょうか。

今回はiDeCoの35本制限の背景や目的、そしてこの制限が投資家にとってプラスに働く面とマイナスに働く面の両方について詳しく解説していきます。

目次

iDeCoの35本制限は必要なのか:私の結論

結論から言うと、私は「iDeCo(個人型)は35本制限を外す方向が望ましい」と考えています。

一方で「企業型(企業型DC)は35本制限を維持するのが妥当」です。

同じ確定拠出年金でも、iDeCoは任意加入で、掛金も基本的に本人が拠出し、金融機関も自分で選びます。

つまり“自己責任で始める制度”です。

実際、制度の位置づけも「加入者自身が拠出するiDeCo」と整理されています。

一方で企業型は、勤務先の制度設計や商品提示の枠組みの影響が大きく、本人が「選ばされる」局面が生じやすい。

ここは制度設計に“守り”が必要です。

この差を無視して「どちらも35本で一律に縛る」のは、制度目的(長期の資産形成)から見て、やや乱暴だと思うのです。

この制限があるおかげで楽天証券、SBI証券のiDeCo利用者は運用商品の除外という手間のかかることを強いられています。

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iDeCoの35本制限とは何か?制度の基本を理解する

次にiDeCoの35本制限について基本的な内容を確認していきましょう。

確定拠出年金法の改正で導入された運用商品数の上限

iDeCoの35本制限とは、金融機関が加入者に提示できる運用商品の数を「35本以内」に制限するルールです。

この制限は、2016年5月に成立した「確定拠出年金法等の一部を改正する法律」に基づいており、2018年5月1日から施行されました。

厚生労働省の専門委員会において2017年2月から5月にかけて議論が行われ、具体的な本数として「35本」が決定されました。

なお、この35本にはすべての運用商品が含まれます。元本確保型の定期預金や保険商品、そして投資信託などをすべて合算して35本以内に収める必要があります。

ただし、ターゲットイヤーファンド(ターゲットデートファンド)については、1シリーズをまとめて1本とカウントする特例が設けられています。

施行当時、すでに35本を超える商品をラインナップしていた金融機関には、施行日から5年間の経過措置が認められました。

つまり、2023年4月末までに35本以内に削減することが求められたのです。

企業型DCとiDeCoの両方に適用される制限

この35本という上限は、企業型確定拠出年金(企業型DC)だけでなく、個人型確定拠出年金(iDeCo)にも同様に適用されます。

専門委員会の議論では、「iDeCoは個人が自由に運営管理機関(金融機関)を選べるので、企業型と同様の制限を設ける必要はない」という意見も出されました。

しかし、最終的には投資初心者への配慮という観点から、iDeCoにも同じ基準を適用することが決まりました。

なぜiDeCoに35本制限が導入されたのか?その背景と理由

続いて、35本という上限がなぜ設けられたのか、その背景と理由について詳しく見ていきましょう。

投資未経験者を「選択のパラドックス」から守る配慮

35本制限が導入された最大の理由は、「選択肢が多すぎると、かえって選べなくなる」という「選択のパラドックス(ジャムの法則)」という行動経済学の知見に基づいています。

人間は、選択肢があまりに多すぎると、比較検討の負担(認知コスト)が許容量を超え、結果として「選択を放棄する」か、あるいは「最も無難で、かつ非合理な選択(例えば元本確保型のみ)」をしてしまう傾向があります。

