お金に生きるでは何度か確定拠出年金の統計資料(運営管理機関連絡協議会作成)についてご紹介しています。
それとは別に今度は国民年金基金連合会がiDeCoの統計資料を発表しましたのでそれを読み解いて見たいと思います。
運営管理機関連絡協議会作成の統計資料とは違った切り口の統計となっていておもしろいです。ですから今回は特に運営管理機関連絡協議会作成の統計資料と被っていない部分をピックアップしてご紹介していきます。
なお、運営管理機関連絡協議会作成の統計を読み解いた際の記事はこちらです。合わせて御覧ください。
下記の統計で特に注目したいのは他の人がどのような商品を選択しているかですね。結構衝撃なんですよ・・・・
なお、iDeCo(個人型確定拠出年金)ってなに?方は以下の記事をご覧ください。
この記事をみれば「iDeCo(個人型確定拠出年金)制度」から「つみたてNISAとの違い」、「おすすめ金融機関」、「おすすめ商品」、「いくら積み立てればよいのか」などを網羅的に確認することができますよ。
年齢層別の掛金額の割合
まずは年齢層別の掛け金額の割合です。
他の人がどれくらいiDeCoにお金を回しているのかわかります。
第1号加入者(自営業者・フリーランスなど)
元々iDeCo(個人型確定拠出年金)は自営業者やフリーランス向けの制度ですから、月の上限は68,000円(付加年金加入者は67,000円)と高くなっています。
出所:国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の概況」より(平成31年3月末データ)
ちょっと読みにくい資料となっていますので簡単にポイントをピックアップしておきます。
20歳〜29歳の方で最も多いのが5,000円〜9,000円の掛金の方で46.5%です。
30歳〜39歳でも5,000円〜9,000円がもっとも多く30.5%
40歳〜49歳になると余裕が出てくるのか10,000円〜19,000円が25.6%と最も多くなります。
50歳〜59歳も同様に10,000円〜19,000円が25.3%と最も多くなっています。
また、60,000円〜68,000円の上限近くかけている方は徐々に増えていき50歳〜59歳だと23.5%もいますね。
1号加入者は上限近くまで掛けている人と少額の方の二極化していることがわかります。また、当然ながら年齢層が上がればそれだけ掛金額が増えている傾向もみえますね。
同じく自営業者やフリーランスの方用の年金制度である国民年金基金(iDeCoと併用可能)と合計して月68,000円が上限となっていますのでそちらとの関係もあるのでしょう。
第2号加入者(会社員、公務員など)
次は会社員や公務員などが該当する第2号加入者です。iDeCo(個人型確定拠出年金)は2017年から会社員や公務員に解禁されました。
2号加入者は会社の企業年金加入状況等により掛金上限が変わります。多い方で月23,000円まで掛けることが可能な制度です。
出所:国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の概況」より(平成31年3月末データ)
こちらも同様な状況ですね。
20歳〜29歳の方で最も多いのが5,000円〜9,000円の掛金の方で77.3%とかなり多くの方が該当しています。
30歳〜39歳だと10,000円〜19,000円がもっとも多く43.7%
40歳〜49歳も同様に10,000円〜19,000円が48.0%と最も多くなります。
50歳〜59歳も同様に10,000円〜19,000円が42.8%と最も多くなっています。
上限の20,000円〜23,000円に該当する方は1号加入者の時と同様に年齢が上がるにつれて増えていき50歳〜59歳だと42.4%となっています。始めから20,000円〜23,000円に加入できない人も割合に含まれていますのでかなりの方が上限まで掛けているということですね。
第3号加入者(専業主婦など)
次は専業主婦、専業主夫が該当する第3号被保険者の方です。
こちらも2017年から加入が解禁され、上限は23,000円となっています。
出所:国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の概況」より(平成31年3月末データ)
こちらも傾向としては第2号加入者と同じですが少し掛金は少なくなっています。
20歳〜29歳の方で最も多いのが5,000円〜9,000円の掛金の方で71.2%とかなり多くの方が該当しています。
30歳〜39歳も最も多いのが5,000円〜9,000円の掛金の方で44.9%
40歳〜49歳は20,000〜23,000円の方が最も多くなり53.8%となっています。
50歳〜59歳も20,000〜23,000円の方が最も多く67.2%となっています。
