年金は一人あたりいくらもらえているのか?
年金は掛けた年数やその時の所得(厚生年金の場合)でもらえる金額が変わってきます。
それでは平均するといくらくらいもらえているのでしょう?
国民年金受給者の平均年金月額は55,809円
出典:厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業の概況」より
それでは実際に国民年金として受給できている年金額を見ていきましょう。
国民年金受給者の老齢年金の平均年金月額は、平成 30年度末現在で55,809円(25年以上)となっています。
ちなみに国民年金の支給上限額は779,300円(月額64,941円)ですから平均と比較すると9,000円近く差があります。これは免除などを受けていたり、未納期間がある場合に減らされますのでその影響となります。
免除は他にもデメリットがありますので申請する前に知っておきましょう。
なお、国民年金の未納の取締りがきびしくなり納付する人が増えているのか少しずつ平均年金月額は増えていますね。
ただし、国民年金の方は受給金額を考えるとこれだけで生活するのはかなり厳しいことがわかります。
あらかじめ老後に備えて貯蓄をしておくかiDeCoやつみたてNISA、小規模企業共済など自分で老後資金をある程度用意しておく必要がありますね。
繰り上げが多く、繰り下げは少ない
出典:厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業の概況」より
65歳よりも早く年金をもらい始める繰り上げ制度を利用している方は12.9%
年金の受給を遅らせてもらえる金額を増やす繰り下げを選択される方は1.3%となっています。
ちなみに繰り上げをした方の年金月額平均は43,479円ですから12,000円近く少なくなります。繰り下げすると年金月額76,274円となり、21,000円ほど多くなっています。結構差がありますね。
あとどのくらい生きられるかを算定する平均余命などを考えると繰り下げの方が期待値は高いのですが、なぜか期待値が低い繰り上げを選択されている方が多いんですね。
繰り上げ、繰り下げについて詳しくはこちらを御覧ください。
厚生年金受給者の平均年金月額は145,8651円
出典:厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業の概況」より
次にサラリーマンの方などが加入する厚生年金の平均年金月額を見てみましょう。
厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、平成30年度末現在で、老齢年金は145,865円となっています。
こちらも少しずつ下がっている感じですね。
昨年と比較しても1,186円下がっています。
国民年金だけの方と比較するとかなり多くはなっていますが、これだけではなかなか生活が厳しいこともそうていされます。
あらかじめ老後に備えて貯蓄をしておくか、自営業者の方と同じようにiDeCoやつみたてNISAなど自分で老後資金をある程度用意しておく必要がありますね。
繰り上げも繰り下げも少ない
出典:厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業の概況」より
厚生年金は繰り上げも繰り下げの方も少なくなっています。
多くの企業が定年延長や再雇用制度を導入していることも影響しているのか繰り上げは0.3%とかなり少なくなっています。
繰り下げも0.7%とかなり少ない方しか選択されていません。
男女で大きな差がある
出典:厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業の概況」より
次に男女別で見てみましょう。
男子の平均は月額163,840円なのに対して女子の平均は月額102,558円と61,282円もの差がありますね。
これは厚生年金が掛けていた年数とその時の給料額で金額が決まることが大きく影響していています。
女性は出産や結婚などを機に退職される方も多かったことから掛けていた期間が少なかったり、男性と比較して給料が低かったことこの差を産んでいるのです。
離婚での年金分割が増加中
あまり知られていませんが、離婚をする際に年金も分割できる制度があります。
前述のように男性有利な年金制度となっていましたから離婚時に不利にならないように年金も分割が可能なのです。
簡単に言えば旦那の厚生年金と奥さんの厚生年金記録それぞれを合算して按分しましょうよって制度です。
按分割合は当事者双方の合意または裁判手続により按分割合を定める形となります。(合意がまとまらない場合は、当事者の一方の求めにより、裁判所が按分割合を定めることができます。)
出典:厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業の概況」より
年々増加していますね。
年金分割について詳しくはこちらの記事を御覧ください。