2020年春くらいから2021年の現在まで株は大きく上がっています。
これは新型コロナで世界各国が大規模な金融緩和をした影響で金余り状態になっていることが大きいのでしょう。
日経平均は一時3万円を突破しましたし、アメリカのNYダウやS&P500も最高値を更新しています。
そのため、私の周りも含めて株を初めてする人が大幅に増えています。
株には3つのリスクがある
ここ1年で株を始めたひとは上げ相場しか知りませんから認識はあまりないかもしれませんが、株には結構なリスクが伴います。
その点をしっかり認識して対応することが大事なのです。
大きく分けて3つのリスクがあります。
値下がりリスク
まずいちばんわかりやすいのが「値下がりリスク」です。
買った株が買値よりも下がってしまうという状況ですね。
つまり、元本割れの状況です。
普通預金などではありえないですから、元本割れ状況になると冷静な判断ができなくなってしまう方が多いんですよ。
人は損を極端に嫌うために合理的な判断ができなくなるとも言われています(プロスペクト理論)
曲げ師と言われる人がでてくるのもそれが原因ですね。
上げ相場の場合、放置しておいてもしばらくしたら買値を上回るなんてこともありえます。
しかし、相場の状況が変わってくると年単位で塩漬けとなってしまう方も多いです。
個別株だとその傾向が顕著でずっと回復しないなんてざらにあるんですよ。
損切りや資金管理が本来は株式投資をする上でとても重要なんですけどね・・・
倒産リスク
もう一つは「倒産リスク」です。
投資した企業が倒産してしまうリスクです。
倒産されてしまうと最悪の場合には株の価値は0となってしまいますね。
さらに信用取引なんかをやっていれば0どころか大きなマイナスにもなりかねません。
倒産は多くの場合はその前兆がありますからいきなりというのは少ないです。
しかし、粉飾決算などが絡んでくるとそういうこともありえるのです。
業績が良いとばかり思ってた企業がいきなり倒産ということが・・・
特にアメリカなどは最近はSPAC経由での上場も多くなっており、その懸念が強いですね。
株の売買ができないリスク
もう一つが「株の売買ができないリスク」です。
これは案外見逃されがちですが、結構大きなリスクなんですよ。
いくつかのパターンがあります。
上場廃止
まずは上場廃止のパターンです。
最近オンキョーが上場を廃止すると大きな話題となっています。
2020年は他にもレナウン、NTTドコモなどが上場廃止しましたね。
上場廃止すると当たり前と言えば当たり前ですが、上場廃止をすると株の売買がかなり難しくなります。
売買しようにも買い手や売り手を自分たちで見つける必要があるためです。
また、売買の手続きも自分たちでしなければいけなくなります。
かなり売買が大変になるんですよ。
そのため、上場廃止の1ヶ月前程度には「整理銘柄」として上場廃止をすることを周知する期間が取られます。
流動性がない
もう一つがそもそも売買が活発に行われないケースです。
例えば100,000株を売ろうとしても買い注文が10,000株しかでていないとかいう感じですね。
特に小型株だとそのような状況になってしまうこともあり、自分が思うように売買できないのは大きなリスクとなるでしょう。
株の初心者は特に値動きの激しい小型株を好む傾向にあるとよく言われますが、流動性リスクをしっかり認識して動きましょうね。
システム障害
最近ちょくちょく見かけますが、証券会社や取引所でシステム障害が起きて売買できないということもありえます。
特にパニックになるような状況になると注文が殺到してそのようなことになりやすいです。
どこの証券会社を使うのかというところもこれらリスクを回避するためには重要です。
株の3つのリスク対策
それでは株式投資をする際の3つのリスクを回避するためにどうすればよいのでしょう?
これは簡単です。
金融庁がつみたてNISAで謳っている以下の3つの要素を意識すればよいのです。
- 長期投資
- 積立投資
- 分散投資
順番に見ていきましょう。
長期投資
まずは長期投資です。
多くの初心者の方は株の値動きが気になって仕方なくなります。
そうなると必然として短期売買になりがちなんですよ。
短期売買ももちろんうまくやれば儲かりますが、初心者の多くは「コツコツドカン」とやられてしまうケースが多いのです。
それではどうすればよいかというと長期で持つのです。
フィディリティが2003年から2013年の間にどの口座が優れた動きをしたのかを調べたら以下の2つのパターンが優秀だったいうデータもあります。
2位:投資したことを忘れ去られていた口座
この2つのパターンとも買って放置という状況ですね。
気絶投資法とも言われますが、個人投資家だけが実施できる特権とも言えます。
個別株は損切りが必要
ただし、個別株の場合はちょっと話が違います。
会社ごとのリスクによって二度と買値に戻らないなんてことはザラです。
長期で持てば良いってものでもないんですよ。
個人的には当初想定したストーリーとずれてしまったら損切りすることをおすすめします。
積立投資
次は積立投資です。
一気に投資をするのではなく少しずつ積み立てるように投資をするってことですね。
期待値が高い投資商品なら理論的には一気に投資をした方が有利に働く可能性が高いです。
しかし、人の心理を考えると少しずつ投資をしたほうが邪魔な心理を排除できるんですよ。
賛否はありますが、ドルコスト平均法というやり方になります。
つみたてNISAやiDeCoはこの積立投資を利用した制度ですね。
私も一時期つみたてNISAは毎日投資にしていました。
分散投資
最後は分散投資です。
これはいろいろな銘柄や資産に分けて投資をしなさいということです。
例えば1社の会社の株だけに投資をした場合にその会社が倒産したり、不正が判明したり、業績が悪化したらその時点で終わりです。
しかし、複数の銘柄に分散しておければそのリスクを減らすことができるのです。
また、国内株だけでなくアメリカ株、中国株、ヨーロッパ株、新興国株。
株だけでなく債券やREIT、金など投資先を分散させればさらにリスク低減の効果が見込めます。
分散投資をすることで倒産リスクも値下がりリスクも売買できないリスクも減らすことができるんですよ。
最近は信託報酬率がかなり低い投資信託がたくさん登場していますから分散投資がかなりやりやすい環境になっています。
ちなみにどの資産が調子がよいのかというのは毎年大きく変動しているんですよ。
それも分散投資が重要なポイントでしょう。
- 国内債券25%+-7%
- 国内株式25%+-8%
- 外国債券25%+-6%
- 外国株式25%+-7%
かなり広くに分散をしているのです。
これだけ分散していても2020年度3Qまでで平均収益率は年率+3.37%、累積収益額は+85.3兆円の収益となっているんですよ。
まとめ
今回は「株式投資のリスクを理解していますか?3つのリスクと対応策を解説」と題して株式投資のリスクについてみてきました。
最近投資を始めたばかりの人はぜひ3つのリスクをしっかり認識した上で取引するようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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