彼氏や彼女の金融リテラシー(お金についての知識・判断力)が低くても結婚してよいのか?

先日、知人から相談がありました。

要約すると

彼氏の趣味が競馬やパチンコで無駄使いが多く、収入もそれほどよくない。もちろん投資なんてやったこともない人。お金の面がかなり心配だけど結婚してよいのか?

というご相談でした。

つまり、金融リテラシーが低い人やお金の価値観が違う人と結婚してよいのか?ってことですね。

金融リテラシーとは金融や経済などお金に関する知識や判断力のことを言います。

日本では離婚が珍しくなくなってきています。30%〜40%のカップルが離婚するというデータもあります。

つまり3組に1組は離婚するのです。離婚原因はいろいろありますが、お金が原因ということも少なくありません

お金がすべてではありませんが、お金が解決してくれることも多くあります。

実際に離婚原因の上位には女性側からの離婚原因として「生活費を渡さない」や「浪費する」などが入っていますし、男性側からにも「浪費する」が入っています。

また、喧嘩の原因もお金に絡むことが多いといいます。

つまり、お金の価値観が同じでないとなかなかうまく行かないということもいえるかもしれません。

そんな状況ですから彼女が結婚に対して心配するのも無理はないでしょうね。

今回はそんな話を踏まえて金融リテラシーが低い人やお金の価値観が違う人との結婚について考えてみたいと思います。

日本人はそもそも金融リテラシーが低い人が多い

そもそも論ですが、日本は欧米各国と比べて金融リテラシーがかなり不足していると言われています。

これは教育に問題がありますから日本全体の問題ともいえます。

そんな状況ですから日本人で金融リテラシーが高い人と出会うことの方がある意味難しいかもしれませんね。

私は20代前半から株式投資をやっており、金融リテラシーは高いほうだと思いますが、趣味が株式投資なんて話をすると「あいつ大丈夫か?」「破産しそう」とか変な噂が立てられてしまうレベルで日本人の金融リテラシーは深刻だと感じています。

日本人の金融リテラシーの低さを示す詳しい数字などは下記記事をご覧ください。

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それでは金融リテラシーが低いと結婚生活にどんな悪影響があるのでしょうか?

金融リテラシーが低い人と結婚することで起きる可能性があること

それでは金融リテラシーが低い人と結婚するとどのようなデメリットがあるのでしょうか。金融リテラシーが低い事で起こってしまういくつかの点を見てい見ましょう。

よく○○%保証するというような金融商品を買ってしまった詐欺事件などが報道されます。この類の詐欺事件も金融リテラシーさえ高ければ引っかかることはない類のものです。

また、余分な保険に保険会社の言うがままに加入してしまうなんてこともよく聞く話だったりします。

他にもクレジットカードのリボ払いで購入してしてしまったり、高い利息が掛かる消費者金融でお金を借りてしまったりするのも金融リテラシーに問題があることが多いです。

つまり、金融リテラシーが低い人と結婚することでこのようなお金の問題に直面する可能性が出てくるということになります。

彼氏・彼女の金融リテラシーを知るには

金融リテラシーは頭の良し悪し、学歴の良し悪しでは判断できないところがあります。

金融分野の教育がほぼ皆無の日本ではその分野に興味をもって勉強していないと身につかないからです。

それでは相手の金融リテラシーを知るにはどうすればよいのでしょうか?

例えば下記のお金のセンスを測るサイトを使うってのも一つです。あくまで目安ですがそれだけでもある程度わかる点があります。

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こういうサービスを使わないなら基本的には相手の金融リテラシーは会話の中で知るしかでしょう。

下記の最低限身に付けるべき金融リテラシーを参考に質問してみてください。

また、後述しますが、結婚するなら金融リテラシー以外にもお金の価値観も大事ですね。

最低限身に付けるべき金融リテラシー

それではどのような金融リテラシーを身に付けておくべきなのでしょうか?

