今回は「つみたてNISAで「中国」に投資をしたい場合どうしたらよいか」という記事に続いて個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)で中国に投資したい場合どうしたらよいのかを考えて行きます。
基本的には同じような考え方ですが、少し相違点があるのです。
中国は米国との貿易戦争真っ只中でなぜ中国と思われた方も多いかもしれません。
投資の世界でも「人の行く裏に道あり花の山」という格言もあります。
簡単に言えば他の人と違うことをしろってことです。
つまり、あまり注目されていない今だからこそチェックしておきたいところなのです。
なお、中国株についてはこちらの記事も合わせて御覧ください。
最近、米国株の人気が高まっています。米国はGDP世界1位ですし、今後も強いことが予想されますし、SBI証券、マネックス証券、楽天証券による米国株式最低手数料の値下げ合戦が繰り広げられるなどアメリカへ投資する環境がかなり整ってきたこと[…]
iDeCoには「中国株のみ」の投資信託が買える証券会社があり
まず、大前提となるiDeCoについてから見ていきましょう。
個人型確定拠出年金(iDeCo)は簡単に言えば自分の老後生活のために老後資金を自分で作るための制度です。
簡単に言えば各自で運用する商品を決めて老後資金を積立てていくという制度です。積み立てるとその掛け金は所得控除の対象となり節税となります。
また、運用中の利益も非課税です。
かなり優遇されている制度なんですよ。
詳しくはこちらを御覧ください。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)はかなりお得で良い制度です。その反面、株式投資などの資産運用などの経験がないとかなりわかりにくく難しい制度でもあります。そのため「お金に生きる」でもかなり力を入れて記事を書いてきました[…]
運用できる商品はつみたてNISAのように金融庁が選別した投資信託のみというわけではなく金融機関がそれぞれの考えを元にラインナップしています。
ただし、iDeCo(個人型確定拠出年金)を取り扱う多くの金融機関でもつみたてNISAと同様に中国株のみを扱う投資信託のラインナップがないところがほとんどなのが現状です。
つまり、つみたてNISAと同様に中国株を含んだ投資信託を買うしかないでしょう。
しかし、iDeCoには中国株のみの投資信託が買える証券会社もあるのです。
大和証券のイデコでは中国株のみへ投資できる
大和証券 iDeCoでは中国株のみに投資できる投資信託がiDeCoにラインナップされています。
運営管理機関手数料が無料の9社、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行、大和証券、au、カブドットコム証券、三井住友銀行(みらいプロジェクトコース)では唯一大和証券だけの取り扱いとなります。
取り扱いされている商品は「UBS中国株式ファンド」です。
UBS中国株式ファンドは主に香港取引決済所、上海証券取引所、深セン証券取引所に上場されている株式で、 上海証券取引所、深セン証券取引所のA株を除く中国企業株式に投資を行います。
上海証券取引所、深セン証券取引所のA株は含まれていませんが、多くの中国株に投資をすることができます。
ちょっと信託報酬が高めなのが玉に瑕ですが・・・
UBS中国株式ファンドの成績
それではUBS中国株式ファンドの過去成績はどうでしょうか?
