イデコは節税額よりも手数料により失うお金の方が多くなるってほんと?

イデコは節税額よりも手数料により失うお金の方が多くなるってほんと?

イデコは詐欺的なのか?」というある政党の演説に対する反論記事を書いたところ様々な意見をいただきました。

先日も「損失を許容できない人は投資をやるべきではない」という記事にさせていただいたように損するかもしれないだろ?って意見が多かったです。そう思う方がいるのを理解できます。

しかし、こんな感じの意見もいただいたんですよ。

至る場面で手数料がかかり節税額よりも手数料により失うお金の方が多い

あまりにひどい内容なのでこちらについては単独での反論記事としてイデコの手数料について書いてみます。

なお、今回の話の元になっている個人型確定拠出年金(イデコ/ iDeCo)は詐欺的なのかという記事はこちらから御覧ください。

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イデコは詐欺?

イデコの手数料はどんな場面でいくら掛かる?

まずはご指摘の手数料がどんな場面でいくら掛かるのかを見ていきましょう。


イデコ加入時の手数料

まずは加入時の手数料です。

こちらはどの証券会社や銀行を選んでも基本的に共通となっています。

初回のみ2,777円
もちろん加入時手数料ですから初回のみですね。

イデコ加入中の手数料

次に運用が開始してから掛かる手数料です。

こちらは金融機関及び投資商品によってかなり変わってきます。

運用管理機関手数料

まずは運用管理期間手数料です。こちらは簡単に言えば金融機関の取り分の手数料です。

そのため加入する金融機関によってかなり相違があります。

現在のところ、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、大和証券、松井証券、イオン銀行、KDDI(au)の7社は無条件で無料となっています。

また、みずほ銀行、野村証券、第一生命の3社は掛け金や資産などの条件を満たせば無料となっています。また、りそな銀行のように期間限定で無料としているところもあります。

ちなみに運用管理機関手数料が一番高いところは月額450円ですね。

月額0円〜450円

こちらは運用状況に関わらず毎月掛かる手数料となります。

ですから無料の7社で始めるのがお得ですね。

イデコのおすすめ金融機関はこちらを御覧ください。

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国民年金基金連合会の手数料

次は国民年金基金連合会の手数料です。

こちらはどこの金融機関で始めても共通で掛かる手数料となります。

後述の手数料算出根拠を見る限り、イデコの運用に掛かる共通経費を配分したような形となっていますね。

月額103円
この手数料も毎月掛かってきます。しかし、掛け金を払うごとに発生する手数料ですから年単位拠出にしてまとめて拠出をすれば削減可能です。
例えば年1回拠出にすれば年1,133円(=103円×11カ月)を節約できますね。また、運用のみの方も掛かってきません。
ただし、この手数料は私も納得できていません。
一応算出根拠はありますが、なんだかな・・・って内容だからです。詳しくはこちらの記事を御覧ください。
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国民年金基金連合会に怒る

信託銀行の手数料

次は信託銀行の手数料です。

イデコの資産を管理するための手数料「管理手数料」です。

こちらもどの金融機関で始めても共通で掛かる経費となります。

月額64円

なお、信託銀行の手数料は年単位拠出にしても回避できません。

必ず掛かってきてしまいます。

イデコ運用商品の手数料

次は運用商品に掛かる手数料です。

運用商品の信託報酬

まずは信託報酬です。

イデコには金融機関によって異なりますがたくさんの運用商品が用意されています。

信託報酬はそのうちの投資信託に掛かる手数料です。信託、つまり運用を委託するためにかかる費用ってことですね。

また、信託報酬はイデコに限らない手数料です。つみたてNISAで買う場合でも特定口座で買う場合でも投資信託を買えば同様に掛かってきます。

ちなみに定期預金などの元本保証の運用商品を選択されれば信託報酬はは掛かりません。

投資信託により異なる

信託報酬は選択する投資信託によってかなり異なってきます。

多くの運用商品を扱うSBI証券を例にすると信託報酬率が一番安いのがeMAXIS Slim 先進国株式インデックス<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドです。