ここでは金融庁の金融経済教育研究会が示す「最低限身に付けるべき金融リテラシー」で確認してみましょう。

分野項目
分野1:家計管理適切な収支管理(赤字解消・黒字確保)の習慣化
分野2:生活設計ライフプランの明確化及びライフプランを踏まえた資金の確保の必要性の理解
分野3:金融分野共通

【金融取引の基本としての素養】契約にかかる基本的な姿勢の習慣化

情報の入手先や契約の相手方である業者が信頼できる者であるかどうかの確認の習慣化

インターネット取引は利便性が高い一方、対面取引の場合とは異なる注意点があることの理解

【金融分野共通】
金融経済教育において基礎となる重要な事項(金利(単利、複利)、インフレ、デフレ、為替、リスク・リターン等)や金融経済情勢に応じた金融商品の利用選択についての理解

取引の実質的なコスト(価格)について把握することの重要性の理解

【保険商品】
自分にとって保険でカバーすべき事象(死亡・疾病・火災等)が何かの理解
カバーすべき事象発現時の経済的保障の必要額の理解

【ローン・クレジット】
住宅ローンを組む際の留意点の理解

①無理のない借入限度額の設定、返済計画を立てることの重要性

②返済を困難とする諸事情の発生への備えの重要性

無計画・無謀なカードローン等やクレジットカードの利用を行わないことの習慣化

【資産形成商品】
人によってリスク許容度は異なるが、仮により高いリターンを得ようとする場合には、より高いリスクを伴うことの理解

資産形成における分散(運用資産の分散・投資時期の分散)の効果の理解

資産形成における長期運用の効果の理解

分野4:外部の知見の適切な活用金融商品を利用するにあたり、外部の知見を適切に活用する必要性の理解

出所:金融庁 金融経済教育研究会「最低限身につけるべき金融リテラシー(4分野15項目)について

現代社会では金融との関わりを持つことは避けられません。つまり、生きるためのスキル「生活スキル」として金融リテラシーを身に付ける必要があるのです。




年齢別に必要な金融リテラシー

また、年齢別に最低限身につけるべき金融リテラシーについても体系化されています。

合わせてご紹介しましょう

結婚に関係ありそうな世代の分だけ抜粋してご紹介しましょう結構高いレベルの金融リテラシーまで必要であることがわかると思います。

なお、こちらは2016年1月の金融経済教育推進会議の金融リテラシー・マップからの抜粋となります。他の年代等はこちらからどうぞ。

>>金融リテラシーマップ

若年社会人

まずは若手社会人です。生活面・経済面で自立する時期ですね。

家計管理

家計の担い手として適切に収支管理をしつ つ、趣味や自己の能力向上のための支出を計画的に行える

生活設計

選択した職業との両立を図る形でライフプラ ンの実現に取り組んでいる

ライフプランの実現のためにお金がどの程度必要かを考え、計画的に貯蓄、資産運用を行える

金融取引の基本としての素養

収集した情報を比較検討し、適切な消費行動をすることができる

金融商品を含む様々な販売・勧誘行為に適用される法令や制度を理解し、慎重な契約締結など、適切な対応を行うことができる

詐欺など悪質な者に狙われないよう慎重な契約を心掛ける

金融分野共通

金融商品の3つの特性(流動性・安全性・収益性)とリスク管理の方法、および長期的な視点から貯蓄・運用することの大切さを理解する

お金の価値と時間との関係について理解する(複利、割引現在価値など)

景気の動向、金利の動き、インフレ・デフレ、為替の動きが、金融商品の価格、実質価値、金利(利 回り)等に及ぼす影響について理解している

保険商品

自分自身が備えるべきリスクの種類や内容を理解し、それに応じた対応(リスク削減、保険加入等)を行うことができる

自動車事故を起こした場合、自賠責保険では賄えないことがあることを理解している

備えるべきリスクと必要な金額をカバーするために適切な保険商品を検討、選択し、家族構 成や収入等の変化に応じた見直しを行うことができる

ローン・クレジット

住宅ニーズを考慮したライフプランを描いている

現在とリタイア後の住宅ニーズを考慮したライフプランを着実に実行しつつある

住宅ローンの基本的な特徴を理解し、必要に応じ具体的知識を習得し返済能力に応じた借入れを組むことができる

ローンやクレジットは資金を費消してしまいやすいことに留意するクレジットカードの分割払いやリボルビング払いには手数料(金利)負担が生じる点に留意する

ローンやクレジットの返済を適切に履行しない場合には、信用情報機関に記録が残り、他の金融機関等からも借入等が難しくなることを理解する

資産形成商品

自らの生活設計の中で、どのように資産形成をしていくかを考えている

リスクとリターンの関係を踏まえ求めるリ ターンと許容できるリ スクを把握している分散投資・長期投資のメリットを理解し、活用している

外部の知見の適切な活用

金融商品を利用する際に相談等ができる適切な機関等を把握する必要があることを認識している

金融商品を利用するに当たり、外部の知見を適切に活用する必要があることを理解している

金融商品の利用の是非を自ら判断するうえで必要となる情報の内容や、相談しアドバイスを求められる適切で中立的な機関・専門家等を把握し、的確に行動できる

一般社会人

最後は一般社会人です。社会人として自立し、 本格的な責任を担う時期ですね。なお金融分野共通、保険、ローン・クレジット・外部の知見の適切な活用は若手社会人と同様です。

