久しぶりに運営管理機関連絡協議会の確定拠出年金の統計データが更新されました。
前回発表されたときは預金や保険を選択する人が圧倒的に多く投資信託が35%しかいないというかなり衝撃的なデータでしたね。詳しくは下記記事を御覧ください。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の統計データがでました。個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の加入者がどんどん増加中ですがたくさんある投資先、どれに投資をしたらよいのかわからない方も多いかもしれません。そ[…]
今回はそのあたりはどうなっているのかを含めて今回発表された統計データを見ていきます。
なお、最新の統計はこちらをごらんください。
2018年3月現在の確定拠出年金統計データ
それでは今回発表された統計データを見ていきましょう。今回のデータの対象は2002年3月末~2018年3月末となっています。
・損保ジャパン日本興亜DC証券株式会社
・日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社
・日本レコード・キーピング・ネットワーク株式会社
なお、今回のデータは上記の4社の管理されているデータを基に作成されています。最も個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)加入者の多いSBI証券の記録関連運営管理機関を行っているSBIベネフィット・システムズ株式会社、楽天証券やマネックス証券の記録関連運営管理機関の日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社(JIS&T)も入っていますのでかなり実際に近いデータになっていると思われます。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者数
まずは加入者数です。 2018年3月末の時点で加入者が867,725人となっています。こちらのサイトでも定期的に個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者数をお伝えしていますが最新データだと10月現在で106万人でした。2017年から個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の会社員への開放があったこともあり、個人型確定拠出年金制度を利用している方の数はどんどん増えていますね。
出所:国民年金基金連合会 「確定拠出年金統計資料(2018年3月末基準)」より
確定拠出年金加入者の男女別
次に確定拠出年金加入者の男女別の数字です。女性の社会進出割合が増えているからなのか女性の割合が徐々に増えていますね。2018年3月末で35.8%が女性の加入者となっています。
出所:国民年金基金連合会 確定拠出年金統計資料(2018年3月末基準)より
確定拠出年金加入者の年代別
年代別を見ると働き盛りの40〜49歳が最も多くなっています。次に30〜39歳、50歳〜59歳と続きます。20代の若者の加入が5%とあまり多くないのがちょっと気になるところです。
出所:国民年金基金連合会 確定拠出年金統計資料(2018年3月末基準)より
マッチング拠出導入状況
次にマッチング拠出導入状況です。マッチング拠出とはマッチング拠出とはその企業型確定拠出年金の会社が払ってくれる掛金に自分で上乗せできる仕組みのことです。意外にな選択している方が多いのですね。850,578人の方が利用されています。マッチング拠出が導入されている会社の従業員の実に3割が利用していることになります。
出所:国民年金基金連合会 確定拠出年金統計資料(2018年3月末基準)より
マッチング拠出について詳しくはこちらの記事を御覧ください。
先日のブログでご紹介した選択制確定拠出年金と似た制度にマッチング拠出という制度があります。企業型確定拠出年金のもう一つのパターン【マッチング拠出】今回はこのマッチング拠出について考えてみたいと思います。企業型確定拠出年金とは[…]
確定拠出年金の資産額・掛金額
次に資産額と欠け金額を見てみましょう。
資産額
まずは資産額です。全体で見ると162,2543,151万円ということでかなり影響力のあるところまで資産が増えてきていますね。ちなみに企業型を入れると11.7兆円もあります。
一人あたりでも115万円とこちらは大きく減りました。これはおそらく会社員の方が新たにはじめられたので平均が押し下げられたのでしょう。
出所:国民年金基金連合会 確定拠出年金統計資料(2018年3月末基準)より
掛け金額
次に掛け金額です。掛け金額も年々増えています。こちらも無視できないくらい大きくなってきましたね。1人あたりは17万円(年間)となっています。こちらはそれほど大きな変化はありません。
出所:国民年金基金連合会 確定拠出年金統計資料(2018年3月末基準)より
マッチング拠出の掛け金額
こちらはマッチング拠出の掛け金額です。一人あたり0.7万円(単月)となっています。
出所:国民年金基金連合会 確定拠出年金統計資料(2018年3月末基準)より
確定拠出年金の運用商品選択状況
