読者様からご質問をいただきましたので今回はそちらを解説していきます。
なお、iDeCoってなに?方は以下のまずは以下の記事をご覧ください。
この記事をみれば「iDeCo(個人型確定拠出年金)制度」から「つみたてNISAとの違い」、「おすすめ金融機関」、「おすすめ商品」、「いくら積み立てればよいのか」などを網羅的に確認することができますよ。
iDeCoは国民年金加入が大前提の制度
まずは今回の話の前提となるiDeCoの加入状況から見ていきましょう。
iDeCoの基本的な加入条件は以下のとおりです。
- 満20歳以上60歳未満
- 国民年金保険料を納付している(全額免除・半額免除等を受けていないこと)。
- 農業者年金基金に加入していない。
- 企業型確定拠出年金に加入していない。(規約で個人型同時加入を認めている場合は加入できます)
今回の話の大きなポイントとなるのは「国民年金保険料を納付している」です。
詳しく見ていきましょう。
国民年金は国内居住の人のための制度
国民年金は当然ながら日本に住んでいる方のための制度です。
そのため、海外で仕事をするとなると対象からは外れるのが基本原則となります。
外国で働く場合は現地の社会保障制度もありますので2重加入になるのを防ぐため、多くの国と協定を結んでいるんですよ。
協定を結んでいる国で働く場合には日本の社会保険制度は加入が免除され、現地の社会保険制度に加入することになります。
出典:日本年金機構 日本から協定を結んでいる国で働く場合の加入すべき制度より
そのため、国民年金(厚生年金)も対象から外れるのです。
国民年金の加入が大原則となっているiDeCoも加入が認められなくなります。
国民年金基金や付加年金など国民年金が前提となったも同じですね。
なお、協定が結ばれているのはアメリカ、中国、インドなど23ヶ国です。ただし、23ヶ国と協定は署名済ですが、発行済みなのは20ヶ国となっています。(イタリア、スウェーデン、フィンランドは署名済ですが未発行)
協定国について詳しく知りたい方はこちらを御覧ください。
>>日本年金機構 社会保障協定
海外勤務でもiDeCoが継続できるケース
ただし、海外勤務でも短期の場合など条件を満たす場合にはそのままiDeCoに加入できるケースがあります。
それは5年を超えない見込みで派遣される場合です。
出典:日本年金機構 日本から協定を結んでいる国で働く場合の加入すべき制度より
5年を超えない見込みで派遣される場合には例外規定が適用され、引き続き日本の社会保障制度のみに加入し、協定相手国の社会保障制度の加入が免除されるのです。
つまり、国内のときと同様に勤務先の厚生年金等に加入し続けることができますので、iDeCoもそのまま続けられるのです。
なお、第3号被保険者となっている配偶者の方も同じ扱いですね。
ただし、5年以内の転勤でも会社によっては現地法人への転籍という扱いとするため、現地の社会保険制度に加入するケースもあります。その場合は当然、厚生年金も加入しないですからiDeCoも利用できなくなります。
すでに加入しているiDeCoはどのような扱いとなるのか?
それでは海外勤務となった場合に、すでにiDeCoに加入済で掛け金を納めている場合はどういう扱いとなるのでしょう?
