新型コロナウィルスが経済に大きなダメージを与えています。
各社の業績発表は厳しいところが多いですし、本年の見通しも厳しくなっています。
倒産件数も増えていますね。
しかし、面白いことに株価は3月下旬を底に上がっているんですね。
これは日本だけの話ではなく世界的な現象です。
巷では「コロナバブル」とまで言われ始めています。少し前にはリーマンショック級の「コロナショック」とまで言われていたのに・・・
それではなぜ新型コロナウィルスの影響で実体経済は大きなダメージを受けているのに株価は上がるのでしょう?
今回は実体経済と株価の乖離減少について見ていきます。
コロナショックからコロナバブル?:株価の推移
それではまず、コロナショックでどのくらい株価が下がってコロナバブルでどれくらい株価が上がったのかをみていきます。
コロナショックでの株価の下げ
まずはコロナショックでの下げです。
NYダウ
米国を代表するNYダウが最高値をつけたのは2020年2月12日です。(史上最高値)
そこから底になるのは3月23日です。
1ヶ月ちょっとで10,599.49も下げているのです。
36%近く下げているのです。
米国を代表する企業の指標であるNYダウでコレですから個別銘柄を見ればもっとももっと下げているところが多いです。
恐ろしい限りですね。
下記記事を書いた日がちょうどピンポイントで底になったのが面白いところ。
日経平均
日経平均も似たような推移です。
日経平均は直近の高値となったのは1/20でした。
そこから底になるのは終値ベースだと3月19日です。
こちらも2ヶ月ちょっとで7,530.68円も下げています。
こちらも31%近くの下げとなっています。
コロナバブルでの反発
続いてコロナバブルでの反発を見ていきましょう。まだ続いていますので2020年6月3日現在の話となります。
NYダウ
まずはNYダウです。
2/12の高値は更新できていませんが、2ヶ月ちょっとで6,790,762も上げています。
38%近くの上昇ですね。
日経平均
次は日経平均です。
こちらも1/20の高値を更新するところまではいけていませんが、6060.93円の上げとなっています。
こちらも36%近くの上昇です。
つまり、アメリカ株も日本株もこの間の波にうまく乗れた方は大きな利益を得ることができていたということです。
私は底付近で打診買いを始めた程度でした。
予想以上の急反発でスルスルと上がってしまいましたのであまり大きくは突っ込めませんでしたね・・・
それでも打診買いした銘柄はかなり大きな利益となっています。
一番良い銘柄は6/3時点で85%のプラスです。
実体経済が伴わないのになぜ株価は上昇?
多くの方が疑問に思っているのが実体経済がまだ回復していないのになぜ株価は上昇しているのかということでしょう。
株はいろいろな要素が絡み合いますので一概には言えません。
考えられるのは以下の点です。
株価は先行指標である
まず、言えるのが株価は実体経済の現状を表すものではありません。
半年から数年後の期待部分を織り込んでいるのです。
ですから実体経済と乖離が発生しても不思議ではないんですね。
ただし、実体経済の新型コロナウィルスによるダメージは想像以上ですからこれだけでは説明はつかないですね。
各国のコロナ対策の経済政策の影響
私が考える最も大きな部分がこれです。
各国の新型コロナウィルス対策の影響です。
多くの国が金融緩和や財政支出を行いました。
それによる影響が大きいのです。
簡単に言えばアベノミスクを各国が始めたみたいなものです。
アベノミスクでかなり株価が上がったのは記憶に新しいと思います。
それと同じようなことが世界規模で実行されたのです。
例えば米国では新型コロナウィルスを発端としてゼロ金利政策、米国債などを制限なく購入する量的緩和政策などを実行しています。
つまり、金融緩和が行われると資金が大量に供給されることになりますから、株にも多くの資金が流れ込むってことです。
そうなれば必然的に株価は上がりやすくなるのです。
過去のバブルが発生したときも同様に金融緩和が起こっているんですよ。
今回は世界的にみて金融緩和の規模が尋常じゃありませんしね・・・
個人投資家の大量参入
また、今まで株をやりたいと思っていたのに高い水準で株価が推移していたので参入できなかった人が大勢見えました。
その方たちの多くは大暴落こないかな???って待っていたのです。