実際に企業型DCにおいては、運用商品を一切指定しないまま放置する「不指図者」が少なからず存在することが問題視されていました。

投資に不慣れな人ほど、選択肢が増えるほど判断が止まりやすい。

結果として、未指定のまま放置したり、無難そうな元本確保型に偏ったりしがちです。

心理学でも「選択肢過多効果」や「決定麻痺」と呼ばれる現象があります。

そこで厚生労働省および関係省庁は、投資経験の浅い層がiDeCoに参入するにあたり、多すぎる選択肢が資産形成の阻害要因になると判断しました。

厚生労働省の調査が示した「36本以上で不指図者が急増」というデータ

専門委員会での議論が始まった当初は、欧米の確定拠出年金制度の事例を踏まえ、「10本程度」を軸に議論が進むとの見方もありました。

しかし、金融機関など関係団体からのヒアリングでは「20本~30本+α」という声が大きく、現実的な対応を求める意見が多数を占めました。

決め手となったのは、厚生労働省が示した「運用商品提供数と不指図者の関係について(企業型年金)」という調査資料です。

この調査によると、運用商品数が36本以上になると不指図者の割合が急速に高まるという実態が明らかになりました。

この調査結果を受けて、「35本」という数値が具体的に意識されるようになり、最終的に35本を上限とすることで合意に至ったのです。

それでも私は、iDeCoは「35本制限不要」だと思う理由

私はiDeCoの35本制限は不要だと考えます。

ポイントは「誰が、どの程度“選ばされているか”」です。

iDeCoは任意加入で、掛金も本人拠出が基本です。

つまり加入の時点で「自分の意思で、責任を取ってやる」と腹落ちしている人が多い。

もちろん投資経験が浅い人もいますが、少なくとも企業型よりは“入口”の段階で自己選別が働きます。

この前提に立つと、iDeCoの35本制限は、守りよりも“機会損失”が目立ってきます。具体的には次の問題です。

iDeCoは金融機関を選べるのに、商品は一律に縛られる矛盾

iDeCoは「金融機関と商品を選ぶ」設計です。

ところが、商品数の上限が制度側で固定されると、金融機関は新しい低コスト商品を追加したくても、必ず何かを外さなければならない宿命を負います。

商品を除外するには、その商品を保有している加入者の3分の2以上の同意を得る必要があります。

この手続きには相当な時間と労力がかかります。

結果として、金融機関は商品の入れ替えに消極的になる可能性があります。

本来であれば加入者にとってより有利な新商品を導入したいところですが、除外手続きの煩雑さを考えると躊躇してしまうケースもあるでしょう。

これが、加入者にとっても金融機関にとっても“不利益”になります。

「除外」が加入者のストレスと実務コストを生む

実際に、法改正後の上限(35本)に合わせるため、SBI証券では運用商品67本を35本以下にする“除外”が行われ、除外日以降は新規買付停止、配分変更が必要(変更しないと未指定扱い)といった対応が案内されています。

商品が除外された場合、すでにその商品を保有している加入者は継続して保有し続けることは可能です。

強制的に売却されることはありません。

しかし、除外後は新規の買い付け(積立)ができなくなります。

そのため、加入者は除外対象商品から別の商品への「スイッチング(預け替え)」を検討する必要が生じます。

長期投資を前提としているiDeCoにおいて、本人の意思とは関係なく商品の見直しを迫られることは、一定のストレスになり得ます。

特に投資に詳しくない方にとっては、「今まで積み立てていた商品がなくなる」という事態に戸惑うこともあるでしょう。

この不確実性は、投資初心者ほど嫌います。

プロスペクト理論的に言えば、「損するかもしれない不安」が積み立て継続の心理的コストを上げているのです。

iDeCoでは「守るべき対象」が企業型とは違う

企業型では、加入者が制度に“付随”して入ってくるケースが多い

だから、一定の保護設計(わかりやすいラインアップ、情報提供、教育)が必要です。

しかしiDeCoは、基本的に自分で加入し、自分で金融機関を選べる。

ここで制度が強く縛ると、「選べるはずの自由」が削られ、制度の魅力(自分に合わせて設計できる)を毀損しやすい。

私は、iDeCoは“自由度の高さ”が価値の制度だと思っています。

だから、上限で一律に削るよりも、別の方法で「選べない問題」を減らすのが筋だと考えます。

先発の金融機関が不利になる

iDeCoに早くから参入し、多くの商品をラインナップしていた金融機関にとっては、35本制限は厳しい対応を迫られることになります。

SBI証券は2017年当時、67本もの商品をラインナップしていた先駆者的存在でした。

しかし、法改正により約半数の商品を除外しなければならなくなり、「オリジナルプラン」から低コスト商品を厳選した「セレクトプラン」への移行を促すことになりました。

一方、後発で参入した金融機関は最初から35本以内で商品を設計できるため、除外手続きの負担がありません。

長年iDeCoに取り組んできた金融機関が、かえって不利な立場に置かれるという側面も否めません。

企業型DCは、35本制限が必要だと思う理由

一方で企業型DCは、35本制限を維持する合理性が高いです。

理由はシンプルで、加入者が「制度の枠内で選ばされる」比率が高いからです。

企業型DCのラインアップは法令上「3本以上35本以下」の範囲で選定が必要で、事業主と運営管理機関の責任が重い、と整理されています。

さらに、選択肢が多すぎると選択が困難になる現象があり得ること、逆に選択肢の“見せ方”で選びやすさを高める(軽い誘導=ナッジ)発想が有効であることも論じられています。

