確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の利回り平均はどれくらいなのか、どれくらい儲かるのかを調べてみた。2021年7月版

確定拠出年金(iDeCo/イデコ)は所得税と住民税の節税効果がある制度ですから税金面ばかりが注目されがちです。

しかし、運用もぜひ着目したいところ。

そこで今回は個人型確定拠出年金(iDeCo)の利回りが実際どれくらいなのかを統計データなどから調べてみました。

なお、こちらの記事のデータは2021年7月時点を元としています。

確定拠出年金(iDeCo)は自分で運用する投資信託などの商品を選択できます。

ですからどの投資信託を選択したかによって運用成績はぜんぜん変わってくるのです。

まずは統計データから平均してどれくらい儲かっているのか(利回り)を見ていきましょう。

確定拠出年金実態調査結果

まずは、企業年金連合会が2019年2月に発表した確定拠出年金実態調査の結果からみていきましょう。

ただし、こちらは企業年金連合会の発表ですから企業型確定拠出年金のデータになります。

ちなみに企業型確定拠出年金は個人型確定拠出年金と比較すると投資信託の信託報酬などが高いものが多く不利です。つまり、個人型ならもう少し成績が良い可能性が高いかな?と予想します。

2017年度の運用利回り平均

2017年度の運用利回りは下記の通りになります。平均すると3.1%の利回りとなります。2017年は相場がそれなりによかったこともありますが、マイナスの方はほとんどいませんね。
確定拠出年金利回り2017
出典:企業年金連合会「確定拠出年金実態調査の結果」より

資産配分

ちなみに資産配分はこんな感じです。元本確保型が53.9%、投資信託等が46.1%となっています。半分が元本保証を選んでいるこの状況で利回り3.1%はなかなか良い感じですね。
資産配分
出典:企業年金連合会「確定拠出年金実態調査の結果」より

選択した投資信託

投資信託を選択した人の選定状況は以下のとおりです。他の統計でもでていますが意外とアクティブを選択する方の比率が高いことがわかります。

この統計は企業型ですから投資信託の選択肢も少ないからかバランス型が多くを占めていますね。
確定拠出年金で選択した投資信託
出典:企業年金連合会「確定拠出年金実態調査の結果」より

個人型確定拠出年金(iDeCo)の商品選択の割合

ちなみに個人型確定拠出年金の2018年3月末での商品選択はこんな感じですになっていますね。

元本保証を選択する人は預貯金と保険を合わせると60.1%ですから個人型のほうが多いという結果となっています。

投資信託の中の割合はバランス型を選択する方が少し個人型のほうが少なめですね。

これは個人型の方が商品の幅が広いということも影響しているのでしょう。

通算の運用利回り平均

2017年だけをみてもそれほど意味はありませんので通算の利回りをみていきましょう。

こちらだと通算運用利回りの平均は年率で2.8%となっています。

マイナスの方は2.6%しかいませんね。ほとんどの方がプラスとなっている結果となっています。

企業型は個人型確定拠出年金と比較しても不利でこの結果です。個人型確定拠出年金ならもう少し上の成績となるでしょう。
確定拠出年金通算利回り
出典:企業年金連合会「確定拠出年金実態調査の結果」より

GPIFの利回り(成績)

次にはGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)の利回りを見てみましょう。

GPIFとは厚生労働大臣から寄託を受け、年金積立金の管理・運用を行う機関です。つまり、国民年金や厚生年金を運用してくれている団体ってことですね。

昨年末のように大きくマイナスとなると報道されますが、利益が出たときはほとんど報道されませんので資産を溶かしてしまっていると思っている方が本当に多いですが、実は堅実に利益を上げています。

2001年度〜2020度の利回りは年率3.61%収益額は95.3兆円とかなり良い成績なのです。

GPIF2021年7月時点

出典:GPIF WEBページ「管理・運用状況」より

GPIFの基本ポートフォリオ

GPIFの基本ポートフォリオは下記の通り設定されています。つまり、確定拠出年金でもこれと同じアセットアロケーション/ポートフォリオにすれば同じくらいの成績は確保できるってことですね。

ちなみにSBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)には「iFree 年金バランス」という年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本ポートフォリオを意識した投資信託も出ていたりします。これ買っておけばGPIFと同じような成績が目指せるはずです。

GPIFのアセットアロケーション1
GPIFのアセットアロケーション

出所:年金積立管理運用独立行政法人 2020年度業務概況書より

GPIFはかなりわかりやすいアセットアロケーション(資産配分)をしています。

  • 国内債券25%+-7%
  • 国内株式25%+-8%
  • 外国債券25%+-6%
  • 外国株式25%+-7%

国内債券、国内株式、外国債券、外国株式をそれぞれ25%ずつを基本としています。
GPIFについてもう少し詳しく知りたい方は下記の記事も御覧ください。

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国民年金基金の利回り(成績)

個人型確定拠出年金(iDeCo)と同じ枠の国民年金基金の利回りはどうでしょうか?