リーマン・ショック時に株を買った人が大儲けしたという話が広まっているのも大きいでしょうね。
そこに新型コロナウィルスでの株価暴落で多くの新規個人投資家が生まれているのです。
実際にネット証券などでは口座開設する人が大幅に増えているという報道もありますね。
一人ひとりの金額はしれているかもしれませんが、数が多いですから影響は計り知れないのです。
過去のITバブルなんかは個人投資家の影響がとても大きかったんですよ。(ITバブル崩壊で大損した人もたくさんいましたが)
コロナバブルで初心者が気をつけること
今回急激に株価が反発していますので前述したように新規参入している個人投資家も増えています。
その方たちにぜひ知っておいていただきたいことがあります。
バブルはいつか弾ける
まずいちばん大事なことです。
実体経済と株価は直接の連動はしていませんが、当然関係があるものです。
実体経済との乖離はどこかのタイミングである程度の水準まで納まります。
過去に何度もありましたよね。
実体経済が回復して株価に追いつくのか、株価が落ちて実体経済に追いつくのかはわかりませんけどね。
そのことはしっかり意識しておく必要があります。
投資先の財務状況には注意が必要
今回の新型コロナウィルスは予想以上に企業の業績を蝕んでいます。
倒産する企業も少なからず出てきてしまいます。
すでに衣料品大手のレナウンなどが民事再生の手続に入りましたが、今後もどんどん出てくるでしょう。
ですから投資する企業の財務状況には目を光らせておく必要があるのです。
過去の経済危機の際には粉飾決算をする企業も多かったですからそのあたりも考慮にいれておきたいところ。
2番底が来る可能性も
株価は回復傾向ですが、回復が急激なのでなにかのきっかけでそれが大きく崩れる可能性を秘めているということです。
過去の暴落時も2番底といって底だと思ったら実はもう一段階底があるというケースが多くなっています。
今回の新型コロナウィルスの暴落もそうなる可能性がまだあると個人的には考えていますね。
過去の経験上、個人投資家がいなくなり、出来高も少なく総悲観が漂い出したころが底なんですよ。
今回はかなり早い反発ですからちょっとそのあたりが心配ですね。
セルインメイのアノマリーもありますしね。
株式指標はあてにならない
PERやPBRといった株式指標にもお気をつけください。
初心者向けの株式の本を読むと必ず書いてあるのがPERやPBRで割安、割高を判断できるみたいなことです。
これもうまく使えば当然意味のある話なのですが、今回のような大きな経済変動があるとあまり役に立たないんですよ。
実はPERやPBR的に底だろうと思ってもその数字は前期(PBR)だったり、会社予想(PER)に過ぎないのです。
前述したように今回の新型コロナウィルスで多くの企業の業績や財務状況は予想以上に悪化しています。
ですから現在出ている株式指標は参考程度に捉えましょう。
チャートも・・・
また、同じくチャートも同様です。
昔と違い、チャートを逆手にとるAIがいたりなどしてることもありますが、なによりこのような大きな変動がある相場ではチャートを無視した極端な動きとなりがちです。
ですからチャートも参考程度に捉えるとよいでしょう。
とはいっても中長期の予想にはチャートは意味がまだまだありますので勉強するのもおすすめですね。
個人的には以下の羽黒法なんかが好きですね。
今回の暴落からの大反発は羽黒法でかなりサイン出ていたんですよ。
まとめ
今回は「実体経済と株価はなぜ乖離するのか?」と題して新型コロナウィルスでの暴落から株価反発したことについてみてきました。
まとめると今回乖離が起こっている理由は以下のとおりです。
・各国の金融緩和や財政出動が大きい
・個人投資家が大量参入している
今回の新型コロナウィルスで多くの企業の財務状況は予想以上に悪化していますので慎重に・・・
個人的にはこのような相場では株を少しずつ買っていくのがおすすめですね。
特に下記2社の証券会社は1株単位で株を買えますのでそういうニーズにはぴったりですね。
まずはこの辺りから始めるとよいでしょう。
CHECK! SBIネオモバイル証券
CHECK! LINE証券
また、投資信託、つみたてNISA、100株単位以上で株を買うなど本格的に始めたい方は手数料が安く、注文方法、取扱商品なんかが多彩なSBI証券がおすすめです、
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