各種給付金の扱い、控除見直しなど。2021年(令和3年)の確定申告(2020年分)の注意点を解説

2021年の確定申告(2020年分)はルール変更が多くあったことや各種給付金の扱いでちょっと間違えやすいことが多くなっています。

そこで今回は2021年(令和3年)の確定申告の変更点や注意点を解説してみました。

※追記しました

税務署での相談やチェックには入場整理券が必要

2021年(令和3年)の確定申告(2020年分)の確定申告は新型コロナウィルス対策として今までと少し違った対応が必要です。

他の施設と同様に入場時に検温を実施し、37.5 度以上の発熱がある方や検温を拒否する方等について は入場をお断りされたりといった対策はもちろん実施。

さらに“入場時間を指定した整理券”を発行し て入場者数をコントロールするとのことです。

つまり、今までのようにいきなり税務署に行っても相談等を受けられないかもしれないのです。

ですから確定申告の相談やチェックを税務署でお願いしたい場合は予め整理券を入手しておきましょう

なお、確定申告書は作成済の方で提出だけの場合は入場整理券がなくてもOKとのことです。

入場整理券の入手方法

入場整理券は2つのパターンで実施されます。

  • 各会場で当日配布
  • LINEを通じたオンライン事前発行

各会場では当日の整理券の配布のみで時間指定や後日の予約、ほか会場の予約等はできないとのことですから、かなり時間的制約が大きいです。

なお、入場整理券は順番に配布されるとのことですから朝から行列なんてことも起こり得る可能性があります・・・。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。


持続化給付金、特別定額給付金、家賃支援協力金などの扱い

2020年は新型コロナウィルス関連で特別定額給付金持続化給付金など多くの給付金・助成金が出されていますが、種類によって課税対象となるのか、非課税対象になるのかが異なってきておりかなりややこしくなっていますのでお気をつけください。

課税となる新型コロナウィルス関連の給付金、助成金

所得などの扱いとなる給付金・助成金は以下のとおりです。

主に事業者向けのものですね。

持続化給付金(事業所得者向け)
家賃支援給付金
・農林漁業者への経営継続補助金
・文化芸術・スポーツ活動の継続支援
雇用調整助成金
・小学校休業等対応助成金
・小学校休業等対応支援金
・肉用牛肥育経営安定特別対策事業による補てん金
飲食店等の休業協力金
特別利子補給制度

このあたりの給付金、助成金は売上の補填や経費部分の助成的な意味合いが強いこともあり課税となっています。

他にも持続化補助金やIT導入補助金、ものづくり補助金など補助金も課税となっています。

つまり、このあたりの給付金や補助金、助成金を貰っている方は確定申告で忘れずに計上しておきましょう。

非課税となる新型コロナウィルス関連の給付金・助成金

次に非課税となる給付金、助成金です。

主に個人向けの助成、給付金は非課税とされています。

特別定額給付金
・子育て世帯への臨時特別給付金
学生支援緊急給付金
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金
・新型コロナウイルス感染症対応休業給付金
・低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金
・新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金
・企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の特例措置における割引券
・東京都のベビーシッター利用支援事業(新型コロナウィルス関係)
全世帯に1人10万円給付された特別定額給付金は非課税対象です。
また、学生支援緊急給付金なんかも同様ですね。
ちょっとややこしいのが東京都のベビーシッター利用支援事業です。
税金爆死なんて言葉が流行ったように本来課税ですが、新型コロナウイルス感染症の影響により、認可外のベビーシッターの利用を余儀なくされた場合のケースだと非課税という扱いとなっています。

新型コロナウイルス感染症の影響により、認可外のベビーシッターの利用を余儀なくされた場合に、これによる新たな費用負担を軽減するため、利用料の一部を助成することにより、保護者の支援に資することを目的としています。
なお、本事業による助成金は、通常の待機児童対策のベビーシッター利用支援事業と異なり、所得税法上の非課税所得に該当します。
出典:東京都福祉保健局 ベビーシッター利用支援事業(新型コロナウイルス関係)より

課税、非課税の詳しい話はこちらの記事を御覧ください。


2020年(令和2年)分の確定申告の主なルール変更

次にルール変更について見ていきましょう。

基礎控除の変更内容

まずすべての納税者が対象となっていた基礎控除が変更となりました。

基礎控除は今まで納税者本人の合計所得金額にかかわらず、一律38万円でした。

それが2020年(令和2年)分から所得に応じて変更になる形式に変更となりました。

具体的には以下のとおりです。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

納税者本人の合計所得金額基礎控除額
2,400万円以下48万円
2,400万円超2,450万円以下32万円
2,450万円超2,500万円以下16万円
2,500万円超0円

出典:国税庁 基礎控除より

高額所得者は増税、多くの個人事業主は減税

合計所得金額が2,400万円以下の方については48万円ですから今までよりも10万円増えることになりますね。

多くの個人事業主はこの基礎控除の恩恵を受けることになります。

ただし、サラリーマンの方は後述する給与所得控除の変更があるので実質的な所得税額への影響はありません。

一方、高所得者の方は基礎控除が減りますのでその分増税となりますね。

給与所得控除の変更内容

次にサラリーマンの方が受けられる給与所得控除も変更となりました。

前述の基礎控除の変更と合わせると多くのサラリーマンの方の控除額は変わらないように設計。

具体的には以下の表に当てはめて計算します。

※スマートフォンの方はスクロールしてお読みください。

給与等の収入金額令和元年(2019年)分までの給与所得控除令和2年(2020年)分からの給与所得控除
1,625,000円まで650,000円550,000円
1,625,001円から1,800,000円まで収入金額×40%収入金額×40%-100,000円
1,800,001円から3,600,000円まで収入金額×30%+180,000円収入金額×30%+80,000円
3,600,001円から6,600,000円まで収入金額×20%+540,000円収入金額×20%+440,000円
6,600,001円から8,500,000円まで収入金額×10%+1,200,000円収入金額×10%+1,100,000円
8,500,001円から10,000,000円まで1,950,000円(上限)
10,000,001円以上2,2000,000円(上限)