国民年金基金が第二回社会保障審議会企業年金・個人年金部会」で提出した資料よると平成15年〜29年度までの利回りは年率5.92%とかなり好成績となっています。つまり、国民年金基金と同様のポートフォリオを組めば確定拠出年金でもこのくらいの成績が残せるというわけです。

ちなみに今、国民年金基金に加入すると1.5%の利回りとなります。
国民年金基金利回り
出典:厚生労働省「第二回社会保障審議会企業年金・個人年金部会」資料より

国民年金基金の基本ポートフォリオ

国民年金基金の現在のポートフォリオは以下のとおりです。

グローバル債券52%
グローバル株式48%

これだけだと分かりづらいですが具体的な割合は以下のとおりですね。GPIFとくらべると海外の比率が高くなっていますね。国内株式と国内債券合わせて37%、64%が海外資産となります。

世界株式32%、国内株式16%、外国債権12%、外国債券(円ヘッジ)19%、国内債権21%

この比率を確定拠出年金で再現することは容易ですからこの比率にすれば国民年金基金の運用くらいの利率が目指せます。

各カテゴリー別の平均利回り

それでは代表的な各カテゴリー別に見るとどれくらいの利回りが目指せるのでしょうか?

今回はmy INDEX様のデータから代表的な指標で20年リターンで比較してみましょう。(2021年6月まで)

今後同じ利回りとなるのかはわかりませんが参考にはなるでしょう。

今回みた主要カテゴリーは20年スパンでみるとすべてプラスとなっています。

TOPIXの平均利回り

まずは東証一部に上場している全銘柄の合計時価総額を対象とした株式指数であるTOPIXです。

こちらの20年間の平均利回りは年率3.9%でした。

日経平均株価の平均利回り

次に東京証券取引所第一部に上場する2130銘柄(12月26日現在)のうち255社を日本経済新聞社が独自の基準でピックアップしてそれを元に15秒ごとに平均を出した株式指標の日経平均です。

こちらの20年間の平均利回りは年率4.1%でした。

ダウ平均の平均利回り

次はアメリカを代表する30社の平均であるダウ平均です。

こちらの20年間の平均利回りは年率8.3%でした。

S&P500の平均利回り

次はアメリカを代表する500社の平均であるS&P500です。

こちらの20年間の平均利回りは年率8.2%でした。

直近10年では年率15%とかなり高い数字となっていますね。

先進国株の平均利回り

次に日本以外の先進国を対象としたMSCI コクサイ(KOKUSAI)インデックスです。

こちらのの20年間の平均利回りは年率8.2%でした。

新興国株の平均利回り

次に新興国を対象としたMSCI エマージング・マーケット・インデックスです。

こちらのの20年間の平均利回りは年率10.4%でした。

リスクは高めですが他よりも高いリターンを記録しています。

国内債券の平均利回り

次に国内債券の平均利回りです。

こちらのの20年間の平均利回りは年率1.5%でした。

ただし、直近はかなり低い利回りです。

5年でみると-0.3%なんですよ。

先進国債券の平均利回り

次に先進国債券の平均利回りです。

こちらのの20年間の平均利回りは年率4.9%でした。

私の実績

私も当然、確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を利用しています。

2017年から2020年12月までの実績は以下の通りです。

参考までに合わせて御覧ください。

まとめ

今回は「確定拠出年金(iDeCo)の利回り平均はどれくらいなのか、どれくらい儲かるのかを調べてみた」と題して確定拠出年金の利回りについて考えてみました。

確定拠出年金(iDeCo)は選択した商品によって利回りが大きく変わってきますが、見ていただいたように多くの方がプラスとなっているのが分かると思います。

また、どのカテゴリーみても長い目でみればプラスなんですよね。つまり期待値はプラスと考えてよいでしょう。

確定拠出年金(iDeCo)にももちろんデメリットもありますが、基本的にはメリットの方が大きいです。今回ご紹介したのは運用としての利回りですが、他に節税効果もありますしね。

それらを加味するとかなり大きなメリットとなります。ぜひ加入を検討してみてくださいね。

なお、そもそも個人型確定拠出年金(iDeCo)ってなに?って方はこちらの記事から御覧ください。

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イデコ完全ガイド

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう

個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。

しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。

簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。

私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。

(※私が加入しているのはSBI証券です)

この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。

また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。

順番に見ていきましょう。

SBI証券

まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。

SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。

選択の楽しさがありますよね。

また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。

SBI証券iDeCo
5

SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。

マネックス証券

次点はマネックス証券 iDeCoです。

こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。

iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。

マネックス証券iDeCo
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マネックス証券 iDeCo

マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。

松井証券

松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。

その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。

こちらも有力候補の一つですね。

松井証券iDeCo
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松井証券【iDeCo 口座開設申込】

2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。

大和証券

大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。

他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。

また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。

大和証券iDeCo
4.5

大和証券 iDeCo

運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。

楽天証券

楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。

この2つのファンドは人気ですね。

楽天証券iDeCo
4.5

楽天証券 401K用プログラム

楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。

総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。

他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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