改悪続きの楽天経済圏。楽天グループの決算は厳しいのか?分析してみた。

楽天経済圏の改悪が止まりません。

個人的にもここ1年で楽天経済圏の利用頻度はかなり減っています。

楽天プレミアムカードを解約して、三井住友ゴールドカード(NL)に移行したり、楽天市場の利用がかなり減りPayPayモールの利用が増えています。

楽天証券+楽天カードでつみたてNISAをやっているのとサブ回線として楽天モバイルをもっているくらいです。

そこで気になるのがなぜこんなに楽天経済圏は改悪続きなのかということ。

釣った魚に餌を与えないという作戦なのか、それとも資金繰りが厳しいからなのか・・・

今回はそんな楽天グループの決算書を分析してみました。

過去1年で楽天経済圏がどれだけ改悪したか

まずは楽天経済圏でどれだけ改悪されているのかを確認してみましょう。

これここ1年の話なんですよ。恐ろしい・・・

今回は個人的に大きいかな?と感じたものだけ掲載していますが、これ以外にも楽天SPUなど細かいことを上げればキリがないほど改悪があったんですよ。

2021年4月:楽天ゴールドカードの改悪

まずは2021年4月からの楽天ゴールドカードの改悪です。

2021年3月31日まで:
■楽天ゴールドカードを利用して楽天市場でお買い物すると、ポイント+4倍

2021年4月1日以降:
■楽天ゴールドカードを利用して楽天市場でお買い物すると、ポイント+2倍
お誕生月サービス(お誕生月に楽天市場・楽天ブックス利用でポイント+1倍)上限2,000ポイント

楽天ゴールドカードは楽天SPU(スーパーポイントアップ)で+4倍になる特典があり、それなりに楽天市場を使う人なら年会費(2,220円)を簡単ペイできるお得なクレジットカードでした。

しかし、誕生日付きを除いて通常の楽天カードと同様の楽天SPU条件となってしまったことで価値が激減したのです。

私は解約しましたが、楽天プレミアムカードが新型コロナで海外旅行ができなく価値が激減したことによる差別化でゴールドカードの価値を下げたのではと予想もありましたね。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

2021年6月:楽天カードの公共料金ポイント大幅ダウン

次は2021年6月の楽天カードの公共料金ポイントの大幅ダウンです。

公共料金(電気、ガス、水道)、税金(国税、都道府県税など)、国民年金保険料、Yahoo!公金支払いの支払いに対してのポイントが以下のように変更となりました。

2021年5月31日まで:
■変更前:100円ご利用につき1ポイント

2021年6月1日以降:
■変更後:500円ご利用につき1ポイント

税金や年金などを含めた公共料金が今まで楽天ポイントが1%貯まっていたものが0.2%と大幅ダウンとなったのです。

個人的にこの件はとても大きく楽天カードの使用頻度がかなり減りましたね。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

2021年8月:楽天銀行+楽天証券のハッピープログラムの付与ポイント

次は2021年8月からの楽天銀行+楽天証券ハッピープログラムの付与ポイントです。

以下のように変更となったのです。

2021年7月31日まで:
■変更残高10万円ごとに4ポイント
※対象月の月間平均残高で計算

2021年8月1日以降:
■残高10万円ごとに3~10ポイント
※一部の銘柄は対象外
※対象月の月間平均残高で計算

出典:楽天銀行 ハッピープログラムの対象、楽天証券でのお取引(投資信託分)の進呈ポイントの変更に関するお知らせ より

残高10万円ごとに4ポイントだったのが残高10万円ごとに3〜10ポイント(一部銘柄は対象外)となりました。

これだけ聞くと改悪ではなく改善な感じもしますが、中身を見ると多くの方はマイナスに働くのです。

下記のような利用者の多い人気銘柄のポイントが3ポイントに下げられたんですよ。

またポイントつかない一部対象外銘柄も設定されております。

  • eMAXIS Slim 全世界株式(除く⽇本)
  • eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • <購⼊・換⾦⼿数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)
  • <購⼊・換⾦⼿数料なし>ニッセイ 外国株式インデックスファンド
  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
  • eMAXIS Slim ⽶国株式(S&P500)

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

2022年2月:楽天銀行+freeeのデータ連携終了

クラウド会計のfreeeとのデータ連携も2022年2月24日で終了とのこと。

これは楽天銀行というよりもfreeeの改悪ですが、両社のユーザーとも不便な状況となってしまいますね。

表向きは「契約満了」と説明するが、両者で再契約できなかったのが実態のようだ。データ連携で利便性が高まる一方で、接続を巡ってせめぎ合いが起き、利用者にしわ寄せがいく形となった。