家計管理

家計を主として支え る立場から家計簿などで収入支出や資産負債を把握管理し、必要に応じ収支の改善、 資産負債のバランス改善を行える

生活設計

環境変化等を踏まえ、 必要に応じライフプランや資金計画、保有 資産の見直しを検討しつつ、自分の老後を展望したライフプランの実現に向け着実に取り組んでいる 学校と連携しつつ、家庭内で子の金融教育に取り組む

金融取引の基本としての素養

資産管理面で高齢者が必要とする基本的な知識を習得し、必要に応じて専門家に相談することができる。

資産形成商品

分散投資を行っていても、定期的に投資対象(投資する国や商品)の見直しが必要であることを理解している




サイフの紐を握ってしまおう

結婚相手の金融リテラシーが低い場合の対策として一番簡単なのがサイフの紐を完全に掌握してしまうことです。

お金は金融リテラシーが金融リテラシーが高いほうが管理するべきだと思います。

まずは二人の給料(収入)及び支出、貯蓄、借入れ等の把握から始めます。

最近は家計簿も簡単につけられるアプリやサービスなんかも出ていますのでそれらを二人で管理するというのもいいでしょうね。

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そしてその結果を見ながら今後の働き方を含めたお金のライフプランを描きましょう。

その後は上記のアプリなどを使って支出を見える化したり、お小遣い制にしてしまうのも一つですね。

そして定期的にお金について夫婦で話し合うことが大事です。老後のことなども一緒に考えてもいいでしょうね。

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金融リテラシーを高めるには

それでは金融リテラシーを高めるためにはどうすればよいのでしょうか?これは勉強するしかありません。ファイナンシャルプランナーなどの資格の勉強なんかもその一つですね。

ただし、興味がないことを勉強してもなかなかしんどいですし、身につかないでしょう。そういう方におすすめは株式投資です。無くなっても良い範囲の自分のお小遣いまずはやってみることです。

株式投資をするには様々な経済環境などの影響もありますから、ニュースなど様々な情報に触れる必要があります。また、それらニュースに興味をもつこともできます。それに触れることで自然と金融リテラシーが身につくでしょう。

お金の価値観の違いは致命的なケースも

今回は金融リテラシーについて重点的にお話してきました。

しかし、結婚をする上でもう一つ重要なのがお金の価値観です。

結婚後にギャップを感じてしまうことの2位になっているのがお金の価値観であるってデータもでていましたね。

それだけ重要なのです。

例えばよくあるのがブランドに対する考え方ですね。ブランドで着飾りたいどちらかというと浪費家の人と、ブランドに一切興味がない倹約家の方。

このあたりは相容れないケースが多かったりします。また、外食と自炊の考え方なんかもそうですね。

このあたりは金融リテラシーの有無ではなく考え方の違いです。育ってきた環境なんかで決まりますのでどちらが正解というわけではないのです。

ただし、そもそもお金がないのにブランドで着飾るようなケースは金融リテラシー的にも問題大アリだと思いますが・・・。

実際、男性でも女性でも多いんですけどね。

金融リテラシーが低いだけの相手の場合はこちらがサイフの紐を握って管理したり、二人で金融リテラシーを高める努力をすれば解消できる場合がほとんどです。

しかし、お金の価値観が違うとお互いに不幸になるケースが多くあります。

ラチェット効果といって一度上げてしまった生活水準はなかなか下げることはかなり難しいからです。

もし、そのような人と結婚を考えているなら相手のそのような価値観の改善が可能なのか。

それとも自分が妥協できるのかを検討してみましょう。

浪費家の方などがお金を貯めるための改善ポイントはこちらの記事を御覧ください。

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まとめ

今回は「彼氏や彼女の金融リテラシー(お金についての知識・判断力)が低くても結婚してよいのか?」と題して金融リテラシーの低い方と結婚してよいのかについて見てきました。

金融リテラシーは努力次第で上げることは可能ですし、サイフの紐をこちらが握るなどすれば対処が可能です。

それらを踏まえて検討してみてください。

ただし、お金の価値観が違うと苦労しますのでそのあたりについてお互いに歩み寄れるのかどうかを検討する必要はありますね。

まだ付き合いたてなど相手のお金事情が分からない場合は下記記事を参考にどうぞ。

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また、結婚前に保有していたつみたNISAの扱いなどはこちらの記事を御覧ください。

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