どちらも信託報酬率は0.11772%以内(税込)/年となっています。

先進国株のインデックス型の投資信託はイデコで主流の投資先にする方が多いことありかなり手数料競争が激しくなっているんですよね。

逆に信託報酬が一番高いのがハーベスト アジア フロンティア株式ファンド2.0972% 程度(税込)/年です。

こちらはフロンティア諸国といわれる、バングラデシュ、モンゴル、カザフスタン、スリランカ、ベトナム等の企業に投資をする投資信託で信託報酬が高くなってしまっています。一般的に新興国へ投資をする投資信託は調査費用が掛かるのか高めの物が多いです。(なお、この商品は35本制限の影響もありすでに除外が決定している商品です)

信託報酬はずっと掛かり続ける手数料ですから安いに越したことはありません。

例えば100万円を投資していれば信託報酬は前者の0.11772%以内ならば年間1,177円です。

しかし、2.0972% 程度だと年間20,972円と約18倍にもなってしまうんですよね。

ですから投資する商品は慎重に選びたいところなんですね。おすすめの投資信託は下記記事を御覧ください。

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運用商品の信託財産留保額

次は信託財産留保額です。

イデコなどで運用中に保有している投資信託から他の投資信託に移りたくなることがあります。

その際にかかってくる手数料が信託財産留保額です。

信託財産留保額は途中解約のペナルティーや売却手数料みたいなものです。

こちらの信託財産留保額もイデコに限ったことではなく投資信託ごとに課せられていますから特定口座で買ってもつみたてNISAで買っても同じです。

投資信託により異なる

信託財産留保額自体は商品によって異なります。

全く掛からないものもあれば0.3%程度掛かるものもあります。

0.3%程度ですから大きな金額ではありません。しかし、何度もスイッチング(商品を入れ替えること)を行ってしまうとその都度、手数料が発生してしまいますので効率が落ちてしまうことになります。

信託財産留保額は長期投資の人にはあった方がよい

ちなみに信託財産留保額がない投資信託のほうがよいかというとそうではありません。

長期投資を考えている人にはプラスの要素だったりします。

それは留保された資産額はファンドの保有する人たちに残されるため、運用会社が取る手数料ではないからです。

つまり、他の人が解約するとその都度その投資信託の資産が増えるってことですね。

金融機関を移すとき(移管時)

あまりないかもしれませんが、イデコの金融機関を変更する際(移管時)にも手数料がかかるケースがあります。

こちらも金融機関により異なります。

移管時のみ0円〜4,320円

移管時手数料は掛からない金融機関が多いですが、前述の運用管理期間手数料が無料のところや安いところは4,320円とっているところが多いですね。

移管時手数料が掛かる金融機関から移すときはお気をつけください。

移さなくてよいように始める段階でしっかりどこで始めるのかを考えておきたいものです。

移管時のポイントはこちらの記事を御覧ください。

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受取時

最後はイデコで運用したお金を受け取るときです。

ここでも手数料が発生します。

こちらはどの金融機関を選択しても共通となります。

簡単に言えば振込手数料ですね。

振込の都度432円

振込の都度432円が発生します。

一括で受け取れば一度のみの発生ですし、分割で受け取ればその都度発生する手数料となります。

参考:他国の確定拠出年金手数料

ちなみに他の国の確定拠出年金の手数料はどれくらいなのでしょうか?

実は日本の個人型確定拠出年金(イデコ/ iDeCo)の手数料は比べてそれほど高いというわけではないのです。

例えばイギリスは掛け金の1.8%、資産の0.3%

米国で資産の0.92%

オーストラリアは資産1.12%です。

運営管理機関が無料のところを使えば日本の方が安い感じですね。

他国の確定拠出年金手数料
他国の確定拠出年金手数料一覧

出所:第14回社会保障審議会企業年金部会「現行制度の改善について」18ページより

イデコの節税効果はどれくらいあるのか?