出典:日経新聞 1月24日 freeeと楽天銀行、API巡り溝 提携終了で利用者に負担

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

2022年4月:楽天銀行+楽天証券のハッピープログラムの付与ポイント

次も楽天銀行+楽天証券ハッピープログラムの付与ポイントです。

前述したように2021年8月に変更したばかりなのに2022年4月からさらに大きく改悪されました。

2021年8月1日〜2022年3月31日:
■残高10万円ごとに3~10ポイント
※一部の銘柄は対象外
※対象月の月間平均残高で計算

2022年4月1日以降:
毎月末時点の投資信託の残高が、2022年4月末以降にはじめて一定の金額に到達した場合に、所定の楽天ポイントを進呈
 

今まで残高10万円ごとに付与されていたのですが、それが終了して以下の金額に達した時点でポイントが進呈される形となります。

楽天証券投資信託ポイント改悪

出典:楽天証券 【楽天銀行・ハッピープログラム】ポイント進呈条件の変更に関するお知らせ より

保有している間は常にポイントが付いていたものが、残高に達したときに1回だけの付与となりますのでかなりの改悪となります。

また、ポイント進呈の対象となる該当残高を2022年4月末以降にはじめて達成した場合のみのポイント進呈となりますのですでに2,000万円以上保有している方はまったくポイントがもらえないという・・・

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

2022年4月:楽天銀行+楽天証券のマネーブリッジ普通預金の金利

楽天証券と楽天銀行を紐付けした(マネーブリッジ)の金利の改悪です。

2022年3月31日まで:
普通預金残高に関係なく一律、年0.10%(税引後年 0.079%)を適用

2022年4月1日以降:
■普通預金残高によって異なる優遇金利を適用
L普通預金残高300万円以下の部分:年0.10%(税引後年0.079%)
L普通預金残高300万円を超える部分:年0.04%(税引後年0.031%)
今まで普通預金残高に関係なく年0.1%だったものが普通預金残高300万円以下の部分と制限が加わった感じですね。
制限が加わった年0.04%でもメガバンクなどと比べればまだまだ高いのですがそれでも今までと比較してしまうと・・・
詳しくはこちらの記事を御覧ください。

2022年9月:楽天カードでの投信積立

楽天カードの投信積立も改悪されます。
楽天カードでの投資信託購入時のポイントが激減2

出典:楽天証券 2022年4月以降の新サービス開始および各種ポイントサービス等見直しについて より

今まで楽天カードのクレジット決済で投資信託積立をする場合には1%のポイント還元が行われていました。

それが上記のように変更されます。

信託報酬のうち楽天証券が受け取る手数料が年率0.4%(税込)以上のものは現状維持の1%(100円につき1ポイント)のポイント還元

それ以外の年率0.4%(税込)未満のものは0.2%還元(500円につき1ポイント)のポイント還元と大幅に改悪となります。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。




楽天グループの経営成績、財務状況は厳しいのか?

これだけ改悪が続くとなにかしら楽天グループの経営成績や財務状況に変化が生じてると考えるのが普通でしょう。

そこで今回は楽天グループの決算書(2021年度第3四半期)を分析してその辺りを確認してみたいと思います。

2021年度第3四半期売上収益

まずは売上収益です。

売上収益ってあまり聞き慣れない方もみえるかもしれませんが、売上高が総額表示であることに対して純額表示なのが売上収益です。

今後は売上収益で表記する企業が増えると言われていますので覚えておいても良いかもしれませんね。

楽天グループは売上収益として開示しています。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

2021年12月期第3四半期1,200,574百万円
2020年12月期第3四半期1,040,190百万円
増減160,384百万円

出所:楽天グループ株式会社「2021年12月期第3四半期決算短信」より

売上収益は前年比15.4%と順調に増加しています。

2021年度第3四半期営業損失

問題はここからです。

まず営業利益(損失)は以下のとおりとなっています。

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2021年12月期第3四半期△108,362百万円
2020年12月期第3四半期△60,519百万円
増減△47,843百万円

出所:楽天グループ株式会社「2021年12月期第3四半期決算短信」より

前年の時点から営業利益はマイナスとなっていましたが、さらに悪化した形となっています。

2021年度第3四半期四半期損失

次に四半期利益(損失)です。

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2021年12月期第3四半期△92,262百万円
2020年12月期第3四半期△71,471百万円
増減△20,791百万円

出所:楽天グループ株式会社「2021年12月期第3四半期決算短信」より

こちらも前年の時点でマイナスでしたが、さらに悪化しています。

セグメント概況

それではどうしてこれだけの損失がでているのかセグメントごとに見てみましょう。

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インターネットサービスフィンテックモバイル
セグメントに係る売上収益702,248百万円455,589百万円162,208百万円
セグメント損益83,401百万円68,236百万円△302,519百万円