上限の20,000円〜23,000円に該当する方は1号加入者や2号加入者の時と同様に年齢が上がるにつれて増えていっていますね。
2号加入者と違い、全員23,000円が上限なのもあり割合は2号加入者よりも高くなっています。40歳〜は半数が上限という結果です。
専業主婦や専業主婦の場合には所得税がそもそも掛かっておらず所得控除は受けられません。
そのため、iDeCoを利用している人はNISAやつみたてNISAと同様な非課税投資として利用している方が多いと思われます。ですから上限まで掛けている人が多いのかもしれませんね。
地域別加入者の割合
次は地域別加入者割合です。
意外なあの県が人口千人当たりの加入者で圧倒的にトップとなっています。
人口千人当たりの加入者および運用指図者数
出所:国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の概況」より(平成31年3月末データ)
人口千人あたりの加入者数トップは意外??香川県です。
1000人のうち42人が加入しています。(それでも少ないですが・・・)
香川県の金融機関が頑張ったんでしょうかね?だいぶ2位以下と差があります。
2位はだいぶ離されて長野県と石川県で1000人のうち33人。
最も少ないのは長崎県で1000人のうち10人とダントツで少なくなっています。
東京都も全国平均よりかなり高くなっており1000人のうち30人となっています。
全国平均は1000人当たり22人となっています。
こうやってみると都道府県でかなりの差がでていますね。
県民性の違いなのか、その地区の金融機関の取り組みの差なんでしょうかね?
都道府県別加入者数
純粋な加入者数の都道府県別で見るとほぼ人口順です。
10位の長野県は人口では全国16位ですが、iDeCo加入者は10位にランクインしています。
それ以外の順位はすべて人口順となっています。
運営機関別の状況
次に注目するのは運営機関別の状況です。
業態別運営機関の加入者数
まずは業態別運営機関の加入者数です。
出所:国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の概況」より(平成31年3月末データ)
予想どうり証券会社が最も加入者が多くなっています。
ちょっと意外なところで損害保険で加入している人がかなり多くなっています。
個人的には損害保険会社のiDeCoはまったく魅力を感じないところがほとんどですが、営業を頑張っているということなのでしょうかね・・・
運営機関プラン別手数料
出所:国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の概況」より(平成31年3月末データ)
次は手数料です。iDeCoは金融機関によって手数料が異なるんですよ。(各社共通の手数料もあり)
上記の図をみると大半の運営機関で4000円〜6000円の年間手数料が掛かっていますね。
3000円未満の運営機関の方が少数という・・・
手数料は運用成績に関係なく掛かってくるものですから極力少ないに越したことはありません。
ちなみにSBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行、大和証券、au、auカブコム証券、三井住友銀行(SMBC個人型プラン)の9社が運営管理機関手数料を無料としています。
その他、みずほ銀行、野村證券、第一生命保険、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントなどが条件を満たせば無料としています。
逆に言えばそれ以外は運営管理機関手数料が発生しているんですよね。
あまり調べずに加入してしまっている方が多いのでしょうかね・・・
iDeCoの手数料については下記記事も合わせて御覧ください。
まとめ
今回は「人口千人あたりのiDeCo加入者は意外なあの県が圧倒的1位。2019年最新版【個人型確定拠出年金】統計資料を読み解く」と題して国民年金基金連合会の発表したiDeCoの統計資料を見てきました。
地域によって加入者割合がかなり違うのが面白いですね。
また、意外だったのが損害保険会社でiDeCoに加入している人が多いことです。
iDeCoは手数料が少なく、商品が充実しているところで加入するのが鉄則なのですが、あまり調べてないのでしょうかね・・・オススメは下記6社ですよ。
なお、今回の元になった統計資料はこちらから見ることができます。
>>国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の概況」
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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