米中の貿易戦争が勃発中ですが意外に?成績はよいのです。(2019年09月20日現在の騰落率)
1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 |
4.5% | 3.9% | 2.5% |
1年 | 3年 | 設定来 |
18.0% | 84.4% | 157.7% |
信託報酬がかなり高いですが、それを超える成長を見せているってことがわかりますね。
米中の貿易戦争の影響かここ半年くらいはそれほど良いと言えるほどではありませんが・・・
「中国株」も買うタイプは各社取り扱いあり
上記の大和証券以外では中国株だけに連動するような商品はラインナップされていませんが、中国株も一部含まれている商品はそれなりにラインナップされています。
代表的なのが新興国株を買う投資信託です。
中国は世界2位のGDPを誇っている国ですが投資信託などの区分上では新興国に該当するんですよ。
例えばSBI証券、松井証券、マネックス証券のiDeCoで取り扱いのある新興国株の投資信託として人気が高い「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」では2019年3月現在では下記の通り投資先のうち33%が中国となっています。
つまり、この投資信託を買えばそのうち33%分は中国株を買っていることとほぼ同じことになるってことですね。
eMAXIS Slim 新興国株式インデックスアセットアロケーション
出典:三菱UFJ国債投信「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」交付目論見書2019年7月より
MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円換算ベース)をベンチマークとした投資信託なら基本的にほぼ同じ比率ですね。
ちなみに各社取り扱いの新興国株式の投資信託は以下のとおりです。すべてMSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円換算ベース)をベンチマークとしています。
なお、運営管理機関手数料が無料の9社のうち、auと三井住友銀行(みらいプロジェクトコース)では新興国株式のインデックスファンドの取り扱いがありません。
○インデックスファンド海外新興国株式 :信託報酬率0.594%(税込):楽天証券
○DIAM新興国株式インデックスファンド :信託報酬率0.5886%(税込):イオン銀行
○つみたて新興国株式:信託報酬率0.3672%(税込):カブドットコム証券
バランスファンドも選択肢
また、バランス型の投資信託にも中国が含まれているものもあります。
ただし、含まれている割合はそれほど大きくはありません。
例えばバランス型ファンドで人気となっている「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」の場合には新興国株式が12.5%のみ含まれています。
こちらの新興国株はMSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円換算ベース)をベンチマークをベンチマークとしたものですから、前述のように33%が中国株です。
つまり、単純計算で(12.5%×33%)でeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)には4.125%だけ中国株が含まれている計算となります。
iDeCoではバランス型ファンドはかなり多くラインナップされています。
ここで中国株比率を増やしたいならば新興国株の割合が多いものを選べばよいでしょう。
iDeCOで「中国」まとめ
今回は「iDeCoで「中国」に投資をしたい場合どうしたらよいか?」と題して中国株にiDeCoで投資する方法を見てきました。
日本や米国株と違って中国株に直接投資ができる投資信託はラインナップされていません。
そのため中国株のみを買いたい方には大和証券以外にはiDeCoは向いていないんですよ。
ただし、新興国株を買えば30%近くは中国株ですし、新興国株が含まれたバランス型にも中国株は少し含まれています。
その辺りで妥協できるかどうかでしょうね。
また、つみたてNISAやiDeCoでは他の商品を買って特定口座で中国株を買うのもありでしょうね。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの5社から選ぼう
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)を始めるならまずは金融機関を決める必要があります。
しかし、たくさんあってどこにしたらよいのかわからない方も多いでしょう。
簡単に決めてしまう方もおおいかもしれませんが、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)の場合、金融機関ごとの違いがとても大きいですから慎重に選びたいところです。
私が今もし、新たに加入するならSBI証券、マネックス証券、松井証券、大和証券、楽天証券の5択の中から決めます。
(※私が加入しているのはSBI証券です)
この5つの金融機関は運営管理機関手数料が無料です。※国民年金基金連合会の手数料等は各社共通で掛かります。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iDeCo初でiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
大和証券
大和証券 iDeCoは大手証券会社でありながら、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)にもかなり力を入れています。
他のネット証券と違い店舗が全国各地にたくさんあります。そこに魅力を感じる方にはおすすめできますね。
また、取扱商品もダイワつみたてインデックスシリーズなど信託報酬が安めの商品を取り揃えています。
運営管理機関手数料が無条件で無料ですし、商品も充実したことで選択肢となりえる金融機関になりましたね。中国株、ロシア株、ブラジル株のファンドへ投資できるなど特徴的な商品があるのが他との差別化要因かな。あとはiFreeシリーズ、とくに米国株さえ入れば十分に他と競争できると思いますので期待したいところです。
楽天証券
楽天証券は楽天・全世界株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの5つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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