出所:楽天グループ株式会社「2021年12月期第3四半期決算短信」より

これは一目瞭然ですね。モバイルが大きく足を引っ張っている形です。

理由は具体的に書かれていました。

モバイルにおいては、順調に顧客獲得が進捗する中、通信料金を1年間無料とするキャンペーン期間の終了に伴い、一部のユーザーの通信料収入が順次計上され始めた一方、自社ネットワークエリア拡大の前倒しに伴い、 減価償却費等のネットワーク関連費用が増加しています。 この結果、モバイルセグメントにおける売上収益は162,208百万円(前年同期比26.5%増)となりましたが、モバイルにおける自社基地局設置等の先行投資が継続中のため、セグメント損失は302,519百万円(前年同期は 150,682百万円の損失)となりました。
出所:楽天グループ株式会社「2021年12月期第3四半期決算短信」より

楽天モバイルの基地局設置の先行投資が影響して大きなマイナスとなっているのです。

これだけマイナスとなっていれば当然他の部門に影響がでて改悪となっても不思議ではないかもしれません。

2021年度第3四半期営業活動によるキャッシュフロー

次にキャッシュフローを見ていきます。

企業を運営していく上でキャシュフローがもっとも大事なんですよ。

極論から言えば万年大赤字でもお金さえ回れば倒産しません

まず本業で上手くお金が回っているかを示す営業活動によるキャッシュフローから見てみましょう。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

2021年12月期第3四半期417,784百万円
2020年12月期第3四半期848,109百万円
増減△430,325百万円

出所:楽天グループ株式会社「2021年12月期第3四半期決算短信」より

赤字幅が増えていることもあり、営業キャッシュフローも減っていますね。

ただし、大幅にプラスとなっており、営業活動によるキャッシュフローは問題なく本業ではお金は問題なく回っているってことがわかります。

2021年度第3四半期投資活動によるキャッシュフロー

次は投資活動によるキャッシュフローです。

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2021年12月期第3四半期△430,058百万円
2020年12月期第3四半期△147,249百万円
増減△282,809百万円

出所:楽天グループ株式会社「2021年12月期第3四半期決算短信」より

前年よりも投資活動によるキャッシュフローでは前年より大きくマイナス幅を広げています。

投資活動のキャッシュフローは将来への布石ですからマイナスは悪いことではないんですよ。

むしろ、ここがプラスの企業よりもマイナスの企業のほうが将来への投資をしているということですから今後に期待が持てるのです。

2021年度第3四半期財務活動によるキャッシュフロー

次は財務活動によるキャッシュフローです。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

2021年12月期第3四半期819,302百万円
2020年12月期第3四半期400,855百万円
増減418,450百万円

出所:楽天グループ株式会社「2021年12月期第3四半期決算短信」より

財務活動によるキャッシュフローは前期比較でかなり増えています。

主な要因としては借入金を増やしたことですね。

あとは資本性金融商品の発行による収入というのも大きくなっています。

フリーキャッシュフローはマイナス

今まで見てきたように楽天グループの現在のキャッシュフローは本業で利益を出しつつ、財務活動でお金を集め、それを投資に回しているという状況です。

本業でお金が回っていますし、大きな投資活動もしているのにお金が回っているわけですから、倒産してしまうような大きな問題は想定しずらいです。

ただし、投資活動によるキャッシュフローと営業活動によるキャッシュフローを合計したフリーキャッシュフローがマイナスとなっており、ちょっと身の丈にあっていないレベルで投資をしていることがわかりますのであまり良い状況とは言えないですね。

つまり、本業で稼いだお金を原資として投資をしているわけではないのです。

当然、背伸びしてビジネスを回しているわけですからうまく行っているときには大きな成長となります。

しかし、なにか問題があれば大きなダメージを受けてしまいやすいのです。

楽天グループは今まで背伸びした投資をしていませんでしたが、楽天モバイルによってその原則が覆ってしまっている感があります。

現状はお金の調達が出来ていますので問題ありませんが、その供給が止まった時に大きな問題となってしまう可能性があります。

ちょっとその辺りが心配ですね。

ソフトバンクは昔から同様な傾向があるんですけどね・・・

ソフトバンクは身の丈にあってない投資を続け成功した例ですが、逆となったのが中国恒大集団ですね・・・




まとめ

今回は「改悪続きの楽天経済圏。楽天グループの決算は厳しいのか?分析してみた。」と題してあまりに楽天経済圏で改悪が続くので楽天グループの決算書を確認してみました。

結論としてはすぐにどうこうなるレベルではありませんが、身の丈にあっていない投資をしており、赤字幅が広がったあまり良い状況とは言えないということ。

予想された通りやはり楽天モバイルの先行投資が足を引っ張っている感じですね。

改悪が続くのも納得という結果です。

ただし、赤字の主な理由は先行投資でネガティブな話でもありません。

足を引っ張っている楽天モバイルの先行投資が落ち着いた時にどうなるかが注目ですね。

なお、決算書や四季報はどのように読めばよいのかわからない方はこちらの記事をどうぞ。

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