企業型は、加入者の金融知識がバラバラで、しかも会社都合で制度に入っている人も多い。

ここで商品数の上限を外すと、「選べない人が放置される」問題が深刻化しやすい。

放置は最悪で、未指定や偏りにつながり、老後資産形成の目的に反します。

つまり企業型は、上限規制とあわせて「教育」「情報提供」「デフォルト設計」の三点セットで“事故を減らす”のが妥当です。

ではiDeCoはどうする? 私の提案:上限撤廃+“選びやすさ”の設計へ

「iDeCoは上限撤廃」と言うと、「初心者が混乱するのでは?」という反論が出ます。

これは正しい懸念です。

なので私は、上限という“乱暴なブレーキ”ではなく、次のような“選びやすさの設計”で解決すべきだと考えます。

提案1:初期表示は“厳選コア”、詳細は“拡張”の二層構造

ネット通販と同じで、商品が何万点あっても買い物できるのは、ランキングやレビュー、類似商品などの仕掛けがあるからです。

企業型DCの議論でも、選択を助けるナッジの考え方が示されています。

iDeCoも同様に、初心者向けには「まずこれだけ見ればよい」コアを提示し、慣れた人は詳細検索で広い選択肢にアクセスできる形が合理的です。上限撤廃と“見せ方”は両立します。

著:リチャード・セイラー, 著:キャス・サンスティーン, 翻訳:遠藤 真美

提案2:教育・情報提供を強化し、上限ではなく理解で守る

「選べないから商品数を減らす」という発想に対しては、「選び方を教える方が本質的ではないか」という批判があります。

確定拠出年金法では、事業主(企業型DC)や国民年金基金連合会(iDeCo)に対して、加入者への継続投資教育を行う努力義務が課されています。

「商品を減らして守る」より、「理解を増やして守る」ほうが、iDeCoの思想(自己責任で資産形成)に整合しますね。

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提案3:“除外”の心理負担を減らす仕組みを制度として整える

現状は、上限があるからこそ、金融機関は新商品追加のたびに除外を迫られます。

除外は、同意集めや期限対応が必要になり、加入者の負担が重い(3分の2要件など)ことも明確です。

iDeCoで上限を外せば、少なくとも「追加のための除外」という制度由来のストレスは大きく減らせます。

ここは、初心者保護の観点でもプラスです。

いま制度が変わらない前提で:iDeCo利用者が「35本制限」で損しないために

最後に、現行ルールのもとでの実務的な対策です。制度改正は時間がかかるので、ここは現実に寄せます。

iDeCoの金融機関選びは「本数」ではなく「中身」と「継続性」

商品数が多い=良い、ではない、という指摘は以前からあります。

むしろ、低コストのインデックスが軸として揃っているか、資産配分を組みやすいか、そして除外が起きたときの案内が丁寧か。ここが長期では効いてきます。

除外の通知が来たら「売らされる」わけではないが、放置は危険

SBI証券の案内では、除外後も保有は継続できる一方で、新規買付停止や配分変更が求められ、対応しないと未指定になる旨が書かれています。

つまり「強制売却」ではないが、「積立の流れが止まる」リスクがある。

これは地味に損です。

通知が来たら、まず配分(掛金の行き先)を確認するのが先です。

まとめ:iDeCoは自由を、企業型は保護を。35本制限は“一律”が問題

35本制限は、投資に不慣れな人が選べなくなる問題への対応として理解できます。

ただし、iDeCoは任意加入で自己責任の制度です。

ここまで縛るより、見せ方・教育・情報提供で“選べる環境”を整えたうえで、上限は外すほうが制度の価値を高めます。

除外に伴うストレスや手間も、制度由来の機会損失として無視できません。

一方で企業型は、加入者が“選ばされる”側面が強く、事業主・運営管理機関の責任も重い。

だから35本制限は維持しつつ、ナッジや教育を組み合わせて事故を減らすのが妥当ですしょうね。

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの3社から選ぼう

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。

しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。

簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。

私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券の3択の中から決めます。

(※私が加入しているのはSBI証券です)

この3つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。

また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。

順番に見ていきましょう。

SBI証券

まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。

SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式といった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。

選択の楽しさがありますよね。

また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。

SBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」

マネックス証券

次点はマネックス証券 iDeCoです。

こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。

iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。

マネックス証券 iDeCo

松井証券

松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。

その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。

こちらも有力候補の一つですね。

さらに2024年8月1日(木)より投資信託の保有でポイントが貯まるようになり、現在の条件なら本命といっても良いでしょう。

松井証券のiDeCo

総合して考えるとこの3つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。

他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

豊かに生きていく上で必須なのがお金の知識です。
しかし、日本では「お金」が汚いものという認識が根強く、あまり勉強されてきませんでした。そのため今後は老後破産が増えてしまうなんて話もありますね。
そんな世の中を少しでも変えたいという強い信念を元に「お金に生きる」を立ち上げました。
投資歴15年以上、社会保険労務士、中小企業診断士、簿記1級、1級販売士、ファイナンシャルプランナー2級、年金アドバイザー3級持ちの私が「お金」についてどこよりもわかりやすくお伝えることを目指していきます。
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