次に注目の運用商品選択状況です。預貯金が37.3%、保険22.8%、投資信託39.5%となっています。まだまだ預貯金や保険の割合が多いですね。。。全体の6割が元本保証型を選択されているって計算です。ただし、これ前回のデータと比較するとかなり改善しているのです。
出所:国民年金基金連合会 確定拠出年金統計資料(2018年3月末基準)より
2017年末時点との比較
下記は2017年末のデータです。預貯金38.6%、保険26%、投資信託35%でした。意識が高い個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)加入者が増えたこともあるのか1年で投資信託の資産が4.5%増加しています。
出所:国民年金基金連合会 確定拠出年金統計資料(平成29年11月版)より
投資信託の内訳の推移
投資信託の割合がかなり増えたことによりその内訳もかなり変化しています。2017年3月時点では国内株式型10.9%、国内債券型3.3%、外国株式型6.8%、外国債券型3.0%、バランス型9.4%でした。
それが2018年末では国内株式型12.8%、国内債券型3.2%、外国株式型8.2%、外国債券型3.1%、バランス型10.7%と変化しています。一番増えているのが国内株式型です。1.9%の増となっています。外国株式型も増えてはいますがまだまだ少ないですね。このあたりは投資教育の問題な気もしないでもありません・・・
年代別の運用商品の選択状況
それでは年代別で見てみるとどうでしょうか?こちらは昨年とあまり傾向に変わりはありません。
下記が年代別の商品選択割合です。
出所:国民年金基金連合会 確定拠出年金統計資料(2018年3月末基準)より
興味深いのが10代、20代の預貯金、保険の割合です。10代で預貯金39.0%、保険9.1%。20代でも預貯金割合が41.8%、保険が12.6%とかなり高い割合となっています。リスクが最も取れる10代、20代が全体平均よりも高い元本保証の選択割合とはちょっと衝撃です。おそらくなにに投資をしていいのかわからずに元本保証を選んでいるのだと思われますが・・・期待値を考えれば20代はリスクをとって全部株でもよいくらいだと思います。
しかし、実際はこういった結果となっています。これは投資教育がされていないのが大きいのでしょうね。
投資信託の割合のは30〜39歳の層と40〜49歳のそうです。このあたりになると投資に対する知識や金銭面の余裕もついてきてるのかもしれませんね。それでもまだまだ元本保証の割合が多すぎですけど・・・
男女別の運用商品の選択状況
次に男女別の違いです。これも昨年の統計データとほぼ同様の結果となっています。
出所:国民年金基金連合会 確定拠出年金統計資料(2018年3月末基準)より
男女別でみると面白いのが保険への投資が男性は21.8%なのに対して女性が26.5%と大きくなっています。これは昨年もほぼ同じ結果となっています。
女性の方が保険が好きなのでしょうかね?その影響もあり投資信託への割り振りが女性の方が少ないですね。
パッシブ・アクティブの選択状況
次にパッシブとアクティブの選択状況です。
出所:国民年金基金連合会 確定拠出年金統計資料(2018年3月末基準)より
これも結構面白い結果がでています。パッシブとアクティブの割合が全体をみても拮抗しているのです。国内株式ではバッシブが50.2%なのに対して49.8%がアクティブです。
面白いのが高齢者の方がアクティブ割合が高いという・・・例えばバランス型なんかだとアクティブを選択している方が63.0%とかなり大きくなっています。
一発逆転を狙っているのでしょうか・・・
これも投資教育のせいかもしれませんね。
かなり深刻な感もあります。この傾向昨年もまったくおなじだったんですよ。
パッシブとアクティブの件については下記の記事にまとめてありますので合わせてご覧ください。
前回の記事で書きましたが個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)での運用では国内株式型でパッシブ運用が53.1%、アクティブ運用が46.9%、バランス型ではパッシブ運用が40.7%、アクティブ運用が59.3%とかなりの方がアクティブファンド[…]
まとめ
今回は「個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)で投資信託を選択する割合が増。それでも元本保証が6割。最新の統計データが発表されました。」と題してイデコの統計データをみてきました。
この統計データで特に注目すべきは元本保証を選択している方が6割超えであることですね。昨年よりは少し投資信託への割り振りが増えてはいますが・・
また、投資信託を選んでいる方の中でも国内株式が多いこと、インデックスではなく、アクティブを選択している方がかなり多いことも注目です。さらに高齢者になればなるほどアクティブの割合が増えているという傾向も・・・
このあたりは投資教育の問題が大きいと思われます。
もちろんなにを選択するのが正解なのかは何十年後にしかわかりませんがちょっと意外な結果でしたね。
元の資料はこちらから見ることができます。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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