出典:国税庁 給与所得控除より

給与等の収入金額が850万円以下の方は給与所得控除が10万円減っていますね。

前述の基礎控除が10万円増えていますのでプラスマイナスゼロとなっています。

給与等の収入金額が850万円を超えている方は給与所得控除が10万円以上の引き下げとなりますので実質的な増税となります。

所得金額調整控除が新設

前述したように給与等の収入金額が850万円を超えている方は実質的な増税となります。

そこで子育て世帯など条件を満たした方は増税にならないように調整する仕組みが新設されました。

「所得金額調整控除」です。

具体的に対象となるのは以下の条件を満たした方です。

  • 本人が特別障害者に該当する者
  • 年齢23歳未満の扶養親族を有する者
  • 特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族を有する者

なお、控除額は以下のとおり。

{給与等の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円) - 850万円}×10%=控除額
なお、この控除は扶養控除と違い同一生計内のいずれか一方のみの所得者に適用するという制限がありません。
ですから夫婦ふたりとも給与等の収入金額が850万円を超えているような場合で23歳未満の扶養親族である子がいるような場合にはふたりともこの控除の適用を受けることが出来ます。

ひとり親控除が新設

もう一つ変更?新設になった制度があります。

それが「ひとり親控除」です。

今まで女性用には「寡婦控除」や「特別の寡婦控除」、男性用には「寡夫控除」という控除がありました。

それぞれ条件やルールが違ったのですが、男女平等という考えが広がったこともあり、ルール変更が加えられました。

ちょっとややこしい変更となりますが、以下の国税庁のフロー図がわかりやすいと思います。
ひとり親控除フロー図

出典:国税庁「ひとり親控除」より

所得が500万円以下でなかったり、事実婚等があるとどの控除も対象外

あとはそれぞれの条件で対象となる控除が変わってくる感じですね。

なお、具体的なひとり親控除の適用を受けられる条件は以下のとおりです。

その年の12月31日の現況で、婚姻をしていないこと又は配偶者の生死の明らかでない一定の人のうち、次の三つの要件の全てに当てはまる方です。

  • その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいないこと
  • 生計を一にする子がいること
    ※この場合の子は、その年分の総所得金額等が48万円以下で、他の人の同一生計配偶者や扶養親族になっていない人に限られます。
  • 合計所得金額が500万円以下であること

出典:国税庁「ひとり親控除」より

最大の変更は男女差がなくなり、同一の条件となったことです。

具体的な控除額は以下の通り。

区分控除額
ひとり親控除35万円

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

配偶者控除等の判定基準が見直し

次は配偶者控除や扶養者控除の判定基準の見直しです。

こちらも2020年分から変わっています。

これは基礎控除の改定に伴うものです。

今までは配偶者控除を受けるための条件は配偶者の合計所得金額が38万円以下でした。

それが48万円以下となります。

基礎控除内であるってことですね。

扶養も同様に今まで合計所得金額が38万円以下でしたが48万円以下と引き上げられました。

ちなみに給与所得控除の変更も加わってますので、アルバイトやパートで給料を貰っている方の線引ラインは今までと変わりませんね。

103万円が基準となります。

詳しくはこちらを御覧ください。

また、2020年は株などで儲かった人も多いと思いますので扶養者が株で儲けているかいないか、またどの口座を使っているかは確認したほうが良いかもしれませんね。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。

青色申告特別控除の変更内容

次に青色申告特別控除の変更です。

こちらも微妙に変更が加えられました。

今まで65万円の控除があった「青色申告特別控除」が55万控除に変更になったのです。

ただし、e-Taxによる申告(電子申告)もしくは電子帳簿保存を行うと今までどうり65万円控除となります。

e-Taxや電子帳簿保存を普及させたいのでしょう。

今まで電子申告していない方もこれをきっかけで変更してみても良いかもしれませんね。

詳しくはこちらを御覧ください。

テレワーク時の在宅勤務手当や費用負担

新型コロナの影響で在宅勤務(テレワーク)となった方も多いでしょう。

その際に通勤手当が廃止となったり、在宅勤務手当が新設されたり、費用負担があった方もいると思います。

この場合はご注意ください。

所得税の課税となるか否かはちょっとややこしいんですよ。

会社が年末調整で適切に処理してくれているは思いますが・・・

詳しくはこちらをご覧ください。

投資信託等の分配金に対しての二重課税調整制度

最後は2020年1月1日から開始された投資信託等の分配金に対しての二重課税調整制度です。

二重課税調整制度
二重課税調整制度

出所:日本証券業協会「投資信託等の二重課税調整制度開始のご案内」より

簡単に言えば今までは二重課税していたものを取り戻すためには確定申告が必要でしたがそれがなくても外国での徴収分が自動的に調整されるってことです。

2020年1月1日から支払われる投資信託等での分配金については自動的に適用され、特に手続き等も不要です。

もちろんそれ以前から保有している投資信託も対象となります。

かなり楽になりますし、ありがたい話ですね。

詳しくはこちらの記事を御覧ください。


まとめ

今回は「各種給付金の扱い、控除見直しなど。2021年(令和3年)の確定申告(2020年分)の注意点を解説」と題して2021年(2020年分)の確定申告の注意点を見てきました。

2021年申告はかなり変更が加わってますし、はじめての給付金などもありますから間違えないように申告しましょうね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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