今まで見てきたように至る場面で手数料が掛かるのは確かです。

しかし、金額を見てもらえばわかりますが金融機関や運用商品を選べばそこまで大きな金額ではないんですよね。

それでは本当に節税額よりも手数料により失うお金の方が多くなるのでしょうか?

イデコの節税効果

まずはイデコの節税の根拠についてお話しておきましょう。

イデコは掛け金全額が所得控除となるのです。(小規模企業共済等掛金控除)

所得控除とは税金計算するときにその金額を控除して税金計算できるようになるってことです。つまり、所得を減らしたことと同じ効果が得られます。その結果、所得税及び住民税が減るのです。

どのくらい効果があるのかはその人の所得税・住民税の金額、イデコを掛けた金額で異なります。

例えば課税所得金額が650万のサラリーマンの場合でみてみましょう。

個人型確定拠出年金(iDeCo)に最低金額の月5,000円積み立てたとします。
すると年間で60,000円の掛け金です。
それがそのまま全額所得控除となり18,000円もの節税となります。
(6万円✕30%)所得税率20%、住民税10%で計算

年間60,000円積み立てると所得税と住民税で18,000円の節税効果が生まれます。

率にすると30%もの利回りが節税効果だけで得られるのです。

もちろんこの効果は税率により異なりますので給料や所得が大きい人ほど効果があります。

給料の少ない方でも所得税は5%、住民税は10%くらいかかっている方が多いはずですからそれでも15%節税効果があるのです。15%で9,000円の節税効果ですね。

掛け金の最低である月5,000円でもこれだけの効果が得られるのです。

もし、満額である月68,000円掛ければ年間で244,800円の節税効果です。(81万6千円✕30%)所得税率20%、住民税10%で計算

後述する手数料は掛け金が増えても信託報酬分は増えますが、それ以外は同じ金額です。

掛け金が増えれば増えるほど手数料の相対的な負担割合は減りますね。

節税効果については詳しくはこちらの記事もご覧ください。

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掛かる手数料

一番条件が悪くなる掛け金の最低である月5,000円を掛けたケースに見てみましょう。

手数料は運営管理手数料0円のところを選択して、月額単位拠出すると月額167円掛かります。それが12ヶ月ですから2,004円の手数料です。

信託報酬は0.11772%以内(税込)/年の商品な月額5,000円、年間60,000円に対する信託報酬は年間約70円となります。仮に一番高い2.0972% 程度(税込)/年でも1,200円ちょっとです。

もし、運営管理手数料が一番高いところだと年間5,400円プラスで掛かります。それでも合計して手数料は9,000円未満です。

どこをどうやって計算したら節税額よりも手数料により失うお金の方が多くなるのでしょうか・・・

もちろん所得税・住民税が0の方はそもそも節税する税金がありませんから手数料負けするのはありますけどね。

そのことをおっしゃっているのでしょうかね???

ただし、受け取るときは注意が必要

ただし、受け取るときはちょっと注意が必要です。

基本的にイデコは払ったときに節税効果があり、受け取るときに税金が掛かる仕組みだからです。

ただし、受け取るときも節税になる「退職所得控除」と「公的年金控除」を受けられますからそれをうまく活用する必要があるのです。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

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まとめ

今回は「イデコは節税額よりも手数料により失うお金の方が多くなるってほんと?」と題して個人型確定拠出年金(イデコ/ iDeCo)の手数料についてみてきました。

今まで見てきたように所得税・住民税が発生している方の場合、最低金額を掛けても節税効果が手数料を上回ることは想定しにくいことがわかっていただけたと思います。

ただし、所得税・住民税がない方の場合には手数料負担が重くなってしまう制度ではありますね。所得税・住民税がない方はイデコではなくつみたてNISAをおすすめしております。

ちなみにイデコのデメリットが書いてないという指摘もありましたが、下記のイデコまとめ記事でももちろん紹介していますし、別記事でも紹介しているんですよ。ですのでまずは下記記事からご覧いただくことをおすすめします。

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イデコ完全ガイド

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