iDeCo対象外の期間は拠出ができない
海外勤務となり、iDeCoの対象でなくなった場合には新たな掛け金の拠出ができなくなります。
今まで拠出した掛け金は運用指図者として運用のみが可能。
今まで掛けた分がオジャンになってしまうわけではありませんが、手数料負担を考えると微妙な状況。
運用指図者でも手数料は毎月掛かる
ちなみに運用指図者になっても以下の手数料が毎月発生します。
- 資産管理手数料 66円(信託銀行)
- 運営管理機関手数料 0円〜(運営管理機関により異なる)
- 信託報酬等(運用商品により異なる)
運営管理機関手数料が無料のSBI証券などでも毎月66円と信託報酬
運営管理機関手数料が有料の場合はさらに上乗せで掛かってきます。
ちなみに最も高い運営管理機関でiDeCoを利用していると資産管理手数料と合わせて毎月506円掛かるんですよ。
そういった意味でも運営管理機関手数料が無料のところを使いたいところですね・・・
ちなみに今のところ、運営管理機関手数料が無条件で無料である金融機関はSBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、イオン銀行、大和証券、au、auカブコム証券、三井住友銀行(SMBC個人型プラン)、野村證券の10社だけです。
特に地方銀行は運営管理機関手数料がかなり高くなっていますのでお気をつけください。
受け取りは60歳以降
運用している分を受け取れるのは原則として60歳以降です。
それまで海外勤務なら運用だけする形となりますね。(毎月手数料が引かれて・・・)
脱退一時金という制度もありますが、かなり条件が厳しいです。
日本に戻ってきたら再加入も可能
当然ながら日本に戻ってきて加入条件が整っていれば再度の加入も可能です。
まとめ
今回は「海外転勤のある人がiDeCoを始める前に知っておきたいこと」と題して海外勤務の場合のiDeCoについてみてきました。
まとめると以下の通り。
- 海外勤務となれば基本的にイデコに加入できなくなる
- すでに掛けた分は運用指図者として運用のみ可能
- 手数料負担が節税効果が得られないのにある
- 受け取りは60歳以降
- 再度日本で働き始めれば再加入も可能
特にイデコで新たな拠出ができなくなり運用指図者となると、節税メリットがなく手数料負担のみが掛かるという微妙な状況になってしまうのが痛いですね。
海外転勤の可能性がある方はこのあたりのデメリットとメリットである節税効果をしっかり天秤にかけた上で検討する必要があります。
また、加入するにしても運営管理機関手数料が無料であるところから探すのがよいでしょうね。
なお、つみたてNISA、NISAの海外在住時の扱いは以下の記事を御覧ください。
個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)に加入するならこの4社から選ぼう
イデコに加入するならおすすめは下記4社です。
この4つの金融機関は運営管理機関手数料が無料。
また、運用商品もインデックスファンドを中心に信託報酬が低い投資信託が充実しているんですよ。
ちなみに私はSBI証券でやっています。
順番に見ていきましょう。
SBI証券
まずイチオシはSBI証券「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」です。
SBI証券は信託報酬も最安値水準のeMAXIS Slimシリーズを始めとしたインデックスファンドから雪だるま全世界株式、ひふみ年金、ひふみワールド、NYダウ、グローバル中小株、ジェイリバイブといった特徴ある投資信託をたくさん揃えているところが最大の魅力です。
選択の楽しさがありますよね。
また、確定拠出年金を会社員に解禁される前から長年手掛けている老舗である安心感も大きいですね。
SBI証券は運営管理手数料が無条件で0円ですし、なにより運用商品が豊富で選択の幅が広いです。現状最強のラインナップを誇ることになります。
また、他の証券会社に先んじて確定拠出年金の取扱をはじめてますから安心感が強いですね。
マネックス証券
次点はマネックス証券 iDeCoです。
こちらも後発ながらかなりiDeCoに力をいれていますね。
iFreeNEXT NASDAQ100 インデックスやiFreeNEXT インド株インデックスを取扱い開始したのに興味をひかれる人も多いでしょう。
マネックス証券はeMAXIS Slimを多く取り扱っており、信託報酬がほとんど最安値水準でスキがありません。また、iDeCoでいち早くiFreeNEXT NASDAQ100 インデックスの取り扱いをはじめたところも大きなポイントになりますね。
松井証券
松井証券のiDeCoは35本制限まで余裕があるというのは後発の強みですね。
その35本制限までの余裕を生かして他社で人気となっている対象投資信託を一気に採用して話題になっていますね。
こちらも有力候補の一つですね。
2020年10月18日から取り扱い商品が大幅拡充されました。
人気となっているeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)や楽天・全世界株式インデックス・ファンドなども採用され最強ラインナップといっても過言ではない充実ぶりですね。
楽天証券
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドや楽天・S&P500インデックス・ファンドといった自社の人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。
この2つのファンドは人気ですね。
楽天証券は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、楽天・S&P500インデックス・ファンド、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、楽天・全米株式インデックス・ファンドといった楽天ブランドの人気商品の取扱が大きなポイントとなっています。今後は楽天SPUの対象になったりしたらかなり面白い存在ですね。
総合して考えるとこの4つの金融機関に加入すれば大きな後悔はないかなと思います。
他の運営管理機関もぜひがんばってほしいところですが・・・
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最後まで読んでいただきありがとうございました。